ハミルトンの記事一覧
2019/12/09
【動画】F1王者ハミルトン、メルセデスAMG製ハイパーカーと初対面「レースカーと同じ音」
2019年シーズンのF1を制し自身6度目となるワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンが、メルセデスAMGが開発中のハイパーカー『プロジェクト・ワン』の開発現場を視察した。この様子が収められたた動画がメルセデスAMGのYouTubeチャンネルで公開されている。
プロジェクト・ワンはメルセデスAMGの創設50周年を祝うモデルとして、2017年に初登場した2シーターハイパーカーだ。
同モデルの特徴はF1で培われたハイブリッド・テクノロジーが存分に活用されている点で、メルセデスF1と同じ1.6リットルV6直噴ターボエンジンにMGU-HとMGU-Kを組み合わせたハイブリッド・パワーユニットをミッドシップに搭載している。
このパワーユニットの総出力は1000馬力以上、最高時速は350km/hに達する。また計4つの電動モーターを搭載することで、後輪だけでなく前輪を駆動させることも可能となっており、0-200km/h加速は6秒以下というタイムをマークする。
そんなプロジェクト・ワンとハミルトンが、メルセデスAMG製ハイパーカーの開発テストが行われているドイツのレーストラックで初対面した。
ホワイトの迷彩パターンで彩られたマシンを前にしたF1王者は、開発チームのドライバー、エンジニアからクルマの仕組みやドライバビリティに関する話を聞いた後コースサイドに移動すると、その目で3億円を超えるとされるプロジェクト・ワンの走りをチェック。
「弾丸のようだ」とコメントしたハミルトンは「音はレースカー(F1)とほぼ同じだね」と付け加えている。
2019/12/09
「2021年F1のシート争いはすでに始まっている」とハミルトン。メルセデス代表に多数の売り込みと明かす
ルイス・ハミルトンは、2021年のメルセデスのシートに関して大勢のドライバーたちが問い合わせをしてきていると語った。そのなかにはトップドライバーも含まれているとハミルトンは示唆した。
ハミルトンとメルセデスとの現契約は2020年末までとなっているが、その後の計画をまだ決めてはいない。最近はフェラーリ移籍の可能性についての噂も持ち上がっている。
6日、パリで行われた2019年FIA表彰式の際に、ハミルトンは将来のドライバー移籍についてのうわさに言及した。
「今は面白い時期だ。多くのドライバーがあらゆる場所でポジションを探しているんだ。大勢のドライバーたちがトト(・ウォルフ)に電話をかけてチームに入りたいと言っている。さっきそこにいた人間を含めてね」とハミルトンは、フェルスタッペンがステージに上がった後にコメントした。
「皆が今の自分のチームを離れて僕らのところに来ようとしている。それは理解できることだよ。皆勝ちたいし、勝てる組織の一員になりたいと思うのは当然のことだ」
ハミルトンはフェラーリ会長ジョン・エルカーンとすでに何度か会合を持ったと報じられている。しかし13歳の頃から関係を築いてきたメルセデスを離れるのは難しいことだと、ハミルトン自身は認めた。
金曜日に移籍の可能性について再度尋ねられたハミルトンは、自身の意見を繰り返し述べた。
「僕は今のチームを愛しているし、一緒に仕事をしている人たちを愛している。自分がこれほど愛しているものから離れていくのは本当に難しいことだ。チームや組織、ボスたちにいたるまでね」
「僕は13歳の時からメルセデスとともに活動している。だから他のどこかに自分がいることを想像するのはとても難しい」
「僕が(ワークスチームに)所属してきた過去7年で築き上げられたものがある。もちろんメルセデスはそれ以上の期間取り組んできたけれど、今の時点ではそうしたことの存在が大きい」
「とても強力なチームなんだ。内部の深いところから強さを作り上げ、今のような安定性を持つことには、時間がかかったと思う」
「ひと晩で出来あがったようなものではない。それに今の他のチームは、僕たちが持っているような一体感を持っていない。そうしたことを作り上げるには時間がかかるんだ」
ハミルトンのプランは、チーム代表であるウォルフが2021年以降にどういう道を選ぶかに左右されるものと考えられる。
もしウォルフがメルセデスを去ることになれば、ハミルトンはフェラーリに移籍するか、もしくはF1での生活を終えて引退することを考えるかもしれない。
「トトがいなくても環境は変わらないだろうか? 僕はそうは思わない。でも彼は、彼にとって正しいことをやるべきだ」とハミルトン。
「何が自分にとって正しいことかが分かったら、選択をしなければならない。彼は彼にとって正しい選択をし、彼と彼の家族、そして彼の将来にとってベストな選択をするべきだ。変化もときには良いものだよ」
ハミルトンとともに表彰式のステージに立ったウォルフは、将来について早急に決めるつもりはないと発言した。
「これはある程度時間をかけなければならないプロセスだ。実際のところ、現状では予想外のことは何も起きていない」とウォルフは語った。
「我々ふたりは長い間ともに仕事をしてきた。互いに信頼しているし、難しい時期もともに乗り越えてきた。そうして絆を深め、強くなってきた」
「我々以外にも、チーム内の仲間の輪を構成する多くのメンバーがいる。だから我々は当然ながら、チームがどこへ向かっているのか、ルイスのキャリアはどうなるのかといったことを、常に話しているのだ」
2019/12/09
ここ一番の勝負強さはまるでアロンソ。マクラーレンを引っ張る存在に成長したサインツ【今宮純のF1アブダビGP採点】
F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はF1最終戦アブダビGP編だ。
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☆ ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
予選=14番手/決勝=9位
驚いた。スタートタイヤをウイリアムズ勢以外で彼だけがハード、金曜FP2ではミディアムを試していたのに(ガスリーがハード担当)。この選択と1ストップ戦略は難しかったはずだが40周ロングスティントをこなし9位へ。
トロロッソの目標はランク5位争い、だがガスリーがいきなりランス・ストロール(レーシングポイント)に接触され最後尾に後退、ルノーとの8点差を2点ちぢめ6位決定(08年ベスト・タイ結果)。チームメイトが入れ替わった今シーズンにレギュラーとして9回入賞、3度目の表彰台も。
☆ ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
予選=19番手/決勝=17位
似たような結果に見えるが最後の健闘だ。1ストップ後に18周したオールド・ミディアムで50周目に自己ベストタイム13位を記録。体調不良が心配された週末も元気な走り、GP後の4日のタイヤテストでメルセデスに乗り込み、堂々トップタイム。速度次元が全く違うのに適応力を示した。
☆☆ ダニエル・リカルド(ルノー)
予選=8番手/決勝=11位
終盤4戦連続入賞はならなかった。ここでは2020年シーズンのためのニューパーツ・テストを担当、PUトラブルなどもあり初日は16位。またもタイヤ温度問題を抱えたが土曜に大きくセッティングを変え、予選8番手はさすが。“オーバーテイク・マイスター”はセットアップ能力も持ち合わせているのだ。
☆☆ ランド・ノリス(マクラーレン)
予選=7番手/決勝=8位
対サインツの予選で<11勝10敗>勝ち越した。何度も触れてきたが最年少20歳(11月13日に)ルーキーは、タイムアタック力がそなわっている。今年の新人3人でその部分が光る。ここでもセクターベストをしっかりそろえる7位。レース最終周の11コーナーでペレスとの真剣バトルに抜かれ、悔しさをむき出し(これもいいレッスン)。
☆☆ バルテリ・ボッタス(メルセデス)
予選=2番手~20番手グリッド降格/決勝=4位
パワーユニットを2度交換して最後尾となるが今年最後の予選でセーブすることなくいった(気概を感じる)。このコース2本の直線で18周目まで“DRS機能停止”となり、メルセデスでもオーバーテイクは難しくなっていた。W10のストレートスピードは低く中団レベル、それでも5番手までポジションアップ。最後にルクレール(ソフトタイヤ)に仕掛けるもオールド・ハードでは果たせずに4位。誤解をおそれずに言えば今季のボッタスを象徴する結果に……。
☆☆☆ セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
予選=11番手/決勝=7位
ポジションアップ・レースが今年は15戦。最終戦もその強みを発揮しノリスをとらえると、11コーナー・エントリーからインサイドラインの“フェイント”をかけ、すかさずアウトサイドに。フェアーで巧妙な『ベスト・パッシング』のひとつ。ノリスとのランク10位攻防に勝ち、またここで中間チームのトップでゴール。
☆☆☆ シャルル・ルクレール(フェラーリ)
予選=4番手/決勝=3位
鬼門となったセクター3、走り出しからSF90は直角ターンで入口アンダーステア傾向が見てとれた。それをなんとかしようとアプローチのアクセリングを修正し、使用ギヤを変え、それでもカーバランスは最終盤戦で最も厳しい状態だった。(マシンが)決まらないときこそ彼のドライビングセンスが表れる。
☆☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
予選=10番手/決勝=12位
177戦のこれが総結果。4位3回、5位9回、6位20回、7位18回、8位18回、9位12回、10位14回(入賞率53%は現役ドライバーでトップ10レベル)。表彰台3位を阻まれた相手は12年ベルギーGPがキミ・ライコネン、13年韓国GPがロマン・グロージャン、16年ベルギーGPがルイス・ハミルトン。彼らは去るヒュルケンベルグの力量を充分に知っている。
☆☆☆☆ カルロス・サインツJr.(マクラーレン)
予選=9番手/決勝=10位
ますます同郷の先輩、チームの先輩でもあるフェルナンド・アロンソのようなレースをやってみせている。最後のチャンス、最終周にヒュルケンベルグをとらえ10位1点を。この1点がドライバーズランク6位逆転の“大勝負”、そこに彼の勝負強さを見た。
アロンソに似ているのはまだある。スタートに賭けオープニングラップで上がってくる技。接近戦では周囲を見切り、ラインワークをアドリブのようにチェンジ、空間認識能力が高い。自らのエラーは少なく今年3度のリタイアはメカニカル(PU)トラブル。担当エンジニア・メンバーとも密な“技術ミーティング”ができ、その気になれば自分でマシンを組み上げることもできるだろう。『ザ・マクラーレンズ2019』、ノリスとのコンビは進化途上にある。
☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)
予選PP/決勝=1位
プレッシャーから解放され、リラックスした6冠王だからこその6度目“グランドスラム”。ありったけのスピードをチームというよりも自分自身のために追求したのだろう。<ルイス・ハミルトン・ショー>のグランド・フィナーレ、アンコールはドーナツターン。旋回半径を見事なくらい正確に描いていた(!)。
☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
予選=3番手/決勝=2位
何度もホンダPUの感触に関して無線で細かく言っていたのは、けしてネガティブ意味ではない。リアルタイムでコクピットから発する生コメントは、レース後のデブリーフィング会話と違う意味を持つ。
聴く側のエンジニアグループは瞬時にリアル対応でき、それがデータとなって記憶保存され後日の“反省ミーティング“のテーマとなる。こうした流れがホンダ×レッドブルの初年度“アライアンス(協業)”を強化してきたのだ。再三TVにOAされる無線交信に、フェルスタッペン自身の進化と現体制への忠誠心をも感じた。
2019/12/08
アロンソ、F1でのハミルトンの成功を称賛。噂のフェラーリ移籍についても個人的な意見を述べる
フェルナンド・アロンソ、ルイス・ハミルトンのF1における持続的な成功に感銘を受けていると認め、ハミルトンは今や伝説的存在であるミハエル・シューマッハーと肩を並べたと主張している。
ハミルトンは今季、自身6度目となる世界タイトルを獲得し、シューマッハーの7度のチャンピオン獲得という記録に手が届くところまで到達した。
ハミルトン自身が認めたように2019年は厳しい年であり、これには外部から観察していたアロンソも同意している。
「今、彼がF1でしていることは驚くべきことだ」とアロンソはイギリスの『Channel 4』に語った。
「彼とチームの組み合わせは非常に圧倒的なんだ」
「このチャンピオンシップは彼にとってかなり厳しかったと思う。フェラーリは強かったし、シーズンのある部分ではレッドブルも強力だった」
ハミルトンはシューマッハーと同じレベルで語られるべきかどうかと聞かれたアロンソは、そうするべきだと答えている。
「(彼がシューマッハーより優れているかどうかを)言うのは難しいと。少なくともルイスは同レベルにいると思う」
ハミルトンとメルセデスの現行の契約は来シーズンの終わりまで続く。34歳のハミルトンの将来に関する最近の憶測は、2021年にフェラーリ移籍の可能性があるというものが主となっている。
フェラーリとの将来の可能性について、元フェラーリのドライバーであるアロンソがF1のスーパースターのハミルトンにできるアドバイスは、決定を下す前に長く、そして深く考えること以外にはほとんどないという。
「とても個人的な答えになると思う」とアロンソは語った。
「彼は様々な要因のなかから、すべての可能性や要素を考慮して決定を下さなければならない。とても個人的なことだ」
「彼らにはともに成し遂げた成果があるから、おそらくメルセデスに対する忠誠心もあるだろう。それに、2021年に向けてメルセデスがどういう考えを持っているのかは、僕には分からないことだ」
2019/12/05
ハミルトン、フェラーリとの話し合いを否定せず「将来について、早急な判断はしない」
ルイス・ハミルトンはフェラーリのチェアマンを務めるジョン・エルカーンとのミーティングについて否定していないが、6度のF1世界チャンピオンであるハミルトンは、メルセデスを去ることも含め、いかなる判断も早期に下されることはなく、また簡単に行われることもないと主張している。
ハミルトンのメルセデスとの現在の契約は2020年末で完了するが、ハミルトンの将来に関する噂はすでに吹き荒れている。
フェラーリのエルカーンが、今年既に2度ハミルトンに接触を持ったというイタリアメディアの報道についてどう思うか、日曜日にアブダビで尋ねられたハミルトンは、詳しくは語ろうとしなかったが、その話を否定することもなかった。
「誰と話し合いをすることになっても、閉じられたドアの後ろで起きたことは常に非公開だよ」とハミルトンは語った。
「もう何年も、僕は(メルセデスに)座り込んで他の選択肢を考えたことがない。なぜなら僕たちの道をまっすぐに突き進んでドライブしてきたからだ」
「トト(ウォルフ)も彼の将来という点では、選択肢を検討していることを知っているよ。だから、僕は彼がどうするのか分かるのを待っているんだ」
確かにメルセデスF1チーム代表のウォルフの1年後の計画も、また憶測を呼んでいる。ウォルフは、チェイス・キャリーの後任として、F1のCEOに就任するというF1からのオファーを検討していると噂されているのだ。
なお一部の関係者はその噂を、2020年末にメルセデスがF1からワークスチームとして撤退する可能性と結びつけているが、多くの人々はそうは見なしてはおらず、起きることのない筋書きだと見られている。
スタードライバーのハミルトンの将来について尋ねられたウォルフは、ハミルトンがメルセデス残留を延長することを確信しているとしており、2020年以降も彼がメルセデスでレースをする確率は75パーセントだと弾き出している。
「だが同時に25パーセントは我々がコントロールできないということになる」と、ハミルトンにフェラーリと自由に交渉をさせているウォルフは語った。ウォルフは、ここは“自由な世界”であり、”誰もがキャリアの選択肢を探求する必要がある”と認識していると語っている。
ハミルトンは結果がどうであれ、F1での将来については長い時間をかけて考え、真剣に取り組むつもりだと明言している。
「僕は今の居場所を気に入っている。だから他のことをやるにしても、早急な判断はしないよ」とハミルトンは語った。
「でも、もちろん僕のキャリアが終盤か最後にさしかかってるとしたら、座って自分の求めることを考えるのが賢明なやり方だろうね」
2019/12/04
ドライバー・オブ・ザ・デー最多獲得はフェルスタッペン。ピットストップ・アワードもレッドブル・ホンダが制す
2019年F1グランプリ決勝レースを観戦したファンの投票による『ドライバー・オブ・ザ・デー』と、決勝レース中に最速ラップを叩き出したドライバーに贈られる『DHLファステストラップ・アワード』、最速のピットストップ作業を行ったチームに与えられる『DHLファステスト・ピットストップ・アワード』の3つのアワード。2019年シーズン終了にあわせて各アワードの最多受賞者も決定している。
まずファン投票によって選ばれるドライバー・オブ・ザ・デーの2019年最多受賞者は、今シーズン3勝を挙げ、自身初のドライバーズランキング3位でシーズンを終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだ。
フェルスタッペンはレッドブルとホンダがタッグを組み初優勝を飾った第9戦オーストリアGPをはじめ、計7回のドライバー・オブ・ザ・デーを獲得した。2位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが4回で続き、チームメイトのセバスチャン・ベッテルが3回獲得の3位となった。
そして意外なことに2019年ドライバーズチャンピオンを獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンは今シーズンのドライバー・オブ・ザ・デーは一度も獲得していなかった。
■ドライバー・オブ・ザ・デー獲得回数
順位 | ドライバー | 獲得回数 |
---|---|---|
1 | マックス・フェルスタッペン | 7 |
2 | シャルル・ルクレール | 4 |
3 | セバスチャン・ベッテル | 3 |
4 | アレクサンダー・アルボン | 2 |
5 | バルテリ・ボッタス | 2 |
6 | ランド・ノリス | 2 |
7 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 1 |
■ファステストラップを誰よりも多く記録したドライバーは?
決勝レース中に最速ラップを記録したドライバーに贈られるDHLファステストラップ・アワードをもっとも多く獲得したのは、2019年F1ワールドチャンピオンに輝いたハミルトンだ。
ドライバー・オブ・ザ・デーは獲得できなかったハミルトンだが、今シーズンのファステストラップを誰よりも多く記録し、計6回のDHLファステストラップ・アワードを獲得した。2位にはルクレールが4回で続き、フェルスタッペンとボッタスが3回獲得で同率3位となっている。
■DHLファステストラップ・アワード獲得回数
順位 | ドライバー | 獲得回数 |
---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | 6 |
2 | シャルル・ルクレール | 4 |
3 | マックス・フェルスタッペン | 3 |
4 | バルテリ・ボッタス | 3 |
5 | ピエール・ガスリー | 2 |
6 | セバスチャン・ベッテル | 2 |
7 | ケビン・マグヌッセン | 1 |
21/21!
We present the final results for the 2019 DHL Fastest Lap Award. #DHLF1 #F1
More about the DHL Fastest Lap Award: https://t.co/1z9eTVIQP0 pic.twitter.com/Z4UT77zopA
— DHL_Motorsports (@DHL_Motorsports) December 2, 2019
■ピットストップ・アワードはレッドブルが制す
最速のピットストップ作業を行ったチームに与えられるDHLファステスト・ピットストップ・アワードは、世界最速ピットストップ記録をシーズン中に3度更新するなど、計9回の首位記録のほか安定してピットストップ・アワード上位につけたレッドブル・レーシングが504点を獲得し2019年シーズンを制した。
2位にはウイリアムズが入り、こちらもレッドブルとおなじく9回のDHLファステスト・ピットストップ・アワードを受賞しているが、上位入賞記録の差などによって首位のレッドブルとは65点差の2位となった。コンストラクターズランキングは最下位となってしまったウイリアムズだが、ピットストップタイムは速さを見せていることからチームの士気は高そうだ。
3位にはフェラーリ、4位には2019年のコンストラクターズチャンピオンを獲得したメルセデスが続いている。
■DHLファステスト・ピットストップ・アワードランキング
順位 | チーム | 獲得ポイント |
---|---|---|
1 | レッドブル | 504 |
2 | ウイリアムズ | 439 |
3 | フェラーリ | 315 |
4 | メルセデス | 273 |
5 | マクラーレン | 217 |
6 | トロロッソ | 121 |
7 | ルノー | 106 |
8 | ハース | 61 |
9 | アルファロメオ | 49 |
10 | レーシング・ポイント | 36 |
■2019年F1ピットストップタイムランキング
順位 | チーム | ドライバー | グランプリ | タイム(秒) |
---|---|---|---|---|
1 | レッドブル | マックス・フェルスタッペン | ブラジル | 1.82 |
2 | レッドブル | マックス・フェルスタッペン | ドイツ | 1.88 |
3 | レッドブル | ピエール・ガスリー | イギリス | 1.91 |
4 | レッドブル | アレクサンダー・アルボン | メキシコ | 1.93 |
5 | レッドブル | マックス・フェルスタッペン | イギリス | 1.96 |
6 | ウイリアムズ | ロバート・クビサ | フランス | 1.97 |
7 | ウイリアムズ | ロバート・クビサ | ドイツ | 1.99 |
8 | ウイリアムズ | ロバート・クビサ | カナダ | 2.00 |
9 | ウイリアムズ | ロバート・クビサ | オーストリア | 2.02 |
10 | レッドブル | アレクサンダー・アルボン | アメリカ | 2.02 |
2019/12/03
全21戦で入賞、安定した強さで2019年シーズンを完全走破したハミルトン【今宮純のF1アブダビGP分析】
2019年F1最終戦アブダビGPは、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを達成。6冠王者はライバルを寄せ付けることなく圧巻の走りを見せつけた。F1ジャーナリストの今宮純氏が週末のアブダビGPを振り返る。
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長き21戦シリーズ、1262周を“完全走破”したハミルトンに今年最後のチェッカーフラッグが振られた。勝利やPP獲得数もさることながら6381kmを走り切り(地球1周距離は約4万km)、王者はすべて入賞ゴールを重ねた。この最長不倒記録こそ今年彼が創った数々の記録のうち、もっとも価値があるものではないか。
2018年から33戦連続入賞は自己最高タイ記録、アブダビGPがこの間の19勝目となる。6冠王者は狙っていたかのように10戦ぶりのPPを決め、スタートから55周リードを奪い、53周目には最速ラップも叩きだした(27周したハードタイヤで)。最終戦フィナーレに「全部獲ってみせる」と、ハミルトンは本能をむき出しにしたように見えた。
アブダビGP前までPPが今年はたった4回、これは12年シーズン以前までさかのぼる少なさ。だからこそ意地でもPPを獲るという意欲があったにちがいない。相対的に見てフェラーリ勢はセクター3が鈍く、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンもそこがもうひとつ。となるとボッタスの存在が“仮想敵”になる。
ボッタスはアブダビGPで2度パワーユニット・エレメントを交換、最後尾グリッドが決定していた。だがそれに対応した追撃レース・ペースを意識するセッティングを試みないままでいた。個人的に感じたのは、あえてPU交換したのは2020年仕様を実戦テストする思惑もあり、ハミルトンのマイレッジを重ねたオールドPUと比較する意図もチームにあったのではないか。
フレッシュPUを得たボッタスはQ1からQ3もフルアタック。通常ならそこまでやらずQ2で引き下がるのにプッシュした。しかしその結果はハミルトンが0.194秒差でPP、走り込んでいるパワーユニットで3セクターともボッタスを上回った。セクタースピードはボッタスの方が速かったが、ハミルトンはリズミカルなコーナーワークの切れを見せつけたのだ。
獲るべくして決めた88回目のPPに、「まるで初めて獲ったような気分がする」と言った王者。その裏にはフレッシュPUのチームメイトに優った実感が込められているようにも感じとれた。34歳にして<初心忘るべからず>、いまやベテランの彼ならではの言葉だ。
スタートから飛び出ると1周目1.681秒、2周目2.002秒、3周目2.771秒、2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を瞬く間にリードしていった。以前のようなハミルトン・スタイルを思い出させた。すると技術的問題のため全車DRS機能が使えない事態が発生、独走パターンに持ち込むリーダーはさらにギャップを広げ、燃費もタイヤもしっかりマネージメント。ほぼ半分の26周をミディアムタイヤでカバーし、ハードに変えてからは1分42秒台でひた走った。
09年アブダビGP初年度に勝ったセバスチャン・ベッテルの最速ラップ1分40秒279が、10年間破られずにいた。ハミルトンはその記録を狙った。52周目より一気に2.810秒アップ、1分39秒283を53周目にたたき出す。これ以上に完璧な締めくくりはない。387点+25点+1点=413点、昨年の408点を超えた(今季最速ラップ加点が6点)。
──2014年アブダビGP最終戦から6シーズンにハミルトンは4勝してきている。シリーズ最後の夜を華々しく、圧倒する速さで飾れ、王者は安らぎをみつけたような表情を表彰台で見せた。両脇にいる2位フェルスタッペン、3位ルクレールとそろってシャンパン・ボトルで乾杯、『ルイス・ハミルトン・ショー』の幕は下りた――。
2019/12/03
ハミルトン、フェラーリF1からの関心を喜ぶ。ウォルフもライバルチームとの話し合いを許容
メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍の選択を検討しても阻止はしないということだが、一方でスタードライバーであるハミルトンが2020年以降もメルセデスに留まることを確信している。
ハミルトンとメルセデスが完了するのは来シーズン末だが、F1では「2021年に誰がどのチームへ行くか」の駆け引きがすでに始まっている。
イタリアの『Gazzetta dello Sport』によると、フェラーリ会長を務めるジョン・エルカーンは今年の早い時期からハミルトンへの接触を開始し、6度のF1世界チャンピオンである彼がフリーエージェントになったあかつきには契約を結びたいと、関心を表明していたという。
金曜日にヤス・マリーナで行なわれたチーム代表記者会見で、フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットは、ハミルトンが2021年からチームに加入できるのなら「フェラーリにとっては喜ばしい事態だ」と語り、ハミルトンをフェラーリに誘う可能性があることを示唆した。
ビノットのコメントに反応したハミルトンは、思い出せる限りでは、これはこの13年間で初めてフェラーリから受けた賛辞だと語った。
「正直なところ、彼らがこれまで僕について言及したことなど記憶にないくらいだ。だからありがたく受け止めるよ。でもあまり深い意味はないだろうね。ただの話だよ」とハミルトンはアブダビで語った。
「ようやく、何年も経ってから彼(ビノット)は僕に気づいたみたいだけど、それでも僕は嬉しいよ」
「とても長い時間が経った。そしてフェラーリは僕が長年常に称賛してきたチームだ。だから彼らの尊敬を、明らかにチームのトップにいる人から勝ち得ることができたことは、悪い気持ちはしないね」
「彼らにはふたりの優れたドライバーがいるから、ドライバー市場が来年にかけてどうなるかは誰にも分からない」
離れたところから見る限り、ウォルフは現在は受け身の姿勢をとっており、彼のドライバーがメルセデスの最大のライバルチームと話をすることになんら問題はないと主張している。
「私はまったく問題ない思っている」とウォルフは認めた。
「ここは自由な世界であり、誰もがキャリアの選択肢を探求し、自分自身のために最高の選択をする必要がある。ドライバーも、他の者も含めてだ」
ハミルトンの将来や、フェラーリがハミルトンと会話をしていることについて、ウォルフは超然としているように見える。それは、おそらく彼にはメルセデスは成功を求め続け、あらゆる手段をつくして偉大なチャンピオンに最高の設備と組織を提供していくという信念があるからだろう。
「私はこの状況を楽観視している」とウォルフは付け加えた。
「我々はできる限り最速のマシンをドライバーに提供するために、非常に激しくプッシュする必要があるのだ」
「そして、そうしたことができていれば、我々のマシンには望む限り最高のドライバーラインアップがつくことを100パーセント確信している」
「そしてすべての要素が、我々と(ハミルトンとの)関係が継続することを指し示している。だが人生には何が起きるか分からない。したがって前にも言ったように、私はこの件には非常に柔軟でいる」
「まず誰もが目標を持ち、キャリアにおける最高のチャンスを掴む必要があるという事実を受け入れることから始めよう」
「その点で、私は皆が選択肢を検討することについて完全にオープンでいる。とはいえ、当然ながら私個人のチームに向けた優先事項は、成功の旅路を(ハミルトンと)続けることにある」
2019/12/02
メルセデスF1のハミルトン、完勝も「2020年マックスたちに負けないよう、気を緩めずに努力していく」
2019年F1アブダビGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンはポールポジションから今季11勝目を挙げた。
ハミルトンは55周のレースをミディアムタイヤでスタート、26周目にハードに交換する1回ストップで走った。ファステストラップを記録してボーナスポイントも獲得、決勝全周回リードと、完勝を果たした。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
最高の形でシーズンを終えることができた。今週末、僕らチームはとても強くて、バルテリ(・ボッタス)も素晴らしい仕事をしたと思う。皆が献身的にハードワークを続けていることをありがたく思う。僕らは共にレベルを引き上げているんだ。チームの皆に心から感謝したい。
僕らチームにとって、成長という意味ではとても重要な一年だったと思う。来年新たなチャレンジを始めるにあたり、今年の経験が役立つことを願っている。
今年はバルテリ、マックス(・フェルスタッペン)、シャルル(・ルクレール)を相手にいいレースをしてきた。2020年はさらに接戦になるはずだ。彼らはレベルを引き上げるための努力を惜しまないだろうから、この冬、僕も同じことをしなければならないのは明らかだ。自分にはやれると信じているよ。気持ちを新たに前に進んでいく。来年の新たなチャレンジを楽しみにしている。
2019/12/02
メルセデスF1のハミルトン、完勝も「2020年マックスたちに負けないよう、気を緩めずに努力していく」
2019年F1アブダビGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンはポールポジションから今季11勝目を挙げた。
ハミルトンは55周のレースをミディアムタイヤでスタート、26周目にハードに交換する1回ストップで走った。ファステストラップを記録してボーナスポイントも獲得、決勝全周回リードと、完勝を果たした。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
最高の形でシーズンを終えることができた。今週末、僕らチームはとても強くて、バルテリ(・ボッタス)も素晴らしい仕事をしたと思う。皆が献身的にハードワークを続けていることをありがたく思う。僕らは共にレベルを引き上げているんだ。チームの皆に心から感謝したい。
僕らチームにとって、成長という意味ではとても重要な一年だったと思う。来年新たなチャレンジを始めるにあたり、今年の経験が役立つことを願っている。
今年はバルテリ、マックス(・フェルスタッペン)、シャルル(・ルクレール)を相手にいいレースをしてきた。2020年はさらに接戦になるはずだ。彼らはレベルを引き上げるための努力を惜しまないだろうから、この冬、僕も同じことをしなければならないのは明らかだ。自分にはやれると信じているよ。気持ちを新たに前に進んでいく。来年の新たなチャレンジを楽しみにしている。
2019/12/02
ピレリ、柔らかめのタイヤパフォーマンスに満足「数多くの戦略とスピードが見られた」
2019アブダビグランプリ決勝
最終戦アブダビの表彰台は1ストッパーと2ストッパーに
2019年12月1日、アブダビ
メルセデスのルイス・ハミルトンが、ミディアム~ハードと繋ぐ1ストップ戦略で今シーズン最終戦を制しました。2位を獲得したレッドブルのマックス・フェルスタッペンもおなじ戦略を採りました。
3位でフィニッシュしたフェラーリのシャルル・ルクレールは、ミディアム~ハード~ソフトと繋ぐ2ストップ戦略を採り、接戦となったレース終盤においてソフトタイヤのスピードアドバンテージを活かしました。
キーポイント
・ポールポジションからスタートしたハミルトンは、一度もトップの座を譲ることなく、55周のレースをトラブル無く走り切りました。ハミルトンに続く表彰台をめぐっては、接戦が展開されました。ハミルトンは、ポールポジション、優勝、ファステストラップのグランドスラムを達成しました。
・フェラーリの両ドライバーは、スタートから異なる戦略を採っていましたが、最終的にはともに2ストッパーとなりました。1回目はおなじタイミングでピットストップを行った両ドライバーは、使用の順番は異なるものの、ともに3種類のコンパウンド(ハード、ミディアム、ソフト)を使用しました。
・グリッドペナルティによって最後方からスタートしたメルセデスのバルテリ・ボッタスは、4位でフィニッシュしました。ボッタスは、ミディアムによる長いオープニングスティント走行後、ハードへ交換し、表彰台へあと一歩のところまで追い上げました。
・トロロッソのピエール・ガスリーが最長スティントを走行しました。スタート直後の接触を受けて、1周目でハードへ交換したガスリーは、フィニッシュまでの52周(2周遅れのため)をハードで走行しました。
・トップ10で5種類の異なる戦略が見られました。
・2009年以来のレースラップレコードが、ハミルトンによって更新されました。ハミルトンは、ハードタイヤを使用して、残り2周時点でファステストラップを記録しました。
各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C3:ルノーのニコ・ヒュルケンベルグを除く全ドライバーが使用しました。ヒュルケンベルグは、自身F1最後のレースを12位でフィニッシュしました。
・ミディアム C4:アブダビの低下していく温度の下、耐久性と性能間の卓越した妥協点を示すミディアムタイヤは、スタートタイヤとして主流となりました。
・ソフト C5:タイヤレンジ中で最も柔らかいコンパウンドは、アブダビの厳しいトラックに対応し、燃料満タンのレース序盤においても10周以上の走行で使用されていました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「タイヤの観点では、我々のタイヤレンジ中で最も柔らかい柔らかい組み合わせのパフォーマンスに満足しています。長いスティント、低いデグラデーションレート、数多くの戦略とスピードが見られ、10年前に記録されたレースラップレコードが、多くの周回を重ねたハードタイヤによって更新されました」
「こうした点は、今シーズンのFormula1の継続的な性能向上を示しており、今後も留意しておくべきことと思います。これから我々はヤス・マリーナに留まり、2020年以降のタイヤテストに臨みます。火曜日と水曜日には、全チームが2020年型タイヤを試し、現行の2019年型タイヤとの違いを検証します」
「その後、我々の今シーズン最後のタイヤテストにおいて、2021年に向けた18インチタイヤをテストします。際立った今日の勝利のみならず、今シーズンのチャンピオンを獲得したハミルトンとメルセデスを讃えたいと思います」
■2019年F1最終戦アブダビGP レースインフォグラフィックス
■コンパウンド毎のラップタイム上位:
・ハードタイヤ
ルイス・ハミルトン:1分39秒283
バルテリ・ボッタス:1分39秒715
マックス・フェルスタッペン:1分41秒119
・ミディアムタイヤ
セバスチャン・ベッテル:1分40秒128
カルロス・サインツJr.:1分41秒294
ダニール・クビアト:1分42秒222
・ソフトタイヤ
シャルル・ルクレール:1分40秒442
ダニエル・リカルド:1分41秒190
セバスチャン・ベッテル:1分43秒234
■最長スティント:
・ハードC3:ピエール・ガスリー 52Laps
・ミディアムC4:セルジオ・ペレス 37Laps
・ソフトC5:ランス・ストロール 22Laps
2019/12/02
F1アブダビGP決勝:王者ハミルトンが貫禄の勝利。2位のフェルスタッペンは選手権3位で終える
12月1日現地時間午後5時10分、最終戦アブダビGPの決勝が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2位表彰台、アレクサンダー・アルボンは6位入賞となっている。
日中はこの週末一番の暑さとなったが、決勝を迎える頃には陽が傾き、気温は26度、路面温度は30度まで下がった。
予選2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)はパワーユニット(PU/エンジン)交換によるペナルティで最後尾グリッドに降格。代わってフェルスタッペンが2番グリッドからスタートすることとなった。
ソフトタイヤのデグラデーションが大きくなることが予想される中、Q3に進んだ中でメルセデスAMGの2台、レッドブルの2台、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はミディアムタイヤスタートでそれ以外はソフト。予選11番手以下でも大半がミディアムを選び、ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)とウイリアムズ勢がハード、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)だけがソフトを選んだ。
ルクレールは決勝前に抽出された燃料サンプルが当初提出したものと成分が大きく異なっており、審議の対象となる可能性が高い中でのレーススタートとなった。
上位勢は無難なスタートを切りグリッド順のままターン1を通過したが、フェルスタッペンはペースが上がらず1本目のバックストレートで早くもルクレールに捕らえられて3番手に後退する。さらにセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)からもプレッシャーを受けるがなんとかこれは抑え込んだ。
後方ではターン1でランス・ストロール(レーシングポイント)に左リヤを接触されリヤが流れたピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)がイン側にいたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に接触してフロントウイングを失い、最後尾まで後退した上にピットストップを余儀なくされ、ハードタイヤに交換して最後まで走り切る戦略に切り替えた。
レースは3周目を迎えても技術的問題のためDRSが使用できない状態が続き、追い抜きが難しいため各車の膠着状態が続く。最後尾スタートのボッタスは3周目の時点で14番手まで挽回してきたが、後方からの追い上げを必要とする彼にとっては好ましい状況ではない。それでもボッタスは次々と前走車を抜いていく。
首位ハミルトンは2番手ルクレールを0.5秒ずつ引き離していき、3番手フェルスタッペンはそこからさらに2秒、4番手ベッテルは2.5秒、5番手アルボンは4.5秒差で走行する。6番手ランド・ノリス(マクラーレン)、7番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、8番手ダニエル・リカルド(ルノー)、9番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、10番手ケビン・マグヌッセン(ハース)という上位勢で、クビアトは15番手を走行する。
8周目には早くもソフトスタート勢のノリスとジョビナッツィがピットインし、ハードタイヤに交換。ライバルたちはすぐには反応せず、11周目まで引っ張ってリカルドがピットインしハードに交換。

しかしノリスの前に出ることはできず、12周目にピットインしたサインツはリカルドの前でコースに戻ったものの直後のバックストレートでオーバーテイクされた。しかしサインツはリカルドを抜き返し、ノリス、サインツ、リカルドの順でロマン・グロージャン(ハース)に抑え込まれ、ソフトタイヤのまま引っ張り続けるヒュルケンベルグに対して苦戦を強いられる。
12周目にルクレールが上位勢で最初にピットインし、フェラーリはベッテルも同じ周にピットインさせ間髪をおかずダブルストップを行なう。しかしベッテルの停止位置が少し右側にずれたためか、左前後輪とも交換完了が遅れて6.9秒を要してしまった。しかし翌13周目にピットインしたアルボンはベッテルを逆転することができなかった。
15周目にはボッタスはヒュルケンベルグの背後5番手まで上がってきたが、ストレートが伸びるルノーをなかなか抜けず、後方にはタイヤ交換を終えたベッテルとアルボンが迫る。ボッタスは18周目にやっとヒュルケンベルグを抜いて4番手に上がり、マクラーレン勢も同じく18周目にグロージャンを抜いて本来のペースを取り戻した。
ヒュルケンベルグはここでピットインし、マクラーレン勢逆転はならなかったがリカルドの前で戻りオーバーカットを成功させたかたちになった。ヒュルケンベルグはさらに前のサインツをDRSで抜いてノリスの背後に迫り実質的な中団グループ最上位を狙う。
17周目あたりからDRSはようやく問題が解決し使用が可能に。
20周目を過ぎたあたりからリヤタイヤのタレを訴え始めていたフェルスタッペンは25周目にピットイン。12.5秒前方を走っていたハミルトンは翌26周目にピットインし余裕を持ってフェルスタッペンとルクレールの前でコースに復帰する。一方のフェルスタッペンはコーナー出口でのラグを感じており、チーム側もセッティング変更で対応しようとするがなかなか完全にクリアにはならない。
ボッタスは29周目にピットインしこれで上位勢は全車がピットストップを終えて首位ハミルトン、2番手ルクレールは11秒差、3番手フェルスタッペンはそこから1.5秒、4番手ベッテルはそこから21秒、5番手アルボンはベッテルの3秒後方、ボッタスはそこから12秒後方という上位勢の位置関係となった。
32周目のバックストレートでフェルスタッペンはルクレールを捕らえてターン8でパス。バックストレート2本目でルクレールがDRSを使って再びフェルスタッペンに襲いかかりターン11でアウト側から並びかけるが、曲がりきれずランオフエリアに逃れ、2番手はフェルスタッペンのものとなった。
その20秒後方では4番手ベッテルの後方にアルボンが迫り、ボッタスも一気に差を詰めてきてアルボンを抜き去った。
コース上の純粋な速さで歯が立たないフェラーリ勢は38周目にまたしても2台ともにピットインし、ルクレールはソフト、ベッテルはミディアムに交換し攻めの戦略に切り替える。
37周目にはスタートからミディアムで引っ張り続けてきたペレスがピットイン、ハードに交換してリカルドの前10番手。残るクビアトはハードタイヤで走ってきただけにすぐにはピットインをせず、40周目まで引っ張ってミディアムに履き替えリカルドの後方12番手でコースに戻った。
そして41周目にサインツがピットインしたのをきっかけにリカルドも42周目に2回目のピットインを行ない、サインツはミディアム、リカルドはソフトに交換してラストスパートをかける。
これで7番手ノリス、8番手ヒュルケンベルグの後方は9番手ペレス、10番手クビアトとなる。さらにペレスは45周目のターン8でDRSを使ってヒュルケンベルグを抜き中団グループ最上位へと迫っていく。
クビアトもフレッシュなタイヤの威力を使い46周目にヒュルケンベルグを抜いて9番手へ。ノリス対ペレスの中団最上位争いは熾烈を極めるが、タイヤが厳しいノリスも最大限のプッシュして必死にポジションを守る。
50周目を迎える頃にはルクレールのソフトタイヤがタレてペースが大きく落ち、4番手ボッタスが一気に後方に迫る。54周目にはベッテルがアルボンを捕らえてパスし5番手へ。
ハミルトンは最初から最後まで全く隙のない走りでレースを支配し、トップでチェッカードフラッグを受け今季11勝目を挙げた。フェルスタッペンは16.772秒差の2位、そしてルクレールは最後までボッタスを抑え切って0.944秒差で3位でチェッカーを受けた。4位ボッタス、5位ベッテル、6位アルボンという上位勢。
中団グループではペレスがノリスを抜き去り最上位の7位でフィニッシュし、8位ノリス、クビアトは9位、最終ラップにヒュルケンベルグを抜いたサインツが10位、リカルドが11位、ヒュルケンベルグはF1最後のレースを12位で終えた。
2019/12/01
【順位結果】F1最終戦アブダビGP決勝
2019年F1最終戦アブダビGP決勝はメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2位表彰台、アレクサンダー・アルボンは6位入賞となっている。
F1最終戦アブダビGP決勝暫定結果
Pos | No. | Driver | Team |
---|---|---|---|
1 | 44 | L.ハミルトン | メルセデス |
2 | 33 | M.フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ |
3 | 16 | C.ルクレール | フェラーリ |
4 | 77 | V.ボッタス | メルセデス |
5 | 5 | S.ベッテル | フェラーリ |
6 | 23 | A.アルボン | レッドブル・ホンダ |
7 | 11 | S.ペレス | レーシングポイント |
8 | 4 | L.ノリス | マクラーレン |
9 | 26 | D.クビアト | トロロッソ・ホンダ |
10 | 55 | C.サインツJr. | マクラーレン |
11 | 3 | D.リカルド | ルノー |
12 | 27 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー |
13 | 7 | K.ライコネン | アルファロメオ |
14 | 20 | K.マグヌッセン | ハース |
15 | 8 | R.グロージャン | ハース |
16 | 99 | A.ジョビナッツィ | アルファロメオ |
17 | 63 | G.ラッセル | ウイリアムズ |
18 | 10 | P.ガスリー | トロロッソ・ホンダ |
19 | 88 | R.クビサ | ウイリアムズ |
R | 18 | L.ストロール | レーシングポイント |
2019/12/01
【順位結果】F1最終戦アブダビGP決勝
2019年F1最終戦アブダビGP決勝はメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2位表彰台、アレクサンダー・アルボンは6位入賞となっている。
F1最終戦アブダビGP決勝暫定結果
Pos | No. | Driver | Team |
---|---|---|---|
1 | 44 | L.ハミルトン | メルセデス |
2 | 33 | M.フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ |
3 | 16 | C.ルクレール | フェラーリ |
4 | 77 | V.ボッタス | メルセデス |
5 | 5 | S.ベッテル | フェラーリ |
6 | 23 | A.アルボン | レッドブル・ホンダ |
7 | 11 | S.ペレス | レーシングポイント |
8 | 4 | L.ノリス | マクラーレン |
9 | 26 | D.クビアト | トロロッソ・ホンダ |
10 | 55 | C.サインツJr. | マクラーレン |
11 | 3 | D.リカルド | ルノー |
12 | 27 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー |
13 | 7 | K.ライコネン | アルファロメオ |
14 | 20 | K.マグヌッセン | ハース |
15 | 8 | R.グロージャン | ハース |
16 | 99 | A.ジョビナッツィ | アルファロメオ |
17 | 63 | G.ラッセル | ウイリアムズ |
18 | 10 | P.ガスリー | トロロッソ・ホンダ |
19 | 88 | R.クビサ | ウイリアムズ |
R | 18 | L.ストロール | レーシングポイント |
2019/12/01
F1最終戦アブダビGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2019年F1最終戦アブダビGP予選でポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。
■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
セバスチャン・ベッテル 予選=5番手
明日は4番グリッドからスタートする。今日のQ3は理想的ではなかった。最終セクターにいくつか速さを発揮できないコーナーがあり、ひどく苦戦したんだ。このコースは僕らとの相性が最高とはいえない。でも明日何ができるか、見ていくよ。
セッション終盤の最後のランの時、アウトラップで全員が低速で走ったためにひどいことになった。その結果、僕の場合、アタックラップをスタートする時点でタイヤが冷えすぎていて、ターン1でコントロールを失ってしまった。そして(後ろを走っていた)シャルル (・ルクレール)に至っては、アタックを始めることさえできなかったんだ。
僕らが最終コーナーで遅い理由は、他のマシンよりもスライドが多いからかもしれない。タイヤを適切に機能させることができずにいる。
明日はベストを尽くすけれど、簡単なレースにはならないだろう。それでも機会をうかがっていく。そのために僕らは異なるコンパウンドのタイヤを選んだんだ。ソフトでのスタートが正しいかどうかは明日分かるだろう。
■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 予選=4番手
厳しい予選だった。4番手タイムを出した最初の走行ではいいアタックラップを走れた。でも、いつだって改善の余地はあるものだ。最後のアタックに間に合うよう戻れなかったのは残念だ。今日はポールには届かなかっただろうが、4番手よりもいい結果を出せるチャンスはあったと信じている。でも、時にはこういうこともある。
レースに向けて、主に最終セクターでの走りを改善するための対策が必要だ。パフォーマンスが一番不足していたのはこのセクターだからね
1年の最後のレースであり、チャンピオンシップ3位を取り戻す最後のチャンスだ。簡単ではないだろうが全力を尽くす。3位をかけて戦うためには、スタートでリスクを負わなければならない。何ができるかに目を向けていこう。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=3番手
予選にはとても満足している。マシンの力をすべて引き出せたからだ。もちろん、ドライバーは常にポールポジションを目指しているし、それが無理でもポールにできるだけ近づきたいと思っている。でも今日の僕らにはこれが最大限の結果だった。これ以上の力はマシンに残っていなかった。
カレンダーのなかには、特定のマシンが他より強くて、比較的容易に優れたセットアップを見つけ出せるようなサーキットがある。ここはメルセデスが得意とするトラックなんだ。彼らに比べると、僕らは最終セクターでベストな走りをするのが少し難しかった。
バルテリがペナルティを受けることで、僕はフロントロウからスタートできる。それはレースにおいて有利に働くだろう。このコースはオーバーテイクが難しいから、スタートが重要だ。長いレースになるし、もちろんいつもどおり勝利を目指していく。メルセデスは速いだろうから、簡単ではないだろう。でもチーム全員で、彼らにプレッシャーをかけ、できる限り苦しめ、最後の最後まで戦っていく。
(FIA記者会見で語り)僕がこれ以上うまくやる余地があったとは思わない。まずまずの予選だった。全力を尽くしたが、届かなかった。完璧なラップというものはありえないが、いいラップだったのは確かだ。限界ぎりぎりまで攻めていた。ただ、彼ら(メルセデス)と比べるとグリップが足りないようだ。彼らは最終セクターがものすごく速い。僕らは最終セクターで遅れを取った。
フロントロウからスタートできるのはいいことだ。でも(繰り上がりではなく)自分でその位置を獲りたかった。
メルセデスにプレッシャーをかけ続け、何が起こるかを見ていく。もちろん現実的に考える必要がある。彼らはとても速い。それでもチャンスは十分あるから、レースのなかで状況を見ていくよ。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 予選=2番手
おめでとう、ルイス(ハミルトン)。88回のポールポジションというのは素晴らしい記録だ。
僕のラップもよかったと思うが、今日はルイスの方が少しだけ速かったみたいだね。異なるセッティングで予選に臨んだけれど、僕としては昨日の方が感触が良かったように感じる。
いずれにしても今は明日のレースに集中している。レースでグリッドペナルティを受けて、後方からスタートすることを分かった上での予選だった。それでもできる限りプッシュしたが、明日に向けてタイヤを節約するためにQ2では1回しか走行しなかった。
明日は面白いレースになると思う。できるだけ多くの順位を取り戻せるよう頑張るよ。チャレンジにはなるだろうが、楽しみにしている。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 予選=1番手
僕らにとってとてもいい予選だった。今年は予選が楽だったことなどなかったけれど、コツコツと取り組み、改善を図ってきた。
昨日は少し苦労しており、今日に向けて改めて集中し直す必要があった。Q3に進んで、2回いいラップを走れるというのは、これ以上ないほど素晴らしいことだ。チーム全員の絶え間ない努力に、心から感謝する。
両方のタイトルを獲得した後でも、プッシュし続けて、改善のために努力していかなければならない。そうしたことが、僕を奮い立たせるんだ。
今年のマシンとは素晴らしい旅路を歩んできたから、ポールでシーズンを締めくくることができて最高の気分だ。まだ仕事の半分も終わっていないけれど、この結果によって、僕らはフェラーリやレッドブルと戦わなければならない明日に向けて、可能な限り最高のポジションを確保できた。
(FIA記者会見で、ドイツGP以来のポールを獲得した気分を聞かれ)前回のポールはもっと昔だったように感じる。サマーブレイクの後、どのドライバーも素晴らしい仕事をしていることで、かなりの接戦が続いている。自分の予選がひどい出来だったとは思わないけど、僕にとっての通常の水準には届いていなかったかもしれない。だから本当に満足だ。88回目だと言うが、全くそんな感じはしない。初めて獲ったみたいに新鮮な気持ちなんだ。あまりに久しぶりだからかもしれないね。今年最後の予選を5度目のポールで締めくくることができてうれしい。
2019/12/01
ハミルトン、4カ月ぶりのポールに笑顔「88回目なのに初めて獲ったみたいに新鮮」メルセデス F1アブダビGP
2019年F1アブダビGPの土曜予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンはキャリア88回目のポールポジションを獲得した(1分34秒779)。今シーズンのなかでは5回目で、7月のドイツGP以来となる。メルセデスはアブダビで6年連続でのポール獲得を達成した。
ハミルトンはミディアムタイヤで決勝をスタートする。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 予選=1番手
僕らにとってとてもいい予選だった。今年は予選が楽だったことなどなかったけれど、コツコツと取り組み、改善を図ってきた。
昨日は少し苦労しており、今日に向けて改めて集中し直す必要があった。Q3に進んで、2回いいラップを走れるというのは、これ以上ないほど素晴らしいことだ。チーム全員の絶え間ない努力に、心から感謝する。
両方のタイトルを獲得した後でも、プッシュし続けて、改善のために努力していかなければならない。そうしたことが、僕を奮い立たせるんだ。
今年のマシンとは素晴らしい旅路を歩んできたから、ポールでシーズンを締めくくることができて最高の気分だ。まだ仕事の半分も終わっていないけれど、この結果によって、僕らはフェラーリやレッドブルと戦わなければならない明日に向けて、可能な限り最高のポジションを確保できた。
(FIA記者会見で、ドイツGP以来のポールを獲得した気分を聞かれ)前回のポールはもっと昔だったように感じる。サマーブレイクの後、どのドライバーも素晴らしい仕事をしていることで、かなりの接戦が続いている。自分の予選がひどい出来だったとは思わないけど、僕にとっての通常の水準には届いていなかったかもしれない。だから本当に満足だ。88回目だと言うが、全くそんな感じはしない。初めて獲ったみたいに新鮮な気持ちなんだ。あまりに久しぶりだからかもしれないね。今年最後の予選を5度目のポールで締めくくることができてうれしい。
2019/12/01
フェルスタッペン、2番手から優勝狙う「チャンスはある。最後まで諦めずルイスに挑む」レッドブル・ホンダF1
2019年F1アブダビGPの土曜予選で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手だった。フェルスタッペンにとって予選3番手はアブダビでの自己最高位。
Q1では1分36秒390(4番手)、Q2では1分36秒275(5番手)、Q3では1分35秒139をマークした。ポールポジションのメルセデスのルイス・ハミルトンとは0.360秒差だった。決勝はミディアムタイヤでスタートする。
予選2番手のメルセデスのバルテリ・ボッタスがパワーユニットのエレメント交換により降格されるため、フェルスタッペンはフロントロウの2番グリッドに繰り上がる。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=3番手
予選にはとても満足している。マシンの力をすべて引き出せたからだ。もちろん、ドライバーは常にポールポジションを目指しているし、それが無理でもポールにできるだけ近づきたいと思っている。でも今日の僕らにはこれが最大限の結果だった。これ以上の力はマシンに残っていなかった。
カレンダーのなかには、特定のマシンが他より強くて、比較的容易に優れたセットアップを見つけ出せるようなサーキットがある。ここはメルセデスが得意とするトラックなんだ。彼らに比べると、僕らは最終セクターでベストな走りをするのが少し難しかった。
バルテリがペナルティを受けることで、僕はフロントロウからスタートできる。それはレースにおいて有利に働くだろう。このコースはオーバーテイクが難しいから、スタートが重要だ。長いレースになるし、もちろんいつもどおり勝利を目指していく。メルセデスは速いだろうから、簡単ではないだろう。でもチーム全員で、彼らにプレッシャーをかけ、できる限り苦しめ、最後の最後まで戦っていく。
(FIA記者会見で語り)僕がこれ以上うまくやる余地があったとは思わない。まずまずの予選だった。全力を尽くしたが、届かなかった。完璧なラップというものはありえないが、いいラップだったのは確かだ。限界ぎりぎりまで攻めていた。ただ、彼ら(メルセデス)と比べるとグリップが足りないようだ。彼らは最終セクターがものすごく速い。僕らは最終セクターで遅れを取った。
フロントロウからスタートできるのはいいことだ。でも(繰り上がりではなく)自分でその位置を獲りたかった。
メルセデスにプレッシャーをかけ続け、何が起こるかを見ていく。もちろん現実的に考える必要がある。彼らはとても速い。それでもチャンスは十分あるから、レースのなかで状況を見ていくよ。
2019/12/01
【動画】ルイス・ハミルトンのポールラップ/F1最終戦アブダビGP予選
F1最終戦アブダビGP予選はメルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。ハミルトンの予選Q3オンボード映像がF1公式サイトで公開されている。
2019/11/30
F1アブダビGP予選:ハミルトンがドイツGP以来のポール獲得。フェルスタッペンは繰り上がりでフロントロウスタート
11月30日現地時間午後5時、アブダビGP予選が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは6番手に入っている。予選では陽は傾いて夕刻となり、気温は26度、路面温度は32度というコンディションで、セッション中にさらに下がって行く。
金曜に加えて土曜の朝にも新品パワーユニット(PU/エンジン)を投入したバルテリ・ボッタスだが最後尾スタートのペナルティに変化はない。トロロッソ・ホンダは直前に問題が見つかったダニール・クビアト車の修理を行ない、なんとか予選開始に間に合わせた。
各タイヤのタイム差が大きいため、Q1の最初から各車ともソフトタイヤを履いてコースイン。
フェルスタッペン、ハミルトンがトップタイムを更新していく中、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は最終コーナーの出口でスピンを喫しアタックを仕切り直すこととなり0.732秒差の5番手。首位ハミルトン、0.159秒差で2番手フェルスタッペン、0.237秒差で3番手ボッタス、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は0.247秒差で4番手という上位勢となった。
中団勢はマクラーレン勢、ルノー勢が上位につけ、これにレーシングポイント勢とトロロッソ・ホンダ勢が続いて、Q2争いはウイリアムズとアルファロメオ、そしてハースの争いとなる。
メルセデスAMG勢は連続走行を続け、フェルスタッペンとフェラーリ勢以外の全車が残り3分でコースインして最後のアタックへ。
2回目のアタックでも勢力図はほとんど変わらず、ロマン・グロージャン(ハース)はピットアウト時に目の前にクビアトがガレージアウトしてきたことで激高し感情的になり16番手、17番手アントニオ・ジョビナッツィ、18番手キミ・ライコネンのアルファロメオ勢、19番手ジョージ・ラッセル、20番手ロバート・クビサのウイリアムズ勢がQ1敗退となった。
ハミルトンは最終的に1分35秒851までタイムを伸ばしてトップ。アルボンが2回目のアタックで1分36秒102を記録して2番手、3番手にはやはり連続走行でタイムを縮めたボッタスが入り、4番手フェルスタッペン、6番手セルジオ・ペレス(レーシングポイント)に挟まれてフェラーリ勢は5番手・7番手という結果になった。
Q2ではメルセデスAMG勢とレッドブル勢がスタートタイヤを考慮してミディアムタイヤでアタックを行なう。
ハミルトンはここでも1分35秒634のトップタイムを記録し、ボッタスも0.040秒差で続く。ソフトタイヤのルクレールが0.063秒差の3番手、ベッテルが0.152秒差の4番手。フェルスタッペンはリヤのグリップ不足に苦しんで0.641秒差の5番手に留まり、アルボンは1.084秒差の7番手でカルロス・サインツ(マクラーレン)の先行を許した。
Q2最後のアタックではレッドブル・ホンダ勢もソフトに履き替えてアタック練習。中団グループの争いは熾烈を極め、8番手ランド・ノリス(マクラーレン)から14番手クビアトまで0.4秒差。ここでマクラーレン勢とルノー勢が好走を見せてQ3に進み、レーシングポイント勢とトロロッソ・ホンダ勢がQ2敗退。ただしソフトのタレの大きさを考えればタイヤを自由に選べるQ2敗退も悪いとは言い切れない。
11番手ペレス、12番手ガスリー、13番手ランス・ストロール(レーシングポイント)、14番手クビアト、15番手ケビン・マグヌッセン(ハース)というQ2敗退組となった。ルクレールはミディアムで2回目のアタックを行ない1分30秒543までタイムを縮めてトップに立った。
フェルスタッペンはターン5イン側の縁石をヒットしており、左側サスペンションを調べるようチームに依頼した。
Q3では当然全車がソフトでアタック。ここでもハミルトンが1分34秒828でトップタイム。フェルスタッペンが0.311秒差の2番手に続き、ボッタスはターン20出口のソーセージ縁石に乗ってしまい0.360秒差の3番手。ルクレールは0.391秒差、ベッテルは0.511秒差、アルボンは0.854秒差とやや差を付けられてしまっている。
残り4分でダニエル・リカルド(ルノー)が先行して最後のアタックへ。1分36秒456を記録したが、残り2分で全車がアタックを行なうとノリスが0.02秒上回って中団グループ最上位の7番手を獲得した。9番手サインツ、10番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)という結果。
コースインが遅れたフェラーリ勢は、ルクレールがチェッカードフラッグに間に合わず、間に合ったベッテルも急いでアウトラップを走ったため最適なアタックができなかったため、タイムは更新ができずルクレール4番手、ベッテル5番手という結果に終わった。
最後のアタックでさらに0.049秒縮めたハミルトンが、実に第11戦ドイツGP以来となるポールポジション獲得。ボッタスも0.194秒差まで迫って予選2番手となった。フェルスタッペンは0.360秒差の3番手ながら、ボッタスのグリッド降格ペナルティを受けているため決勝は2番グリッドからスターとすることとなる。



2019/11/30
【順位結果】F1最終戦アブダビGP予選
2019年F1最終戦アブダビGP予選はメルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは6番手に入っている。
■F1最終戦アブダビGP予選結果
Pos | No. | Driver | Team | Time | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | L.ハミルトン | メルセデス | 1’34.779 | 19 |
2 | 77 | V.ボッタス | メルセデス | 1’34.973 | 16 |
3 | 33 | M.フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ | 1’35.139 | 16 |
4 | 16 | C.ルクレール | フェラーリ | 1’35.219 | 16 |
5 | 5 | S.ベッテル | フェラーリ | 1’35.339 | 16 |
6 | 23 | A.アルボン | レッドブル・ホンダ | 1’35.682 | 21 |
7 | 4 | L.ノリス | マクラーレン | 1’36.436 | 17 |
8 | 3 | D.リカルド | ルノー | 1’36.456 | 15 |
9 | 55 | C.サインツJr. | マクラーレン | 1’36.459 | 17 |
10 | 27 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー | 1’36.710 | 18 |
11 | 11 | S.ペレス | レーシングポイント | 1’37.055 | 13 |
12 | 10 | P.ガスリー | トロロッソ・ホンダ | 1’37.089 | 12 |
13 | 18 | L.ストロール | レーシングポイント | 1’37.103 | 14 |
14 | 26 | D.クビアト | トロロッソ・ホンダ | 1’37.141 | 12 |
15 | 20 | K.マグヌッセン | ハース | 1’37.254 | 14 |
16 | 8 | R.グロージャン | ハース | 1’38.051 | 8 |
17 | 99 | A.ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1’38.114 | 6 |
18 | 7 | K.ライコネン | アルファロメオ | 1’38.383 | 6 |
19 | 63 | G.ラッセル | ウイリアムズ | 1’38.717 | 8 |
20 | 88 | R.クビサ | ウイリアムズ | 1’39.236 | 6 |
2019/11/30
カーナンバー1で走行したハミルトン「今日最速でなくても気にしない。将来のための作業に集中」メルセデスF1
2019年F1アブダビGPの金曜、メルセデスのルイス・ハミルトンはフリー走行1=3番手/2=2番手だった。FP1では1分37秒591、FP2では1分36秒566をそれぞれソフトタイヤで記録した。
通常カーナンバー44を使用しているハミルトンだが、最終戦アブダビGPのFP1前半、マシンのフロント部のみ「1」に変えて走行した。2018年のアブダビでもハミルトンは特例でFP1のみカーナンバー1を使用、その理由をチームメンバーが喜ぶからと述べていた。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン フリー走行1=3番手/2=2番手
僕にとっては大体いつもどおりの金曜日だった。今日はリズムをつかむのに苦労したが、誰にでもいい日もあれば悪い日もあるからね。それでもマシンの感触は良かった。ただ、チームとしても、僕個人としても、取り組める点が残っているのは間違いない。今夜は腰を据えて、明日に向けてしっかり対応していかないとね。
僕はこのマシンで新たな道筋を見つけ出そうと努力してきた。どこがうまく機能するのかは既に分かっているので、あとはマシンを今までとは違う場所に向けてプッシュしていき、今後のためにこのマシンとタイヤに他にも活用する余地があるのかどうかを見ていく。
(Sky Sportsに語り)この2戦、研究のためにマシンを別の方向に押し進めている。少し難しい作業だが、今後のために何か残せるかどうかを知る上で、このプロセスは必要なものだ。来年のことを考えてのプロセスだ。来年は違うマシンで走るけれど、それでも応用できることはあるはずだからね。
現時点で自分が最速でないことは大きな問題ではない。今は、もっと良いものがあるのかどうかを確認する、探索的な経験をしているところなんだ。
2019/11/29
F1表彰台のチャンスを失ったアルボンに、ハミルトンがメールでも謝罪
レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンは、F1第20戦ブラジルGPの後、ルイス・ハミルトンから何度か謝罪のメッセージを受け取ったと明かした。決勝でふたりは接触、その結果、アルボンはF1初表彰台のチャンスを失い、3位でフィニッシュしたハミルトンはレース後にペナルティで降格された。
レース終盤、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに続く2位を走行していたアルボンをハミルトンが追い越そうとした際に接触が起き、アルボンは後方までポジションを落とし、14位に終わった。レース直後にハミルトンは自分に非があると発言し謝罪、ペナルティを受け入れ、7位に降格された。
最終戦の地アブダビに到着したアルボンは、その後もハミルトンから連絡があったと明かした。
「ルイスがすべて悪いというわけではない。ああいう場合、事故を避けるために僕にできることはあるものだからね。だけど、ああいう風に言ってくれたのはうれしかった」とアルボンはSky Sports Newsに語った。
「その後、彼は何度かメッセージも送ってくれた。だから何も問題はない」
「あの時はがっかりしていたけれど、全体を振り返ればいい週末だった。ネガティブなことよりポジティブなことの方が多かったよ」
アルボンは最終戦アブダビに関し、ヤス・マリーナはよく知っているサーキットであり、いい結果でシーズンを締めくくりたいと語った。
「アブダビは大好きだ。ヤス・マリーナのことはよく知っているけど、クールなサーキットだよね。人によって見方は違うが、僕は気に入っている」
「最終セクターはテクニカルでとてもいい。すべてのコーナーがほぼ同じタイプだから、ひとつうまくいけば、残りもほぼうまくいく」
「シーズンを好結果で締めくくり、その勢いを2020年に持ち込みたい。それが僕の目標だ」
2019/11/28
「今のハミルトンに勝てるドライバーはひとりもいない」元F1チームオーナーが断言
元F1チームオーナーで、現在評論家を務めるエディ・ジョーダンは、6度のF1世界チャンピオンであるハミルトンに戦いを挑めるドライバーは今のところ誰もおらず、ハミルトンはそれほど苦労をすることなく7度目のタイトルを獲得することができると考えている。
ハミルトン自身も認めているように、彼が成功を収めた2019年シーズンはこれまでで最も難しいシーズンのひとつであり、彼はいくつかの場面でフェラーリやレッドブル、さらにはチームメイトであるバルテリ・ボッタスからの猛攻に対抗するために、全力を尽くさなければならなかった。
しかしながらジョーダンは、83回のグランプリ優勝者であるハミルトンはずば抜けて速く、2020年に再び勝利するために、スキルを大幅に向上させる必要などないと主張した。
「多くの人々は、ルイスはシーズンのもう少し早い段階でタイトルを確定させることができると思っていた」とジョーダンはドバイモーターショーで『Gulf News』に対して話した。
「今シーズンは多くの場合において、彼にとって正しいタイミングで正しいことをすることが重要だった。そういう意味でオースティンでの2位入賞は完璧だったと思う」
「彼はこのこと(6度目のタイトル獲得)を成し遂げなければならなかった。今では次のシーズンのことや、7度目のタイトル獲得の可能性について考えることができる」
「疑う余地もなく、彼は良いポジションにいる。とても意志の強い若者であり、今でも最速のスピードを出せることを示し、観客を興奮させるようなものを見せたいと思っている」
「正直に言うと、彼はこれ以上強くなる必要はない」とジョーダンは強く主張した。
「彼はただ、このままでいればいいんだ。なぜなら彼に挑戦できるような者は誰もいない。だからこそ私は、自分のやり方で勝利を収めてきた彼が、今のところF1史上最高のドライバーだと考えている」
ハミルトンは今シーズン、多くの困難を乗り越えてきた。セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペン、ボッタス、そして今年フェラーリに加入したシャルル・ルクレールからの激しいチャレンジがあったからだ。
しかし、ここ数年において、スーパースターであるハミルトンを倒して世界チャンピオンになったドライバーは、ニコ・ロズベルグのみである。2016年にこの偉業を達成したロズベルグは、これを機に引退を決めた。それは英断であったとジョーダンは話した。
「おそらく、彼(ハミルトン)はニコ・ロズベルグとの戦いに集中できていなかったのだろう」とジョーダンは語った。
「引退を決めたニコは頭がいい。ルイスが今のやり方を続けている限り、ニコが再度タイトルを獲ることはなかっただろうからね」
「やはりルイスは一番だ。彼は思うがままに他を圧倒することができるだろう」