ルクレールの記事一覧

2020/01/18

フェラーリがルクレールの弟アーサーをサポート。若手ドライバー育成プログラムのメンバーに抜擢

 フェラーリは、同F1チームのレースドライバーを務めるシャルル・ルクレールの弟アーサーを、若手ドライバー育成プログラムであるフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のメンバーに加えることを発表した。

 FDAは、アーサー・ルクレールとディーノ・ベガノビッチの2019年のパフォーマンスを高く評価し、ふたりをメンバーに抜擢することを決めた。

 現在19歳のアーサーは、2018年にフランスF4選手権でシングルシーターデビュー、2戦目に優勝、シーズンのなかで2勝を挙げた。2019年はドイツADAC F4に参戦し、1回の優勝を含む8回の表彰台を獲得した。2020年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権にプレマ・パワーチームから参戦することが決まっている。

 兄シャルルもFDA出身で、2018年にザウバーからF1にデビューした後、2019年にフェラーリに昇格。すでに2024年までの契約を結んでいる。

 ルクレールと共にFDAの新メンバーとなったベガノビッチは、スウェーデン出身2004年生まれのドライバー。スウェーデンでカートのタイトルを2回獲得、2019年にはWSKユーロシリーズでランキング2位となった。フェラーリのために若手人材発掘も行っているトニー・カートからの推薦を受けて、FDAはベガノビッチをメンバーに加えることを決めた。ベガノビッチは2020年、F4でシングルシーターにデビューする予定だ。

フェラーリF1育成ドライバープログラムのメンバーになったディーノ・ベガノビッチ
フェラーリF1育成ドライバープログラムのメンバーになったディーノ・ベガノビッチ

 現在、FDAには他にミック・シューマッハー、ロバート・シュワルツマン、ジュリアーノ・アレジ、カラム・アイロット、マーカス・アームストロング、エンツォ・フィッティパルディ、ジャンルカ・ペテコフが所属している。

2020/01/16

ルクレール、F1イタリアGP優勝の感動を振り返る「フェラーリドライバーであることの意味を改めて実感」

 シャルル・ルクレールは、2019年にフェラーリのホームレースであるF1イタリアGPでの優勝を経験した時に、フェラーリのドライバーになるとはどういうことなのかを本当に理解したと語った。

 2019年、ルクレールは第2戦バーレーンではトラブルのためグランプリ初勝利を逃したものの、第13戦ベルギーGPでついに表彰台の最上段にまで上り詰めた。

 その1週間後にフェラーリの地元モンツァでキャリア2勝目を挙げた際には、感動と達成感とが入り混じった特別な気持ちになったと、ルクレールは言う。

 フェラーリの歴史に新たな節目を刻んだモンツァの勝利によってチームへの帰属意識が強まったかと尋ねられたルクレールは、そのとおりだが存命のレジェンドたちにはまだ遠く及ばないと感じると答えた。

「間違いなく意識は強まった。少なくともファンがそう思わせてくれたし、そう思えるのは素晴らしいことだ」とルクレールは、1月上旬にイギリスのバーミンガムで開催されたオートスポーツ・インターナショナルショーで語った。

「でも、マリオ・アンドレッティなどレジェンドたちの横に並ぶ機会があるたびに、自分はまだそこに立てる存在ではないと感じる。コースに出てしっかり仕事をすること、自分の実力を発揮することが、今の僕には求められている」

■「モンツァでチームはとても大きなプレッシャーにさらされていた」とルクレール

 高速サーキットのモンツァで、計り知れないほどのプレッシャーを背負いながらも、ルクレールはルイス・ハミルトンとの激しいバトルや、一触即発の競り合いを制して勝利を飾った。

「あのレースを走っている時の気持ちをどう表現すればいいのか、本当に言葉が見つからない」とルクレールは振り返った。

「ものすごいプレッシャーを感じていた。チームのみんなもまったく同じだ。イタリアでのレースだったからね。フェラーリはイタリアではとても大きな存在なんだ。誰もが僕たちの勝利を望んでいたから、チーム全体に大きなプレッシャーがかかっていた」

「あのグランプリのウイークエンドは月曜から始まっていたようなものだった。他のグランプリではドライバーは木曜日から動き始めるから、いつもとは大分異なるスケジュールだ。月曜日のミラノから始まっていたのだから」

「プレッシャーはどんどん大きくなっていった。それまでにもポールポジションの経験はあったけれど、それでも決勝レースに集中しなければいけなかったし、レース中は息もできない感じだったよ」

「レースを通してずっとルイスが僕から2秒差以内(後方)にいて、そのプレッシャーはとても大きかった。最終的に勝てて、表彰台に上り、最上段から赤い集団を見た時には、本当に特別な気持ちになった」

2019年F1第14戦イタリアGP表彰台のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2019年F1第14戦イタリアGP表彰台のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 フェラーリの一員として戦うことの意義はすでによく認識していたであろうルクレールだが、モンツァでの感動的な勝利は、それを別の次元へと押し上げたに違いない。

「あのときはゾクゾクしたし、これがフェラーリのドライバーであるということかという実感がわいた。もちろん、以前から少しは分かっているつもりだったけれど、モンツァで勝って、周囲の熱狂ぶりを感じて、本当の意味で理解できたのだと思う」

「人々の眼差しから、フェラーリというブランドに対する熱い思いが伝わってくる。それを見ると信じられないような気持ちになるんだ」

2020/01/15

ルクレールが無断でスカイダイビング「フェラーリは少し怒っていた」

 シャルル・ルクレールは、フェラーリに許可を求めることなくスカイダイビングを行ったことで、チーム関係者を怒らせてしまったと明かした。

 2019年最終戦が終了した後、F1関係者は思い思いの形で休暇を楽しんでいる。ルクレールはスカイダイビングに初挑戦、インストラクターとともに飛んでいる写真をアブダビGPの翌日にSNSに投稿し、「最高の経験。次はひとりで飛びたい」とコメントした。

 それから約1カ月後、ルクレールは、オートスポーツ・インターナショナルショーで行われたファンの質問に答える企画のなかで、ドバイでのスカイダイビングはフェラーリの許可を得ることなく行ったと認めた。

「普通はそうする(許可を得る)べきだし、そうしている。でもスカイダイビングの時は許可を求めなかった。うまくいかない場合でも、叱られるようなことにはならないだろうと考えたんだ」

「それで(報告することなく)スカイダイビングをした。でもチームはそれを知って、少し怒っていた」

「次はやらないよ。最高の体験だったけど、一度きりのことにする」

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2020/01/10

「ルクレールはフェラーリでイコールナンバー1の地位を確立した」とプロスト

 4度のF1ワールドチャンピオンであるアラン・プロストは、シャルル・ルクレールを称賛し、彼はすでにフェラーリチームのなかで確固たるポジションを得たと語った。

 ルクレールは2019年、F1参戦2年目にしてフェラーリに起用され、2勝を挙げて、ベテランのチームメイトであるセバスチャン・ベッテルより上のランキング4位を獲得した。

 そのパフォーマンスを評価し、フェラーリはルクレールとの契約を2024年まで延長することを決めた。

「シャルルとはよく話をする間柄だ」とプロストはフランスのAuto-Hebdoに対して、22歳のルクレールについて語った。

「彼に関して強い印象を受ける点をひとつ挙げるなら、これほどの若さにしてフェラーリ首脳陣を契約しようという気にさせた、その能力だ」

「スクーデリアのために走る場合、とてつもないプレッシャーがのしかかる。それを考えれば、彼のキャリアの第一段階は大成功と言っていいだろう」

 フェラーリに長期的に残ることが決まったルクレールは、すでにベッテルのナンバー2ではなく、同等の立場に立っていると、プロストは言う。

フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール
フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール

「シャルルはすでにポジションを上げた。フェラーリ内で(ベッテルと)同等のナンバーワンとしての立場を手にしたと考えていいだろう。フェラーリでの最初のシーズンに、ベッテルと互角の力を見せた。これは非常にポジティブなことだ」

「彼の方が少し速いこともあれば、遅いこともあるかもしれないが、長期的に考えれば、それは大きな問題ではない。シャルルは成熟したドライバーであり、相手を押しのけることをためらわない強さも見せた」

「無線での彼のメッセージを聞いていて、時々思うのだ。『この子は肝が据わっている』とね」

2020/01/10

「フェルスタッペンがこれほど早くレッドブル残留を決めるとは思わなかった」元F1ドライバーが驚き示す

 元F1ドライバーで現在Sky Sportsの解説者を務めるマーティン・ブランドルは、マックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングとの契約延長をこれほど早く決めたことに驚いたと語った。また、フェルスタッペンとシャルル・ルクレールが長期的な残留を決めたことにより、ルイス・ハミルトンの2021年以降の選択肢は減ったが、それでも移籍の可能性はゼロではないとの考えを示した。

 7日、レッドブルはフェルスタッペンとの契約を2023年末まで延長したことを発表した。2019年末にはフェラーリがシャルル・ルクレールと2024年までの契約を結んだことを明らかにしており、こうした動きが、メルセデスとハミルトンのプランに影響を与えることは間違いない。

 メルセデスとハミルトンおよびバルテリ・ボッタスとの現在の契約は2020年末までとなっている。

2019年F1第19戦アメリカGP決勝 ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2019年F1第19戦アメリカGP決勝 ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)

「フェルスタッペンのニュースを聞いて、私は『メルセデスの短期・中期プランはどうなるのだろう』と思った」とブランドルはSky Sportsに対して語った。

「フェルスタッペンかルクレールのどちらかがメルセデスに加入するかもしれないと私は考えていた」

「今の勢いを考えれば、メルセデスは少なくともあと2、3年は最高レベルのマシンを作るに違いない。それならなぜふたりは彼らと契約しなかったのだろう」

■「ハミルトン&ルクレールのラインアップもあり得る」とブランドル

 ハミルトンは2021年以降の活動について決めるのを急いでいないと述べている。2019年末にはフェラーリ移籍の可能性があるという推測が持ち上がったものの、ハミルトンはメルセデスファミリーの一員でいたいというコメントを繰り返している。

「(フェルスタッペンとルクレールの契約延長によって)ルイスの選択肢は減った。それでも彼はたくさんの切り札を持っている」とブランドルは言う。

「ルイスがこの2チームのどちらかに行く可能性がゼロになったわけではない」

「レッドブルに関してはないかもしれないが、フェラーリでハミルトンとルクレールのラインアップが形成されるという考えは妨げられない。ただ、実際にメルセデス・ベンツとの長期契約にまだサインをしていないのであれば、ルイスの選択肢が減ったことは間違いない」

「クリスマスの前に(椅子取りゲームの)音楽が止まり、皆がすでに椅子に座ってしまった可能性がある。まだ明らかにされていないニュースがあるのかもしれない」

「2020年より後の契約についての発表は、私が予想しているよりも早く行われた。マックスは、2020年シーズンの数戦を戦って、レッドブルがチャンピオンを狙えるマシンを作ったかどうかを確認してから検討するものと、私は考えていた」

「予想より早く状況が固まりつつある。他に水面下で何が起きているのか、興味深い」

2020/01/10

「フェルスタッペンがこれほど早くレッドブル残留を決めるとは思わなかった」元F1ドライバーが驚き示す

 元F1ドライバーで現在Sky Sportsの解説者を務めるマーティン・ブランドルは、マックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングとの契約延長をこれほど早く決めたことに驚いたと語った。また、フェルスタッペンとシャルル・ルクレールが長期的な残留を決めたことにより、ルイス・ハミルトンの2021年以降の選択肢は減ったが、それでも移籍の可能性はゼロではないとの考えを示した。

 7日、レッドブルはフェルスタッペンとの契約を2023年末まで延長したことを発表した。2019年末にはフェラーリがシャルル・ルクレールと2024年までの契約を結んだことを明らかにしており、こうした動きが、メルセデスとハミルトンのプランに影響を与えることは間違いない。

 メルセデスとハミルトンおよびバルテリ・ボッタスとの現在の契約は2020年末までとなっている。

2019年F1第19戦アメリカGP決勝 ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2019年F1第19戦アメリカGP決勝 ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)

「フェルスタッペンのニュースを聞いて、私は『メルセデスの短期・中期プランはどうなるのだろう』と思った」とブランドルはSky Sportsに対して語った。

「フェルスタッペンかルクレールのどちらかがメルセデスに加入するかもしれないと私は考えていた」

「今の勢いを考えれば、メルセデスは少なくともあと2、3年は最高レベルのマシンを作るに違いない。それならなぜふたりは彼らと契約しなかったのだろう」

■「ハミルトン&ルクレールのラインアップもあり得る」とブランドル

 ハミルトンは2021年以降の活動について決めるのを急いでいないと述べている。2019年末にはフェラーリ移籍の可能性があるという推測が持ち上がったものの、ハミルトンはメルセデスファミリーの一員でいたいというコメントを繰り返している。

「(フェルスタッペンとルクレールの契約延長によって)ルイスの選択肢は減った。それでも彼はたくさんの切り札を持っている」とブランドルは言う。

「ルイスがこの2チームのどちらかに行く可能性がゼロになったわけではない」

「レッドブルに関してはないかもしれないが、フェラーリでハミルトンとルクレールのラインアップが形成されるという考えは妨げられない。ただ、実際にメルセデス・ベンツとの長期契約にまだサインをしていないのであれば、ルイスの選択肢が減ったことは間違いない」

「クリスマスの前に(椅子取りゲームの)音楽が止まり、皆がすでに椅子に座ってしまった可能性がある。まだ明らかにされていないニュースがあるのかもしれない」

「2020年より後の契約についての発表は、私が予想しているよりも早く行われた。マックスは、2020年シーズンの数戦を戦って、レッドブルがチャンピオンを狙えるマシンを作ったかどうかを確認してから検討するものと、私は考えていた」

「予想より早く状況が固まりつつある。他に水面下で何が起きているのか、興味深い」

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2020/01/10

F1技術解説レビュー フェラーリ:稚拙な戦略ミスや信頼性で本来の実力を出せなかったSF90

 2019年のプレシーズンテストで圧倒的な速さを披露したフェラーリSF90。しかし開幕戦オーストラリアGPでは、メルセデスにコンマ7秒もの大差をつけられてしまう。車体前部のダウンフォース不足が最大の原因だったが、フェラーリがそれを何とか解決するには、夏休み明けを待たなければならなかった。そしてシーズン終盤には、パワーユニット(PU/エンジン)への疑惑も持ち上がった。

■マシンコンセプトは独創的だったが……

 一見すると2017、18年型マシンに似通っているSF90だが、開発コンセプトは過激なほどに変更されている。それは三角形のエアインテークが、ライバルたちよりはるかに薄くなっているのを見ても明らかだろう。SF90の開発責任者たちが最も重視したのは、ドラッグの軽減だった。しかしそれは当然ながら、ダウンフォース不足の危険を常に伴う賭けでもあった。

 そのコンセプトに従って、彼らはフロントウイングも外側に向かって落ちて行く形状にした。フロントウイング自体の発生するダウンフォースよりも、乱流を外側に逃がすアウトウォッシュ機能を優先したのだ。

 しかし、車体前部のダウンフォース不足は、開発陣が覚悟していた以上だった。そのため彼らは前後のバランスを取るために、リヤ側のダウンフォースも減らさざるを得なかった。しかしそのために、ただでさえ熱の入りにくい2019年型ピレリタイヤは、ダウンフォースの少ないフェラーリSF90ではいっそう作動温度域に入りにくくなってしまったのである。

■てこずった軌道修正

 開幕後のフェラーリは、さまざまな軌道修正を試みた。最初の大幅アップデートは、第5戦スペインGPだった。ここではリヤウイングやエンジンカウルに加え、フロントウイング翼端板も大きく形状変更された(白矢印参照)。しかし効果は限定的で、フロントのダウンフォース不足によるアンダーステア傾向が改善されることはなかった。

 6週間後の第8戦フランスGPでの改良版投入も、戦闘力向上には結びつかなかった。フロアの切り欠きにデフレクターを加え、ディフューザーも設計変更されたが、風洞実験の効果が再現できず、予選以降は旧型に戻された。

 さらに夏休み直前の第12戦ハンガリーGPでは、バージボード周りの空力がいっそう複雑な形状となった。ダウンフォース増大を狙ったものだが、当然ながらドラッグも増える。とはいえフェラーリはこの時期にようやく、独自コンセプトにこだわる姿勢を捨てつつあった。そして彼らの努力は、夏休み明けからの快進撃に結実する。

■シンガポールでの大健闘

 第13戦ベルギー、第14戦イタリアGPの連勝は、ある意味順当といえた。さらに最大のダウンフォースが要求される第15戦シンガポールGPでも、フェラーリは1−2フィニッシュをやってのけた。その秘密は、ノーズの控えめなアップデートにあった。鼻の内側に設けられた2本のバーがベンチュリー効果による気流の加速を生み、車体前部のダウンフォースを増大させたのだった。

 フロントがようやくしっかり食いつくことでアンダー傾向は改善され、リヤのダウンフォースも回復することができた。フランスGPで結果の出なかったフロアも、シンガポールの改良版は満足すべき性能を発揮した。

開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較
開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較

 この時点でのSF90はメルセデス、レッドブルを抜いて、最も戦闘力のあるマシンとなった。その後も第16戦ロシア、第17戦日本、第18戦メキシコGPで、ポールポジションを獲得する。しかしこの3戦はいずれも、メルセデスが勝利した。フェラーリは速さでは優っていても、信頼性と稚拙な戦略で敗れたのである。

■パワーユニット疑惑に揺れた終盤

 完全復活を果たしたかに見えたSF90だったが、シーズン終盤3戦はそれまでの戦闘力を失ってしまう。そしてこの時期は、フェラーリ製パワーユニットへの疑惑が巻き起こったタイミングでもあった。

 そのひとつが第19戦アメリカGP前にレッドブルの告発した、燃料流量疑惑だった。1時間100kgと規定された燃料流量を、センサーの操作で一時的に超えているというものだ。FIAはこれを受けて全チームに、「燃料流量計のいっさいの操作を禁止する」という技術指示書を送った。

 フェラーリへの疑惑はこれに留まらず、インタークーラーのオイルを燃焼室で燃焼しているのではないかという疑いも浮上。FIAは、追加の技術指示書を出すことになった。

 その間もフェラーリは終始、疑惑を否定し続けた。さらにいえば技術指示書が出たあとも、SF90の速さはいささかも衰えていなかった。終盤のSF90がそれまでのような最高速を出していなかったのは、疑惑発覚を恐れてパワーを絞ったからではない。単純にダウンフォースをより重視するセッティングにアプローチを変え、必然的にドラッグも増えたからである。

■SF90は、悲劇のマシンだった?

 フェラーリSF90は、決して遅いマシンではなかった。メルセデスと比較しての平均ラップタイムは0.1秒落ちだったし、ポールポジション獲得数も9対10の僅差だった。しかしレースではフェラーリの3勝に対しメルセデス12勝と、大きく差をつけられた。それこそがまさに、2019年シーズンのフェラーリの最大の問題だった。

 敗因は多岐にわたる。バーレーン、ドイツ(の予選)、ロシア、アメリカは、信頼性の問題が出た。第4戦アゼルバイジャン(の予選)と第7戦カナダ、日本、第20戦ブラジルは、ドライバーミスだった。そして第9戦オーストリアとメキシコは、稚拙な戦略が足を引っ張った。

 その結果2019年のフェラーリは、2017年より18ポイント、2018年より67ポイントも少ない結果しか残せなかった。SF90の本来の戦闘力を考えれば、非常に残念なシーズンだったと言えるだろう。マッティア・ビノット代表は2020年シーズンのマシンに関しては、「よりダウンフォース重視のマシンにする」と、方針転換を明言している。

■フェラーリSF90、2019年シーズン中のアップデート一覧
1)第4戦アゼルバイジャンGP=バージボード、サイドポンツーン脇のバージパネル、フロア
2)第5戦スペインGP=パワーユニット、フロントウイング、エンジンカウル、リヤウイング
3)第8戦フランスGP=フロントウイング、フロア、リヤウイング、ディフューザー
4)第9戦オーストリアGP=フロントウイングピラー、ターニングベイン
5)第10戦イギリスGP=エンジンカウル
6)第12戦ハンガリーGP=バージボード、バージパネル
7)第13戦ベルギーGP=ノーズ、フロントウイング
8)第14戦イタリアGP=パワーユニット
9)第15戦シンガポールGP=ノーズ、フロア、ディフューザー
10)第21戦アブダビGP=ウェストゲートパイプ

2020/01/10

F1技術解説レビュー フェラーリ:稚拙な戦略ミスや信頼性で本来の実力を出せなかったSF90

 2019年のプレシーズンテストで圧倒的な速さを披露したフェラーリSF90。しかし開幕戦オーストラリアGPでは、メルセデスにコンマ7秒もの大差をつけられてしまう。車体前部のダウンフォース不足が最大の原因だったが、フェラーリがそれを何とか解決するには、夏休み明けを待たなければならなかった。そしてシーズン終盤には、パワーユニット(PU/エンジン)への疑惑も持ち上がった。

■マシンコンセプトは独創的だったが……

 一見すると2017、18年型マシンに似通っているSF90だが、開発コンセプトは過激なほどに変更されている。それは三角形のエアインテークが、ライバルたちよりはるかに薄くなっているのを見ても明らかだろう。SF90の開発責任者たちが最も重視したのは、ドラッグの軽減だった。しかしそれは当然ながら、ダウンフォース不足の危険を常に伴う賭けでもあった。

 そのコンセプトに従って、彼らはフロントウイングも外側に向かって落ちて行く形状にした。フロントウイング自体の発生するダウンフォースよりも、乱流を外側に逃がすアウトウォッシュ機能を優先したのだ。

 しかし、車体前部のダウンフォース不足は、開発陣が覚悟していた以上だった。そのため彼らは前後のバランスを取るために、リヤ側のダウンフォースも減らさざるを得なかった。しかしそのために、ただでさえ熱の入りにくい2019年型ピレリタイヤは、ダウンフォースの少ないフェラーリSF90ではいっそう作動温度域に入りにくくなってしまったのである。

■てこずった軌道修正

 開幕後のフェラーリは、さまざまな軌道修正を試みた。最初の大幅アップデートは、第5戦スペインGPだった。ここではリヤウイングやエンジンカウルに加え、フロントウイング翼端板も大きく形状変更された(白矢印参照)。しかし効果は限定的で、フロントのダウンフォース不足によるアンダーステア傾向が改善されることはなかった。

 6週間後の第8戦フランスGPでの改良版投入も、戦闘力向上には結びつかなかった。フロアの切り欠きにデフレクターを加え、ディフューザーも設計変更されたが、風洞実験の効果が再現できず、予選以降は旧型に戻された。

 さらに夏休み直前の第12戦ハンガリーGPでは、バージボード周りの空力がいっそう複雑な形状となった。ダウンフォース増大を狙ったものだが、当然ながらドラッグも増える。とはいえフェラーリはこの時期にようやく、独自コンセプトにこだわる姿勢を捨てつつあった。そして彼らの努力は、夏休み明けからの快進撃に結実する。

■シンガポールでの大健闘

 第13戦ベルギー、第14戦イタリアGPの連勝は、ある意味順当といえた。さらに最大のダウンフォースが要求される第15戦シンガポールGPでも、フェラーリは1−2フィニッシュをやってのけた。その秘密は、ノーズの控えめなアップデートにあった。鼻の内側に設けられた2本のバーがベンチュリー効果による気流の加速を生み、車体前部のダウンフォースを増大させたのだった。

 フロントがようやくしっかり食いつくことでアンダー傾向は改善され、リヤのダウンフォースも回復することができた。フランスGPで結果の出なかったフロアも、シンガポールの改良版は満足すべき性能を発揮した。

開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較
開幕戦のメルセデスを100とする上位3チームの戦闘力比較

 この時点でのSF90はメルセデス、レッドブルを抜いて、最も戦闘力のあるマシンとなった。その後も第16戦ロシア、第17戦日本、第18戦メキシコGPで、ポールポジションを獲得する。しかしこの3戦はいずれも、メルセデスが勝利した。フェラーリは速さでは優っていても、信頼性と稚拙な戦略で敗れたのである。

■パワーユニット疑惑に揺れた終盤

 完全復活を果たしたかに見えたSF90だったが、シーズン終盤3戦はそれまでの戦闘力を失ってしまう。そしてこの時期は、フェラーリ製パワーユニットへの疑惑が巻き起こったタイミングでもあった。

 そのひとつが第19戦アメリカGP前にレッドブルの告発した、燃料流量疑惑だった。1時間100kgと規定された燃料流量を、センサーの操作で一時的に超えているというものだ。FIAはこれを受けて全チームに、「燃料流量計のいっさいの操作を禁止する」という技術指示書を送った。

 フェラーリへの疑惑はこれに留まらず、インタークーラーのオイルを燃焼室で燃焼しているのではないかという疑いも浮上。FIAは、追加の技術指示書を出すことになった。

 その間もフェラーリは終始、疑惑を否定し続けた。さらにいえば技術指示書が出たあとも、SF90の速さはいささかも衰えていなかった。終盤のSF90がそれまでのような最高速を出していなかったのは、疑惑発覚を恐れてパワーを絞ったからではない。単純にダウンフォースをより重視するセッティングにアプローチを変え、必然的にドラッグも増えたからである。

■SF90は、悲劇のマシンだった?

 フェラーリSF90は、決して遅いマシンではなかった。メルセデスと比較しての平均ラップタイムは0.1秒落ちだったし、ポールポジション獲得数も9対10の僅差だった。しかしレースではフェラーリの3勝に対しメルセデス12勝と、大きく差をつけられた。それこそがまさに、2019年シーズンのフェラーリの最大の問題だった。

 敗因は多岐にわたる。バーレーン、ドイツ(の予選)、ロシア、アメリカは、信頼性の問題が出た。第4戦アゼルバイジャン(の予選)と第7戦カナダ、日本、第20戦ブラジルは、ドライバーミスだった。そして第9戦オーストリアとメキシコは、稚拙な戦略が足を引っ張った。

 その結果2019年のフェラーリは、2017年より18ポイント、2018年より67ポイントも少ない結果しか残せなかった。SF90の本来の戦闘力を考えれば、非常に残念なシーズンだったと言えるだろう。マッティア・ビノット代表は2020年シーズンのマシンに関しては、「よりダウンフォース重視のマシンにする」と、方針転換を明言している。

■フェラーリSF90、2019年シーズン中のアップデート一覧
1)第4戦アゼルバイジャンGP=バージボード、サイドポンツーン脇のバージパネル、フロア
2)第5戦スペインGP=パワーユニット、フロントウイング、エンジンカウル、リヤウイング
3)第8戦フランスGP=フロントウイング、フロア、リヤウイング、ディフューザー
4)第9戦オーストリアGP=フロントウイングピラー、ターニングベイン
5)第10戦イギリスGP=エンジンカウル
6)第12戦ハンガリーGP=バージボード、バージパネル
7)第13戦ベルギーGP=ノーズ、フロントウイング
8)第14戦イタリアGP=パワーユニット
9)第15戦シンガポールGP=ノーズ、フロア、ディフューザー
10)第21戦アブダビGP=ウェストゲートパイプ

2020/01/08

レッドブル・ホンダF1と長期契約のフェルスタッペン、年俸は約17億円との報道

 レッドブル・レーシングはマックス・フェルスタッペンとの契約を2023年シーズン末まで延長したと発表した。これによりF1トップ3チームは2021年に向けてドライバー体制を大きく変更しない可能性が高くなった。

 レッドブルとフェルスタッペンの現在の契約期間は2020年末までだったが、これが一気に3年延長された。Telegraphは、新契約におけるフェルスタッペンの1年あたりのサラリーは約1200万ポンド(約17億円)であると報じている。

 2020年末で契約が切れるドライバーは多数存在するため2021年に向けて大型移籍が見られるのではないかという推測もなされていた。しかし、2019年末にフェラーリがシャルル・ルクレールとの契約を2024年末まで延長。続いて1月7日にレッドブルは、フェルスタッペンとの契約延長を発表し、少なくとも2023年末まで彼がチームにとどまることを明らかにした。

 トップ3チームのうち、フェラーリとレッドブルが長期的なエースドライバーを確定させた。チャンピオンであるメルセデスとルイス・ハミルトンとの契約も2020年末までとなっており、ハミルトンのフェラーリ移籍の可能性もささやかれたが、残留の可能性が高いとみられている。

 一方、メルセデスのバルテリ・ボッタス、フェラーリのセバスチャン・ベッテル、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンの契約も2020年末までであり、ドライバー変更の可能性は大いにあるため、各チームが来年以降に向けて誰を選ぶのかが注目される。

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2020/01/04

ベッテル「自分はF1ドライバーとして最強だと信じている」ルクレールとの対決を恐れず

 フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、2019年にチームメイトのシャルル・ルクレールに敗れたものの、自信を失ってはいないと語った。ドライバーとして勝利を目指す上で、チームメイトとの戦いを避けて通ることはできず、どれほど強力な相手でも挑むことを恐れはしないとベッテルは言う。

 4度の世界チャンピオンであるベッテルは、2019年には、期待の若手であるルクレールからの大きなプレッシャーに直面、ドライバーズランキングでルクレールに敗れた。ルクレールは2回の優勝を挙げたが、ベッテルの優勝回数は1回であり、予選結果ではルクレールが12対9で勝っている。

 ベッテルは2014年にも似たような苦境に陥った。レッドブルに在籍していた当時、チームメイトのダニエル・リカルドにあらゆる面で敗れ、ベッテルはそのシーズン末でチームを去り、フェラーリに移籍した。

 強いチームメイトを持つことは、ベッテルにとって問題なのだろうか?

「僕はそのようにはまったく考えていない」と32歳のベッテルは『Motorsport-Magazin』のクリスチャン・メナスに語った。

「人々が2014年について言及することは理解できる。僕は記録上、ダニエルに負けた。でも2014年には、いくつかのことが僕たちが望んだようにならなかったことも確かだ」

「2014年の僕の主な目標は、表彰台を目指すことでもなく、5位でフィニッシュすることでもなかった。僕の目標は優勝することだったんだ」

「おそらく当時の僕の姿勢は、ダニエルとは少し違っていただろう。でもそうしたことを超えたところでも2014年は素晴らしい年とは言えなかった」

「運が悪かったとは言いたくない。でも何度か落胆させられた。マシンがあるべき性能を出せなかったようなことにね。そうしたことが状況や数字を歪めてしまうことがあり得るんだ」

2014年カナダGP ダニエル・リカルド、セバスチャン・ベッテル

 ベッテルは自身のパフォーマンスについて率直な見方をしており、自分が倒せない相手はいないという自信を持っていると言う。

「2019年がどのような年だったかについて理解しているし、それについて自分がどう感じているのかについても分かっている。それが重要だ」とベッテルは付け加えた。

「僕は2014年のダニエルの成功を、チームメイトとしてじかに目撃した。今も同じことをしている。それについては何の問題もない」

「でも僕はグリッド上のドライバーすべてを倒すことができるという自信を持っている。僕は競争を恐れていない」

「その逆では意味がない。勝ちたいが競争を恐れるという状態は成り立たないんだよ」

2019/12/29

フェラーリF1代表「シンガポールでベッテルを勝たせたことは正しい判断だった」

 フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットは、2019年のシンガポールGPでセバスチャン・ベッテルを「勝たせた」ことは、彼の自信を高めるという意味で非常に重要だったと語った。

 マリーナ・ベイで、フェラーリのシャルル・ルクレールはポールポジションからレース前半をリードしたが、後ろを走っていたベッテルにアンダーカットされて2番手に落ちた。ルクレールはこれに憤ったが、フェラーリはドライバーの入れ替えをせず、ベッテルにルクレールをリードさせたままチェッカーフラッグを受けさせた。これによりベッテルは2019年初にして唯一の勝利を飾った。

 この采配によって、ルクレールはベルギーGP、イタリアGPにつぐ3連続勝利を決めることができなかった。しかしビノットは、この勝利はチームとドライバーにいっそう重要なものをもたらしたと考えている。

2019年F1第15戦シンガポールGP 表彰台
2019年F1第15戦シンガポールGP:表彰台に上がったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「シーズン序盤に、彼(ベッテル)は大きなプレッシャーにさらされていた」とビノットは説明した。「だが彼はシーズン後半では非常にうまく対処したと思う」

「シンガポールでの勝利は彼にとって重要だった。勝利自体だけでなく、チームに対する信頼においてもだ。彼は必要に応じてチームに助けを求めることができることを知ったのだ」

「私はこれは正しいことだったと思う。正しい選択であり、彼を勝たせるのに正しいタイミングだった」

 ベッテルは第7戦カナダではトップでチェッカーフラッグを受けたものの、ハミルトンとのバトルのなかでコースオフした後に安全な形でコースに復帰しなかったとしてタイムペナルティを受け、2位に降格された。前半戦のフェラーリは、速さを発揮していたモントリオールでは勝利を失い、その他のグランプリではメルセデスを相手に苦戦していた。

 しかしサマーブレイク後にフェラーリは改善を果たし、SF90の空力面とパワーユニットが向上したことで、ベッテルとルクレールのパフォーマンスは高まった。

「シーズン開幕時から彼はマシンに不満を持っていた。明らかにブレーキングに不安定さがあった」とビノットは語った。

「(ルクレールによる)彼への挑戦は、優れたベンチマークになったと思う。あれほど速いチームメイトがいることで彼は悩まされただろう」

「だが、マシンについて全体的に自信を持てるようになってから、彼は非常に速くなったと思う。彼のレースペースはシャルルとほぼ同等だった。予選ではシャルルの方が速かったがね」

「だから私はシーズン後半に彼は良い仕事をしたと考えている。簡単ではなかったシーズン前半の後で、うまく挽回を果たした」

2019/12/16

レッドブル・ホンダF1のフェルスタッペン「ルクレールのいるフェラーリに移籍することはない」

 レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンは、近い将来フェラーリに移籍する可能性は低いと発言した。フェラーリは育成プログラム出身のシャルル・ルクレールと長期契約を結んでいる。

 ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、セバスチャン・ベッテル、そしてフェルスタッペンなど、多くのドライバーたちの現契約が2020年末で満了することから、2021年に向けてトップチーム間で大型移籍が見られるのではないかと推測されている。

 フェラーリ首脳はルクレールとは長期契約を結んでいると述べており、2021年にベッテルとの契約を延長するのか、他のドライバーを起用するのかを検討していくことになる。最近の報道では候補にハミルトンの名前が上がっている。

 一方でフェルスタッペンのフェラーリ入りを予想する説もあるが、フェルスタッペン自身は、少なくともルクレールが所属している間は、自分がフェラーリに行くことはないと発言した。将来のチャンピオン候補と目されるふたりが同じチームで走れば、問題が生じる可能性があることは容易に想像できる。

2019年F1第10戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)
2019年F1第10戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 フェラーリへの移籍についてフェルスタッペンは「そうはならないと思う」とZiggo Sportに対して語った。

「彼(ルクレール)とはうまくやっている。激しいバトルはしているが、それはこのスポーツの一部だ」

「僕がフェラーリのシートをつかむかどうかに関して、彼が何らかの影響を及ぼすことはない。それでも移籍することになるとは思わない」

「ナンバー1の可能性を持つドライバーふたりをひとつのチームで走らせるべきではない。彼は優れたドライバーだ」

 フェラーリ社CEOルイス・カミッレーリは、フェラーリが不正を行ったと示唆したフェルスタッペンにいい印象を持っておらず、最近メディアに対して「フェラーリが不正を行ったなどと責め立てるドライバーは、我々のチームに加入することを考えることはできない」とコメントしたといわれる。

 2019年サマーブレイク明けから急激にパフォーマンスを向上させたフェラーリが、燃料流量に関する規則に違反しているのではないかと、ライバルたちは疑っていた。FIAが規則を明確化するための技術指令書を発行した後、フェラーリの圧倒的速さが失われたとして、フェルスタッペンは「不正をやめたらこうなる」と発言したと伝えられ、フェラーリ関係者の怒りを買っていた。

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2019/12/13

フェラーリ首脳「2021年に向けベッテルのモチベーションを確認」ハミルトンとの会談の重要性は否定

 フェラーリ社CEOのルイス・カミッレーリは、2019年に入って同社会長ジョン・エルカーンとルイス・ハミルトンが話をしたのは事実だが、2021年のF1ドライバーラインアップ決定において大きな意味を持つ話し合いではなかったと語った。

 メルセデスF1チームのハミルトンがエルカーン会長と会って話をしたことが、2019年F1シーズン最終戦アブダビGPの週末に明らかになった。それにより、2020年末でメルセデスとの現契約が切れた後、ハミルトンがフェラーリに移籍するのではないかという推測が高まっている。

 ハミルトン、バルテリ・ボッタス、セバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペンをはじめとする大勢のドライバーたちが、2020年末にそれぞれのチームとの契約期間の終了を迎える。

 2021年のフェラーリのラインアップにも注目が集まっているが、メディアを招いたクリスマスランチの場で、カミッレーリCEOは、ハミルトンとの会合の重要性を否定、ある社交行事において会話をかわしたにすぎないと語った。

「あれはある社交的な催しでのことだった。それが大げさに騒ぎ立てられている。ふたりに共通の友人がいただけのことだ」とカミッレーリCEOは述べた。

■フェラーリ「2021年ラインアップの決定は急がない」ルクレールとは長期契約

 フェラーリは2019年に加入したシャルル・ルクレールとは長期的な契約を結んでいるというが、チームメイトのセバスチャン・ベッテルとの契約は2020年末までとなっている。ベッテルとの契約を延長するのか、他のドライバーを起用するのかの判断が迫られる状況だが、急いで決めるつもりはないと、カミッレーリCEOは述べた。

「我々はひとりのドライバー(ルクレール)と長期契約を結んでおり、もうひとりのドライバー(ベッテル)との契約は2020年末で切れる」

「他のドライバーたち、特にルイスが我々のチームに入ることを希望してくれることを非常に光栄に思う。だが、今の段階で決めるのは時期尚早だ」

2019年F1第20戦ブラジルGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 フェラーリ代表マッティア・ビノットは、ベッテルとの契約については、彼の意向とチームの方向性を確認した上で検討していくと述べている。

「何度も申し上げているとおり、私は今のラインアップで戦えることを幸運だと思っている」とビノットが語ったとFormula1.comが伝えた。

「セブについては、今後彼がどうしたいのかを理解しなければならない。それを確認するために、じっくり話し合いを行っていく必要がある」

「来年、戦略がどう展開するかを見ていく。パフォーマンスもそうだが、彼がマシンにどれだけフィットするか、今後に向けたモチベーションがどうかを確認しなければならない」

「つまり、彼がミスを犯すかどうかの問題ではない。彼が未来の自分をどう見るか、我々がラインアップをどう考えるかという問題なのだ」

2019/12/09

ここ一番の勝負強さはまるでアロンソ。マクラーレンを引っ張る存在に成長したサインツ【今宮純のF1アブダビGP採点】

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はF1最終戦アブダビGP編だ。
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☆ ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
予選=14番手/決勝=9位

2019年F1第21戦アブダビGP ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1第21戦アブダビGP ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)

 驚いた。スタートタイヤをウイリアムズ勢以外で彼だけがハード、金曜FP2ではミディアムを試していたのに(ガスリーがハード担当)。この選択と1ストップ戦略は難しかったはずだが40周ロングスティントをこなし9位へ。

 トロロッソの目標はランク5位争い、だがガスリーがいきなりランス・ストロール(レーシングポイント)に接触され最後尾に後退、ルノーとの8点差を2点ちぢめ6位決定(08年ベスト・タイ結果)。チームメイトが入れ替わった今シーズンにレギュラーとして9回入賞、3度目の表彰台も。

☆ ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
予選=19番手/決勝=17位

2019年F1最終戦アブダビGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
2019年F1最終戦アブダビGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

 似たような結果に見えるが最後の健闘だ。1ストップ後に18周したオールド・ミディアムで50周目に自己ベストタイム13位を記録。体調不良が心配された週末も元気な走り、GP後の4日のタイヤテストでメルセデスに乗り込み、堂々トップタイム。速度次元が全く違うのに適応力を示した。

☆☆ ダニエル・リカルド(ルノー)
予選=8番手/決勝=11位

2019年F1第21戦アブダビGP ダニエル・リカルド(ルノー)
2019年F1第21戦アブダビGP ダニエル・リカルド(ルノー)

 終盤4戦連続入賞はならなかった。ここでは2020年シーズンのためのニューパーツ・テストを担当、PUトラブルなどもあり初日は16位。またもタイヤ温度問題を抱えたが土曜に大きくセッティングを変え、予選8番手はさすが。“オーバーテイク・マイスター”はセットアップ能力も持ち合わせているのだ。

☆☆ ランド・ノリス(マクラーレン)
予選=7番手/決勝=8位

2019年F1最終戦アブダビGP ランド・ノリス(マクラーレン)
2019年F1最終戦アブダビGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 対サインツの予選で<11勝10敗>勝ち越した。何度も触れてきたが最年少20歳(11月13日に)ルーキーは、タイムアタック力がそなわっている。今年の新人3人でその部分が光る。ここでもセクターベストをしっかりそろえる7位。レース最終周の11コーナーでペレスとの真剣バトルに抜かれ、悔しさをむき出し(これもいいレッスン)。

☆☆ バルテリ・ボッタス(メルセデス)
予選=2番手~20番手グリッド降格/決勝=4位

2019年F1第21戦アブダビGP 予選2番手のバルテリ・ボッタス、ポールのルイス・ハミルトンを祝福
2019年F1第21戦アブダビGP 予選2番手のバルテリ・ボッタス、ポールのルイス・ハミルトンを祝福

 パワーユニットを2度交換して最後尾となるが今年最後の予選でセーブすることなくいった(気概を感じる)。このコース2本の直線で18周目まで“DRS機能停止”となり、メルセデスでもオーバーテイクは難しくなっていた。W10のストレートスピードは低く中団レベル、それでも5番手までポジションアップ。最後にルクレール(ソフトタイヤ)に仕掛けるもオールド・ハードでは果たせずに4位。誤解をおそれずに言えば今季のボッタスを象徴する結果に……。

☆☆☆ セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
予選=11番手/決勝=7位

2019年F1第21戦アブダビGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2019年F1第21戦アブダビGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

 ポジションアップ・レースが今年は15戦。最終戦もその強みを発揮しノリスをとらえると、11コーナー・エントリーからインサイドラインの“フェイント”をかけ、すかさずアウトサイドに。フェアーで巧妙な『ベスト・パッシング』のひとつ。ノリスとのランク10位攻防に勝ち、またここで中間チームのトップでゴール。

☆☆☆ シャルル・ルクレール(フェラーリ)
予選=4番手/決勝=3位

2019年F1第21戦アブダビGP 3位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)と2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第21戦アブダビGP 3位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)と2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 鬼門となったセクター3、走り出しからSF90は直角ターンで入口アンダーステア傾向が見てとれた。それをなんとかしようとアプローチのアクセリングを修正し、使用ギヤを変え、それでもカーバランスは最終盤戦で最も厳しい状態だった。(マシンが)決まらないときこそ彼のドライビングセンスが表れる。

☆☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
予選=10番手/決勝=12位

2019年F1最終戦アブダビGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
2019年F1最終戦アブダビGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)

 177戦のこれが総結果。4位3回、5位9回、6位20回、7位18回、8位18回、9位12回、10位14回(入賞率53%は現役ドライバーでトップ10レベル)。表彰台3位を阻まれた相手は12年ベルギーGPがキミ・ライコネン、13年韓国GPがロマン・グロージャン、16年ベルギーGPがルイス・ハミルトン。彼らは去るヒュルケンベルグの力量を充分に知っている。

☆☆☆☆ カルロス・サインツJr.(マクラーレン)
予選=9番手/決勝=10位

2019年F1最終戦アブダビGP カルロス・サインツJr.(マクラーレン)
2019年F1最終戦アブダビGP カルロス・サインツJr.(マクラーレン)

 ますます同郷の先輩、チームの先輩でもあるフェルナンド・アロンソのようなレースをやってみせている。最後のチャンス、最終周にヒュルケンベルグをとらえ10位1点を。この1点がドライバーズランク6位逆転の“大勝負”、そこに彼の勝負強さを見た。

 アロンソに似ているのはまだある。スタートに賭けオープニングラップで上がってくる技。接近戦では周囲を見切り、ラインワークをアドリブのようにチェンジ、空間認識能力が高い。自らのエラーは少なく今年3度のリタイアはメカニカル(PU)トラブル。担当エンジニア・メンバーとも密な“技術ミーティング”ができ、その気になれば自分でマシンを組み上げることもできるだろう。『ザ・マクラーレンズ2019』、ノリスとのコンビは進化途上にある。

☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン(メルセデス)
予選PP/決勝=1位

2019年F1最終戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝
2019年F1最終戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝

 プレッシャーから解放され、リラックスした6冠王だからこその6度目“グランドスラム”。ありったけのスピードをチームというよりも自分自身のために追求したのだろう。<ルイス・ハミルトン・ショー>のグランド・フィナーレ、アンコールはドーナツターン。旋回半径を見事なくらい正確に描いていた(!)。

☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
予選=3番手/決勝=2位

2019年F1第21戦アブダビGP 2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がレース後、ドーナツターンを披露
2019年F1第21戦アブダビGP 2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がレース後、ドーナツターンを披露

 何度もホンダPUの感触に関して無線で細かく言っていたのは、けしてネガティブ意味ではない。リアルタイムでコクピットから発する生コメントは、レース後のデブリーフィング会話と違う意味を持つ。

 聴く側のエンジニアグループは瞬時にリアル対応でき、それがデータとなって記憶保存され後日の“反省ミーティング“のテーマとなる。こうした流れがホンダ×レッドブルの初年度“アライアンス(協業)”を強化してきたのだ。再三TVにOAされる無線交信に、フェルスタッペン自身の進化と現体制への忠誠心をも感じた。

2019/12/09

【動画】2019年F1アクション・オブ・ザ・イヤー:ルクレールとのバトルを制したフェルスタッペン

 2019年FIA表彰式が開催され、各選手権上位者および特別賞受賞者へのトロフィー授与が行われた。ファン投票により決定したアクション・オブ・ザ・イヤーは、イギリスGPでシャルル・ルクレールと激しいバトルを繰り広げたマックス・フェルスタッペンに贈られた。

 レッドブル・ホンダのフェルスタッペンとフェラーリのルクレールはレース中盤、ホイール・トゥ・ホイールのバトルを展開。ルクレールにコース外に押し出されるような形になった後、フェルスタッペンはクラブコーナーでオーバーテイクを成功させた。

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2019/12/05

ラッセル&メルセデスがトップ。ルクレール、クラッシュで走行切り上げ/アブダビF1タイヤテスト最終日

 アブダビのヤス・マリーナ・サーキットでの2日間にわたるF1タイヤテストが、12月4日に終了した。最終日には全10チーム11人のドライバーが走行、最速タイムをマークしたのはメルセデスの作業を担当したジョージ・ラッセルだった。

 2020年のF1タイヤを最終決定するため、ピレリは全チームに対して、2019年型タイヤと2020年用に開発したタイヤの両方で走行し、比較するチャンスを提供した。2日とも、チームはセッション序盤のみ、空力測定デバイスを装着しての走行が許され、その後はタイヤ評価の作業に専念した。

 メルセデスは2日目、ジュニアドライバーで現在ウイリアムズに所属するラッセルを起用した。ラッセルは145周のなかで1分37秒204(2020年C5タイヤ)を記録、この日のトップに立った。前日メルセデスのバルテリ・ボッタスがマークしたタイムには及ばず、ボッタスが2日間総合のトップとなった。

2019年F1アブダビテスト2日目 ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2019年F1アブダビテスト2日目 ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 2番手に続いたのはフェラーリのシャルル・ルクレール。ルクレールは現地16時ごろにターン14のバリアにクラッシュ。チームによると縁石に乗ってコントロールを失ったということだ。ルクレール自身にけがはなかったものの、マシンのダメージは大きかったため、チームはコース復帰を諦め、予定より約2時間早く作業を切り上げた。ルクレールは103周を走るなかで、自己ベストタイム1分37秒401(2019年C5タイヤ)を記録している。

 レーシングポイントのランス・ストロールが1分37秒999(2020年C5タイヤ)で3番手、4番手にはトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが続いた。ガスリーはこの日走行した全ドライバー中最多の146周を走り、1分38秒166(2020年C5タイヤ)をマークした。ガスリーは非常に充実した一日だったとコメントしている。

2019年F1アブダビテスト2日目 ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1アブダビテスト2日目 ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)

 5番手はマクラーレンのカルロス・サインツJr。サインツは、午前中にピットレーンで低速走行していたストロールを抜こうとした際に、エアロレイクの幅を考慮せずに動いたため接触。エアロレイクにダメージを負い、作業に影響が生じた。サインツのベストタイムは1分38秒729(2020年C5タイヤ)だった。

2019年F1アブダビテスト2日目 ランス・ストロール、カルロス・サインツJr.
2019年F1アブダビテスト2日目 ランス・ストロール、カルロス・サインツJr.

 ルノーでの2日目を迎えたエステバン・オコンが、1分38秒950(2019年C4タイヤ)で6番手。続く7番手はレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンだった。アルボンは139周を走りこみ、2019年C4タイヤで自己ベストタイム1分39秒181をマークし、レッドブルのテスト作業を締めくくった。

2019年F1アブダビテスト2日目 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1アブダビテスト2日目 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 8番手はハースのテストドライバー、ピエトロ・フィッティパルディで、タイムは1分39秒682(2019年C5タイヤ)。9番手には1分39秒811(2020年C5タイヤ)でアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィが続いた。

 10位と11位はウイリアムズのニコラス・ラティフィとロイ・ニッサニーだった。2020年ウイリアムズからF1デビューを果たすことが決まったラティフィは、契約発表後初めてウイリアムズで走行。107周を走り2020年C4タイヤで1分40秒188をマークした。元F2ドライバーのニッサニーは、テスト1日目に続き2日目午前中にもドライブ。1分43秒892(2020年C4タイヤ)が自己ベストタイムだった。

 2日間にわたるテストはこの日で終了。この後、来シーズン、2020年用に開発されたタイヤを使うのか、2019年タイヤを継続するのかが決定される。

2019/12/02

ルクレール、選手権3位争いに敗れる「勝つためにギャンブルをした。後悔はない」:フェラーリF1

 2019年F1アブダビGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールは3位に入り、シーズン10回目の表彰台を獲得した。

 55周のレースを3番グリッドからミディアムタイヤでスタート、12周目にハード、38周目にソフトに交換する2回ストップで走った。

 ルクレールは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとドライバーズ選手権3位争いをしており、最終戦を迎える時点では11点差で追う立場だった。アブダビでフェルスタッペンが2位を獲得したことで、ルクレールはランキング4位にとどまることになった。

 レース開始直前、FIAはルクレール車の燃料量が申告された量と異なることに気付き、スチュワードに報告。レース後、スチュワードは調査を行い、4.88kgの違いがあったとして、正確な申告を行わなかったことによりチームに50,000ユーロ(約600万円)の罰金を科した。ルクレールへのペナルティはなく、彼は3位を失わずに済んだ。

2019年F1第21戦アブダビGP レース後、パルクフェルメにとめられたシャルル・ルクレールのフェラーリSF90
2019年F1第21戦アブダビGP レース後、パルクフェルメにとめられたシャルル・ルクレールのフェラーリSF90

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=3位
 フェラーリでの最初のシーズンがこのようなものになるとは全く想像していなかった。ドライバーとして、何度かポールと優勝を獲得できたことに満足している。一方で、人は常に向上を目指して努力するものであり、よくなる余地は何かしらあるとも思っている。

 全体的に見て、僕にとってポジティブなシーズンだったと思う。たくさんのことを学んだ。ハードワークを続け、僕を支えてくれたチーム全員に感謝する。

 今日のレースの話をすると、楽なレースではなかった。3番グリッドからのスタートだったが、ドライバーズ選手権3位の座を取り戻すには、勝たなければならないと分かっていた。だから全力を尽くして戦ったが、残念ながら今日はうまくいかなかった。

 この冬にはレースペースの改善のために時間を割く必要がある。今年は予選はとても強かったけれど、ロングランパフォーマンスには改善の余地がある。

 いずれにしても表彰台でシーズンを締めくくることができたのはうれしい。この後、休暇が取れることもね。それでも数日もたてばレースに戻ることばかり考えてしまうだろう。今から来年のメルボルンを楽しみにしているんだ。

(FIA記者会見で、1回ストップのフェルスタッペンに敗れたことについて聞かれ)2回ストップで走ったことを後悔はしていない。ランキング3位を獲るには勝つしかなかった。そのためには何かをトライする必要があったんだ。あまり可能性がなくても、やるだけやった。他のドライバーたちと同じ戦略を採って2位でフィニッシュすることなど望んでいなかった。そんなの意味がない。だからギャンブルをしたんだ。

2019/12/02

フェラーリがルクレール車の燃料量申告で違反、600万円の罰金科される。3位は剥奪されず

 2019年F1最終戦アブダビGP決勝前に、フェラーリのシャルル・ルクレールのマシンに搭載された燃料量が申告された量と大幅に異なることが発覚したとして、スチュワードは決勝後に詳しい調査を行うことを決めた。ルクレールが3位表彰台を獲得した後、スチュワードは調査を行った結果、フェラーリに50,000ユーロ(約600万円)の罰金を科すことを発表した。ルクレールの結果に対するペナルティはない。

 今年、FIAは技術指令書を発行、チームに対し、グリッドに向かうラップ、フォーメイションラップ、レース、インラップ、エンジン点火のために必要なものとしてマシンに入れる予定の燃料量を明らかにすることを求めた。

 アブダビGP決勝前、ルクレール車がピットレーンを離れる前にFIAが燃料量を調べたところ、フェラーリが申告した量と4.88kgもの差があることが分かった。

 決勝後、フェラーリの代表者およびFIA技術部門責任者らから話を聞いた結果、スチュワードは、チームの申告は不正確であり、技術指令書に対する違反、国際モータースポーツ競技規則第12.1.1.i条への抵触にあたるという結論を出した。これに伴い、チームには不正確な申告に対して50,000ユーロの罰金が科された。

 ルクレールのリザルトに対して何らかのペナルティが与えられるのではないかという予想もなされていたが、処罰は罰金のみで、ルクレールは3位を維持することができた。

2019年F1第21戦アブダビGP表彰台のハミルトン、フェルスタッペン、ルクレール
2019年F1第21戦アブダビGP表彰台のハミルトン、フェルスタッペン、ルクレール

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2019/12/01

F1最終戦アブダビGP予選トップ10ドライバーコメント(2)

 2019年F1最終戦アブダビGP予選でポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。

■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
セバスチャン・ベッテル 予選=5番手

2019年F1最終戦アブダビGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2019年F1最終戦アブダビGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 明日は4番グリッドからスタートする。今日のQ3は理想的ではなかった。最終セクターにいくつか速さを発揮できないコーナーがあり、ひどく苦戦したんだ。このコースは僕らとの相性が最高とはいえない。でも明日何ができるか、見ていくよ。
 セッション終盤の最後のランの時、アウトラップで全員が低速で走ったためにひどいことになった。その結果、僕の場合、アタックラップをスタートする時点でタイヤが冷えすぎていて、ターン1でコントロールを失ってしまった。そして(後ろを走っていた)シャルル (・ルクレール)に至っては、アタックを始めることさえできなかったんだ。

 僕らが最終コーナーで遅い理由は、他のマシンよりもスライドが多いからかもしれない。タイヤを適切に機能させることができずにいる。

 明日はベストを尽くすけれど、簡単なレースにはならないだろう。それでも機会をうかがっていく。そのために僕らは異なるコンパウンドのタイヤを選んだんだ。ソフトでのスタートが正しいかどうかは明日分かるだろう。

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 予選=4番手

2019年F1最終戦アブダビGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2019年F1最終戦アブダビGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 厳しい予選だった。4番手タイムを出した最初の走行ではいいアタックラップを走れた。でも、いつだって改善の余地はあるものだ。最後のアタックに間に合うよう戻れなかったのは残念だ。今日はポールには届かなかっただろうが、4番手よりもいい結果を出せるチャンスはあったと信じている。でも、時にはこういうこともある。
 レースに向けて、主に最終セクターでの走りを改善するための対策が必要だ。パフォーマンスが一番不足していたのはこのセクターだからね

 1年の最後のレースであり、チャンピオンシップ3位を取り戻す最後のチャンスだ。簡単ではないだろうが全力を尽くす。3位をかけて戦うためには、スタートでリスクを負わなければならない。何ができるかに目を向けていこう。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=3番手

2019年F1最終戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1最終戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 予選にはとても満足している。マシンの力をすべて引き出せたからだ。もちろん、ドライバーは常にポールポジションを目指しているし、それが無理でもポールにできるだけ近づきたいと思っている。でも今日の僕らにはこれが最大限の結果だった。これ以上の力はマシンに残っていなかった。
 カレンダーのなかには、特定のマシンが他より強くて、比較的容易に優れたセットアップを見つけ出せるようなサーキットがある。ここはメルセデスが得意とするトラックなんだ。彼らに比べると、僕らは最終セクターでベストな走りをするのが少し難しかった。

 バルテリがペナルティを受けることで、僕はフロントロウからスタートできる。それはレースにおいて有利に働くだろう。このコースはオーバーテイクが難しいから、スタートが重要だ。長いレースになるし、もちろんいつもどおり勝利を目指していく。メルセデスは速いだろうから、簡単ではないだろう。でもチーム全員で、彼らにプレッシャーをかけ、できる限り苦しめ、最後の最後まで戦っていく。

(FIA記者会見で語り)僕がこれ以上うまくやる余地があったとは思わない。まずまずの予選だった。全力を尽くしたが、届かなかった。完璧なラップというものはありえないが、いいラップだったのは確かだ。限界ぎりぎりまで攻めていた。ただ、彼ら(メルセデス)と比べるとグリップが足りないようだ。彼らは最終セクターがものすごく速い。僕らは最終セクターで遅れを取った。

 フロントロウからスタートできるのはいいことだ。でも(繰り上がりではなく)自分でその位置を獲りたかった。

 メルセデスにプレッシャーをかけ続け、何が起こるかを見ていく。もちろん現実的に考える必要がある。彼らはとても速い。それでもチャンスは十分あるから、レースのなかで状況を見ていくよ。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 予選=2番手

2019年F1最終戦アブダビGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2019年F1最終戦アブダビGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 おめでとう、ルイス(ハミルトン)。88回のポールポジションというのは素晴らしい記録だ。
 僕のラップもよかったと思うが、今日はルイスの方が少しだけ速かったみたいだね。異なるセッティングで予選に臨んだけれど、僕としては昨日の方が感触が良かったように感じる。

 いずれにしても今は明日のレースに集中している。レースでグリッドペナルティを受けて、後方からスタートすることを分かった上での予選だった。それでもできる限りプッシュしたが、明日に向けてタイヤを節約するためにQ2では1回しか走行しなかった。

 明日は面白いレースになると思う。できるだけ多くの順位を取り戻せるよう頑張るよ。チャレンジにはなるだろうが、楽しみにしている。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 予選=1番手

2019年F1最終戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2019年F1最終戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 僕らにとってとてもいい予選だった。今年は予選が楽だったことなどなかったけれど、コツコツと取り組み、改善を図ってきた。
 昨日は少し苦労しており、今日に向けて改めて集中し直す必要があった。Q3に進んで、2回いいラップを走れるというのは、これ以上ないほど素晴らしいことだ。チーム全員の絶え間ない努力に、心から感謝する。

 両方のタイトルを獲得した後でも、プッシュし続けて、改善のために努力していかなければならない。そうしたことが、僕を奮い立たせるんだ。

 今年のマシンとは素晴らしい旅路を歩んできたから、ポールでシーズンを締めくくることができて最高の気分だ。まだ仕事の半分も終わっていないけれど、この結果によって、僕らはフェラーリやレッドブルと戦わなければならない明日に向けて、可能な限り最高のポジションを確保できた。

(FIA記者会見で、ドイツGP以来のポールを獲得した気分を聞かれ)前回のポールはもっと昔だったように感じる。サマーブレイクの後、どのドライバーも素晴らしい仕事をしていることで、かなりの接戦が続いている。自分の予選がひどい出来だったとは思わないけど、僕にとっての通常の水準には届いていなかったかもしれない。だから本当に満足だ。88回目だと言うが、全くそんな感じはしない。初めて獲ったみたいに新鮮な気持ちなんだ。あまりに久しぶりだからかもしれないね。今年最後の予選を5度目のポールで締めくくることができてうれしい。

2019/12/01

苦戦ベッテル、ソフトタイヤでのスタートを選択「他と異なる戦略でチャンスを見いだしたい」フェラーリF1

 2019年F1アブダビGPの土曜予選で、フェラーリのセバスチャン・ベッテルは5番手(1分35秒339)だった。バルテリ・ボッタスのペナルティにより、ベッテルは繰り上がり、4番グリッドからスタートする予定。

 チームメイトのシャルル・ルクレールはミディアムタイヤでのスタートとなるが、ベッテルはソフトを選んだ。フェラーリF1チーム代表マッティア・ビノットは「スタートタイヤの選択は難しく、決勝でチャンスをつかむために2台で異なる戦略を採ることにした」と説明している。予選トップ6のドライバーでソフトタイヤを選択したのはベッテルのみだ。

2019年F1第21戦アブダビGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2019年F1第21戦アブダビGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
セバスチャン・ベッテル 予選=5番手
 明日は4番グリッドからスタートする。今日のQ3は理想的ではなかった。最終セクターにいくつか速さを発揮できないコーナーがあり、ひどく苦戦したんだ。このコースは僕らとの相性が最高とはいえない。でも明日何ができるか、見ていくよ。

 セッション終盤の最後のランの時、アウトラップで全員が低速で走ったためにひどいことになった。その結果、僕の場合、アタックラップをスタートする時点でタイヤが冷えすぎていて、ターン1でコントロールを失ってしまった。そして(後ろを走っていた)シャルル (・ルクレール)に至っては、アタックを始めることさえできなかったんだ。

 僕らが最終コーナーで遅い理由は、他のマシンよりもスライドが多いからかもしれない。タイヤを適切に機能させることができずにいる。

 明日はベストを尽くすけれど、簡単なレースにはならないだろう。それでも機会をうかがっていく。そのために僕らは異なるコンパウンドのタイヤを選んだんだ。ソフトでのスタートが正しいかどうかは明日分かるだろう。

2019/12/01

「リスクを冒すしかなかった」とフェラーリF1代表。ルクレール、戦略失敗でラストアタックに間に合わず

 2019年F1アブダビGPの土曜予選で、フェラーリのシャルル・ルクレールは4番手(1分35秒219)だった。バルテリ・ボッタスのペナルティにより3番グリッドに繰り上がり、決勝はミディアムタイヤでスタートする。

 Q3最後のアタックのためセッション終了ぎりぎりにコースインしたルクレールは、アウトラップでトラフィックに遭い、チェッカーフラッグが振られる前にラインを越えることができず、2回目のアタックラップを走れずに終わった。

 フェラーリはこれについて、路面がベストなコンディションの時に走らせるため、終了間際まで待って2台をコースインさせたが、セバスチャン・ベッテルも、その後ろを走るルクレールも、前の集団がペースを落としたことで、アウトラップがうまくいかなかったと説明している。

 チーム代表マッティア・ビノットは、メルセデスに対してペースが足りないことが分かっていたために、リスクを取らざるを得なかったと語った。
「週末を通してセクター3で速さが不足していたため、予選で何かをする必要があると考えていた。Q3最初のランではポールに遠くおよばなかったため、コースコンディションが改善する最後の最後に出ていくことに決めた。タイトであることは分かっており、リスクを冒していることも自覚していた。だが、我々はリスクを冒す必要があった。残念ながらトラフィックに遭い、うまくいかなかった」

 ルクレールは現在ランキング4位で、3位のレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとは11点差。フェルスタッペンは2番グリッドからスタートする。

2019年F1第21戦アブダビGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2019年F1第21戦アブダビGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 予選=4番手
 厳しい予選だった。4番手タイムを出した最初の走行ではいいアタックラップを走れた。でも、いつだって改善の余地はあるものだ。最後のアタックに間に合うよう戻れなかったのは残念だ。今日はポールには届かなかっただろうが、4番手よりもいい結果を出せるチャンスはあったと信じている。でも、時にはこういうこともある。

 レースに向けて、主に最終セクターでの走りを改善するための対策が必要だ。パフォーマンスが一番不足していたのはこのセクターだからね

 1年の最後のレースであり、チャンピオンシップ3位を取り戻す最後のチャンスだ。簡単ではないだろうが全力を尽くす。3位をかけて戦うためには、スタートでリスクを負わなければならない。何ができるかに目を向けていこう。

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2019/12/01

【動画】F1最終戦アブダビGP予選ハイライト

 F1最終戦アブダビGP予選はメルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは6番手となった。そんな予選のハイライト映像がDAZNで公開されている。

■F1最終戦アブダビGP予選ハイライト

2019/11/30

【順位結果】F1最終戦アブダビGP予選

 2019年F1最終戦アブダビGP予選はメルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは6番手に入っている。

■F1最終戦アブダビGP予選結果

Pos No. Driver Team Time Laps
1 44 L.ハミルトン メルセデス 1’34.779 19
2 77 V.ボッタス メルセデス 1’34.973 16
3 33 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1’35.139 16
4 16 C.ルクレール フェラーリ 1’35.219 16
5 5 S.ベッテル フェラーリ 1’35.339 16
6 23 A.アルボン レッドブル・ホンダ 1’35.682 21
7 4 L.ノリス マクラーレン 1’36.436 17
8 3 D.リカルド ルノー 1’36.456 15
9 55 C.サインツJr. マクラーレン 1’36.459 17
10 27 N.ヒュルケンベルグ ルノー 1’36.710 18
11 11 S.ペレス レーシングポイント 1’37.055 13
12 10 P.ガスリー トロロッソ・ホンダ 1’37.089 12
13 18 L.ストロール レーシングポイント 1’37.103 14
14 26 D.クビアト トロロッソ・ホンダ 1’37.141 12
15 20 K.マグヌッセン ハース 1’37.254 14
16 8 R.グロージャン ハース 1’38.051 8
17 99 A.ジョビナッツィ アルファロメオ 1’38.114 6
18 7 K.ライコネン アルファロメオ 1’38.383 6
19 63 G.ラッセル ウイリアムズ 1’38.717 8
20 88 R.クビサ ウイリアムズ 1’39.236 6

2019/11/29

F1アブダビGP木曜会見:緊張気味の会場で爆笑を誘った、とある記者の質問

 2019年の最終戦アブダビGPの木曜日のFIA会見は、久しぶりに2部構成となったが、注目を集めていたのは第1部。というのも、フェラーリ勢ふたりが同席する予定となっていたからだ。しかし、会見前にセバスチャン・ベッテルの到着が遅れているとの理由で、急きょ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ケビン・マグヌッセン(ハース)の3人にだけに。しかし、会見は、意外な質問に大盛り上がりとなった。

 ベッテルが欠席したとはいえ、注目はそのベッテルと前戦ブラジルGPで接触したルクレールに集まっていた。司会者の最初の質問もルクレールだった。答えるルクレールも、少し緊張気味。

「事故自体はとても小さな接触だったけど、結果的に大きな事件へと発展した。ただ、僕たちは今後、二度と同じ過ちを犯さないよう、マラネロで話し合った」

 直後に、司会者が場を和ませるために「セブはまだあなたにクリスマスカードを送りますかね(笑)」とジョークを飛ばすが、緊張気味のルクレールは「ごめん、もう1回言って」とジョークは空振り。

 しかし、その後に始まった記者からの質問に、ルクレールだけでなく、会場内が大爆笑となった。それは、次のような1分以上にわたる長い質問から始まった。

「シャルル、質問を始める前に、高い賞賛を思い出さなければなりません。あなたにとって、今シーズンは悪いレースよりも良いレースの方が多かったのは間違いありませんが、それでも今年のあなたは多くの不運によって、例えば、バーレーンGPでのエンジントラブルやバクーの予選でのクラッシュ、さらにあなたにとって、フェラーリドライバーとして初めてのホームレースとなったモナコでもクラッシュしました。あとオーストリアGPでは、マックスと接触。ホッケンハイムでも、おそらくローポイントという落胆する結果に終わりました(編注/リタイア)。 そして、先週のブラジルGPではドライバーのミスによって、同士討ちとなりました。 さて、F1のポップスターへの私の質問です。あなたにとって、今年のベストレース、といってもワーストレースの中での話なんですが、それをランキング形式でそれぞれ挙げてください。 私は礼儀正しい人です。この質問を許してください、そして、私はあなたがこの質問に答えることを望んでいます」

 この1分以上にわたる質問の途中で、フェルスタッペンは笑いがこらえきれず、目の前のテーブルに顔を伏せてお腹を抱えて笑い出してしまう始末。そして、質問が終わると、「ワォ!!」と言って、質問を受けたルクレールのほうを見た。

アブダビGP木曜会見 記者の質問に爆笑してしまうマックス・フェルスタッペン
アブダビGP木曜会見 記者の質問に爆笑してしまうマックス・フェルスタッペン

 質問を受けたルクレールの第一声は、「こんなにも長い質問よくも……とりあえず、おめでとう」。しかし、「じゃ、ケビンから初めて」と。つれない答え。ルクレールに回答を振られたマグヌッセンは「いま、僕はまだトランス状態だから、無理」といって、再びルクレールへ回答をパス。

 真ん中にいたフェルスタッペンは「おまえがポップスターだって(笑)。じゃ、歌でも歌ってやれよ」と突っ込む。すると、ルクレールは「僕は歌えるけど、ここでは歌わない。でも、歌えるよ、よくわからないけど」

 質疑応答が脱線したので、フェルスタッペンが「ええと、質問がなんだか忘れたので、もう1回お願い」とフォローすると、マグヌッセンが「確かワーストレースを5つ挙げろじゃなかった?」と答える。

 すると、ルクレールが「5つも!! まあ、いいや、シンプルに答えよう」と言い始めたところで、この質問をした記者が「違いますよ。私の質問は、ワーストレースの中からベストレースを5つ、ランキング形式で答えてと言ったのです」と話をこじらせた。

 それを聞いていたフェルスタッペンがまたまた笑い出し、「じゃ、話をもっとこじらせようか? それは今年の話? それとも、これまでのレース人生の話?」とジョークを飛ばす。その後、ようやくルクレールが「じゃ、行くよ。ワーストレースはブラジルGPとモナコGPの2つかな」と回答して、このやりとりは終了してしまった。

 しかし、この記者の質問は「ワーストレースだと思われるあまり良くなかったレースの中から、良い順に5つベストレースをランキング形式で挙げる」というものだった!!

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2019/11/28

フェラーリF1代表 2020年の巻き返しを誓う「2位では不十分。やるべき作業が山積み」

 フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットは、これから迎えるシーズンオフにフェラーリは「非常に集中的な作業」を行う必要があると考えている。2019年シーズンはランキング2位という、決して十分ではない結果に終わったからだ。

 大きなダメージとなったブラジルGPでのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールの同士討ちを除けば、フェラーリは2019年後半には好調で、3度の優勝を果たし、メキシコでのマックス・フェルスタッペン降格による繰り上がりを含めると6戦連続ポールポジション獲得という、強力なパフォーマンスを発揮した。

 そうした結果を出しながらも、フェラーリはメルセデスと世界タイトルを争うまでには至らなかった。だがチームの相対的な強さは、2020年に向けて優れた跳躍台になるだろうという希望はある。

2019年F1第19戦アメリカGP マッティア・ビノット(フェラーリF1チーム代表)
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノット

「誰もにとって大変だったシーズンが、アブダビで幕を下ろす」とビノットはシーズン最終戦アブダビGPを前に語った。

「我々スクーデリア・フェラーリにとって、今季は新たな始まりの年だった。チームメンバーたちは新たな役割を担い、シャルルは今年フェラーリに加入した。我々の目標は、将来に向けて土台を構築することにあった」

「もちろん好不調はあった。シーズン序盤は我々の望むようにはいかなかったが、私は我々がともに立ち上がり、気を引き締めて反撃に出たことを非常に高く評価している」

「特筆すべきはサマーブレイク後の我々がどのような反応を見せたかだ。3戦連続で優勝し、6戦連続でポールポジションを獲得した。ミラノの大観衆の前でフェラーリ創設90周年の祝賀を行った数日後には、モンツァで優勝を達成した」

「もちろん2位で終えることはフェラーリにとってはまったく十分な結果ではない。我々はグループとして成長を続けるために、冬には非常に集中的な作業を行う予定だ」

「目標は我々を待ち受ける挑戦に立ち向かうために、強くなって戻ることだ」

 ベッテルとルクレールは、インテルラゴスでの重大な衝突を受けて、先週ビノットから2度と互いの足を引っ張り合わないように通告を受けたようだ。

 ルクレールは残り1戦の時点でランキング4位で、レッドブルのフェルスタッペンに11ポイント差をつけられているが、ヤス・マリーナにおいてドライバーズ選手権3位を獲得する可能性は残っている。

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