F1ブラジルGPの記事一覧

2019/11/29

同士討ちの責任は両者に。ルクレール「今後は互いに強引さを抑えるべき」チームオーダー行使の予定なし

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1第20戦ブラジルGPの決勝レースでチームメイトのセバスチャン・ベッテルと接触し、その後2台ともリタイアとなったインシデントを受けて、今後チームメイト同士が競り合う局面では互いに強引さを抑制すべきだという教訓を得たと考えている。

 ルクレールとベッテルは、インテルラゴスでの一件についてフェラーリのマッティア・ビノット代表との話し合いを行った。チームに大きな損害を与えた接触の原因を究明し、今後同様の状況で各自がどう行動すればよいのかを考えるためだ。

 ルクレールは木曜日にアブダビで、「話し合いの場では、僕は特にあの局面でどうすればより良い結果につなげられたのかという観点で振り返った」と報道陣に語った。

「あれはとても残念な出来事だった。何より、接触自体はとても軽かったのに、それが重大な結果につながってしまったんだ。ちょっと不運だったね」

「ただチームの一員として考えれば、こうした事象を再び起こさないために、僕たちは互いにもう少し強引さを抑えるようにすべきじゃないかと思う」

「チームにとっても、チームを応援してくれているみんなにとっても、あれは良くなかった。だから同じことを再び起こさないようにしたいんだ」

 ルクレールによれば、フェラーリはふたりのドライバーにチームオーダーを出す予定はないという。つまり建前上彼らは今後も自由に競い合って良いことになるが、2度のグランプリ優勝経験を持つルクレールは、自分とベッテルとでコースにおける一定の妥協点を探る必要があると認めた。

「チームオーダーについては今後も変わらないだろう。ふたりで競い合うことはできる」

「言うまでもなく、セブ(ベッテルの愛称)も僕自身もすごく競争心が強い。ふたりとも勝ちたいという意志を持っているけれど、適正な妥協点を見つける必要もあるんだ。同じチームのために戦っているわけだしね」

「それ以外に、僕たちにできることはあまりないと思う。前のレースでは、とにかく結果が重大だった」

「接触の場面をもう一度見直すと、とても小さな接触だったことが分かる。不運ではあったけれど、とにかく二度とあのようなことを起こさないようにするつもりだ」

 ブラジルでのいざこざについて、ビノットは公式にはふたりの責任に言及していないものの、ルクレール自身は、究極的にはふたりとも責任があると考えている。

「セブは左に行くべきではなかったし、彼もそれは分かっている。そして僕は、彼のその動きを避けるためにもう少し何かできたはずなんだ。つまり、ふたりはともに少しずつ責任を負っているということだ」

「でも一番重要なのは、すべてをはっきりさせたことだと思う。そのために話し合いを行った。そして僕たちはここからさらに前へと進んでいく」

2019/11/29

ホンダ田辺TD木曜インタビュー:「契約延長は最前線で戦ってる我々としても非常に喜ばしい決断」

 前戦ブラジルGPでホンダの1−2勝利を果たした田辺豊治テクニカルディレクターは、レース後に改めてアイルトン・セナの墓に参り、勝利を報告した。そしてホンダは今週末のアブダビGPに先立ち、レッドブル、トロロッソとの2021年までの契約延長を正式に発表した。田辺TDはその決定をどう捉えたのか語った。

──ブラジルではレースの前後に2回、セナの墓に参ったと聞きました。
ホンダ田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):
ええ。レース前のお参りは去年も行ってますし、時間が取れれば毎年行くようにしてます。レース後は少し特別で、「勝ちました」という報告に行きました。その時に、表彰台の写真も供えました。

──田辺さんにとっても、特別な勝利でしたか。
田辺TD:
そうですね。レース前にMP4/4が走って、セナコールが起きて。ブラジルは昔いっしょに戦った偉大なドライバー、そしてホンダと日本と気持ちをひとつにして闘ったドライバーの故国ですから、特別な気持ちはあります。

──ブラジルのレース後にも少し言っていましたが、レッドブルとトロロッソ、違う2チームのドライバーによる1−2という勝ち方で、喜びはひとしおでしたか?
田辺TD:
ええ。トロロッソとは去年からいっしょにやってきてましたし、ガスリーは今年、すこし大変な時期を過ごしてきた。実はブラジルの彼は、木曜日の段階からすごく明るかったんですよ。

 やる気満々というか。そしてああいう結果を残せたことは、本当にうれしく思いますね。予選でもレースでも、終始中団グループトップの速さを見せてましたしね。最後のハミルトンとの競り合いにも、きっちり勝っていますし。

──今週末の最終戦は、ブラジルの勢いを持ち続けられそうですか。
田辺TD:
そうなるべく、全力を尽くします。まずは金曜日に、走ってみてですが。

──パワーユニット的にも、ここでマイレージぎりぎりまで使い尽くす感じですね。
田辺TD:
マイレージを考慮した上で、使える部分を残さないよう、適切にマネージメントして行こうと思っています。

──そこで攻め過ぎると、壊れてしまう恐れもある?
田辺TD:
その計算をきちんとやって、初日フリー走行からレースまでで使い切ろうということですね。

──2チームへの供給契約が、2021年まで延長されました。それについて田辺さんのお気持ちは?
田辺TD:
チームも、喜んでくれてますし、最前線で戦ってる我々としても非常に喜ばしい決断をしてもらったと思っています。

──2021年から技術レギュレーションが大きく変わることを考えると、このタイミングで延長が決まったこともよかったですか?
田辺TD:
技術面から言えば2021年というのは、目前とまでは言いませんが、すでに開発に入っている状況です。FIAの技術ミーティングでも、2021年の議論に私自身がずっと加わっていますし。なので議論しただけでサヨナラとならずに、実際にレースに関わることになってよかったと思っています。

 モータースポーツの頂点であるF1で、自動車メーカーがどんな役割を果たして行くか。新たなメーカーの参入を考えると、MGU-H(熱エネルギー回生システム)をなくした方がいいのではという議論もありました。

 しかし、我々としてはここまで苦労して信頼性と性能を上げてきた技術を、あっさり捨ててしまうことには悔しさもありました。市販車を含めた将来的なハイブリッド技術としても、非常に可能性を秘めたものだと思っていますので、その方向での意見も述べました。なので結果的にMGU-Hが残ったことは、よかったと思っています。

2019/11/29

F1ブラジルGPでの戦略失敗は「リスクのあることを試していたから」ハミルトン、チームを責めず

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1第20戦ブラジルでメルセデスの戦略が失敗に終わったのは、チームがすでにタイトルを獲得していたので普段よりも多くのリスクを取ったことが主な原因であると述べている。

 決勝レースの終盤、ハミルトンはフェラーリの同士討ちが起きたタイミングでタイヤ交換をしたが、このせいで2番手から4番手に順位を落とした。この戦略判断について、テクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、後に“初歩的なミス”と評した。

 ハミルトンは判断ミスについて彼のクルーを責めることはしなかったが、彼やチームがまだタイトルを争っている段階だったら起きなかったミスだっただろうと主張した。

「僕たちにとっては大きな出来事ではない」とハミルトンはアブダビでメディアに語った。

「もし僕たちがタイトルを賭けて戦っていたら、起きなかったことだと思う。僕たちは実験的なことをしていた。多少リスクのあることを試していたんだ。だけどそれによって結果を出すことはできなかった」

「でもそうしたことを経験できたのは僕たちにとって良いことだった。物事がスムーズに進んだその前の週末よりも、あの週末からは多くのことを学べたと思う」

「最後には僕がピットインすることを決めた。僕には選択肢があったけれど、どこで出て行くのかについて少し間違った情報をもらっていた。それに、セーフティカーが長いこと走っていたというような他の要素も多々あった」

「後になって振り返るのは当然ながら素晴らしいことだ。過去に戻って変えられるところを考えたりね。でも僕はチームの判断については後悔していない。なぜなら僕たちは、今週末や来年に活かせることを多く学んだからね」

 ハミルトンは、今週末の最終戦アブダビGPで“すべてのことをうまく運び”、2019年を好結果で締めくくることを決意していると語った。

「またあのような週末にはしたくない。だから今週末はすべてのことを正しくこなして、全力で前進を続けるよ」

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2019/11/28

F1技術解説:レッドブルのフロントウイング形状が変更に。フェラーリの規約違反疑惑は晴れるのか

F1技術解説:レッドブルのフロントウイング形状が変更に。フェラーリの規約違反疑惑は晴れるのか
(写真最上段、右下)新仕様のウイング(写真中断、左下)旧仕様のウイング

 アメリカGPでのハースに続いて、ブラジルではレッドブルが新たなフロントウイングを持ち込んだ。

 それ以前のレッドブルのフロントウイングはメルセデスに代表されるような、アウト側に向かって持ち上がる形状だった。それに対し初日フリー走行でテストされたのは、フェラーリやアルファロメオ、そしてトロロッソのような下がって行く形状のものだ。

 正面から見ると、違いは明らかである。フラップは付け根から4分の1ほど上がって行き、そこから翼端板に向かって下がり続ける。一方で旧仕様は、ほぼ逆の形状になっている(黄色矢印参照)。

 とはいえフェラーリやアルファロメオほどの極端さではない。レッドブルのエンジニアによれば、これはあくまで来季用車体のためのデータ収集の一環だとのことだ。

 フロントウイングのコンセプトに関しては、真逆のメルセデスとフェラーリがいずれも高い車体性能を発揮していることからも、どちらが正解という問題ではない。その中でマクラーレンはスペインGPでフロントウイングのコンセプトを完全に変え、レーシングポイントとウィリアムズは折衷案を採用した。そしてハーストレッドブルはいずれも違うコンセプトを試しはしたが、レース本番の採用には至っていない。

■フェラーリの燃焼疑惑は依然晴れず?

F1技術解説:レッドブルのフロントウイング形状が変更に。フェラーリの規約違反疑惑は晴れるのか
フェラーリ製パワーユニットのインタークーラー

 ブラジルGPの数日前、FIAは全チームに技術仕様書TD38/19を送った。その内容は、「インタークーラー、エアコレクターあるいはERSシステムから放出されるいかなる可燃性の液体も、エンジン出力を増大を目的として燃焼室に噴出されてはいけない」というものだった。

 そしてFIAは、11月15日までに全チームがエンジン関連のあらゆる液体について以下のような情報を明記するよう求めた。使用潤滑油の種類と添加剤の有無、搭載量と実際の使用量、さらにはエンジン内の混合気の流れの図解まで要求した。これらがフェラーリを標的にしたものだったことは、明らかである。

 フェラーリに関しては9月末以来、以下のような疑惑が囁かれてきた。インタークーラーから霧状のオイルを噴出させ、それが燃焼室内の吸気と混ざることで、一時的にパワーアップさせているのではないかというのだ。

 この写真に見えるフェラーリのインタークーラーは、他メーカーとは違ってオイルを使用しているといわれる。さらに冷却液に関しても、オーストラリアの『フレックスグラフ』社が開発した特殊なものを使っているという。

 技術規約は冷却液に関して、燃料以外のいかなる液体の霧状化を助けてはいけないと明記している。FIAは今回収集した潤滑油や冷却液のあらゆるデータを、比較分析することになっている。

 ちなみにブラジルGP予選でのシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ほぼ1km以上に渡ってエンジン全開状態の続くセクター3で最速だった。とはいえライバルとの差はごくわずかで、バルテリ・ボッタス(メルセデス)と0.013秒、ルイス・ハミルトン(メルセデス)と0.015秒、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とも0.023秒しかなかった。

2019/11/28

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第15回】PUトラブルに見舞われ入賞届かず。浮き彫りになったチャーリー不在の安全性への不安と疑問

 今シーズンで4年目を迎えるハースF1チームと小松礼雄チーフレースエンジニア。前戦アメリカGPでの空力テストを経て、第20戦ブラジルGPでは入賞を狙うプログラムを組むことができた。ところが決勝レースではスチュワードの無責任さにより、安全性を脅かす場面も。現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

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2019年F1第20戦ブラジルGP
#8 ロマン・グロージャン 予選8番手/決勝13位
#20 ケビン・マグヌッセン 予選10番手/決勝11位

 ブラジルGPの舞台となるインテルラゴスは、そこまでうちのクルマに合わないことはないだろうと思っていました。前戦アメリカGPでの空力テストを終えて、ブラジルではどのエアロパッケージを使うのかを決めていたので迷いはなかったです。アブダビよりもブラジルの方がクルマの特性に合っているので、ブラジルでポイントを獲れるようにプログラムを組んでいました。

 この週末、一番心配していたのが路面温度の変化です。金曜日は20〜25度くらい、日曜日は50度近くになるという予想でした。金曜日のフリー走行を走ったではクルマのバランスもよく、タイヤも上手く使えていたので、温度の上がる日曜日に向けてどういう対策をするのかということが金曜の夜の焦点でした。

 路面温度が高くなると、特の今年のクルマではリヤタイヤに厳しくなります。これまでのデータやシミュレーションから、どれだけの影響があるかを予測できるので、クルマのセットアップを見直すと共にフリー走行3回目のプログラムも日曜日に向けて変更しました。

 結果的にポイント獲得はなりませんでしたが、現場でのオペレーションとしてはこの路面温度の変化に上手く対応することができたと思っています。ファクトリースタッフのサポートもあり、一歩先を見越して作業を進めることができたのはチームとして大きな進歩だと思っています。

2019年F1第20戦ブラジルGP ケビン・マグヌッセン(ハース)
ケビン・マグヌッセン(ハース)

 決勝レースでは、セーフティカー(SC)後の再スタートまでは上手くレースを進められていました。基本は1ストップ作戦で、もしタイヤの持ちが予想より悪ければ2ストップに変更する予定でした。まずはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が17周目にピットインしましたが、これは2ストップにしても早すぎたので反応しませんでした。

 20周目、2ストップのタイミングでジョビナッツィがピットインしましたが、ウチはタイヤの保ちが良かったので、当初の予定どおり1ストップでいくことに決めて、これにも反応しませんでした。ライコネンも21周目にピットに入ったので、この時点でアルファロメオは2台ともに2ストップ作戦とはっきりわかりました。

 そしてロマンは1ストップが可能になる26周目まで引っぱってからピットイン。その後はタイヤを保たせながら、アルファロメオが仮にSC出動中に2度目のピットストップをしても前に出られないだけのギャップを持って走りました。予想通りアルファロメオの2台が2回目のタイヤ交換を行い、その後は彼らやペレスとも戦えると見ていました。

2019年F1第20戦ブラジルGP ロマン・グロージャン(ハース)
ロマン・グロージャン(ハース)

 54周目にバルテリ・ボッタス(メルセデス)が止まったことによりSCが出動しましたが、このリスタートの時に、実はパワーユニット(PU)のMGU-Kに問題があったんです。第11戦ドイツGPに続いて、問題が起きたのはこれで2回目。フルパワーを出せなかったのでカルロス・サインツJr.(マクラーレン)に1コーナーの進入で抜かれ、ターン2で押し出され、上手く加速出来ずにターン4までにはアルファロメオの2台にも抜かれてしまいました。

 ロマンは抜かれた後にフリーエアーで走ることができず、タイヤを上手く機能させることもできなかったのでどんどん抜かれて最後尾付近まで落ちてしまいました。

 3位に入賞したサインツJr.は、ウチと同じ戦略を採っていて、タイヤ交換のタイミングもロマンと3周しか変わらなかったことも考えると、再スタート時の問題が悔やまれます。実際、2スティント目に履いていたタイヤの磨耗をレース後にみても、最後までいけたと思うので、本当に残念でした。

■レースディレクターとスチュワードの問題が浮き彫りに。ダブルイエロー区間でのDRS使用を罰せず

 ところで今回のレースでは、残念ながらまたもレースディレクターとスチュワードの問題が発生しました。これはボッタスがターン4で止まった際、ダブルイエローが出ていた時に起こりました。

 ロマンの後ろを走っていたサインツJr.はダブルイエローの区間でDRSを使用して、ロマンとのギャップを縮めました。その後SCが出動したのですべてのクルマ間のギャップが詰まり、この時に縮めたギャップはアドバンテージにはなりませんでした。

 しかし、問題はダブルイエローという安全を第一に考えなければならない状況でDRSを使用していたという事実です。サインツJr.はダブルイエローの区間に入っても、止まっているクルマはもっと先にあるから、最初の数100メートルはDRSを使って車速を上げてもOKだと自分で判断したわけです。

 この行為に対してレース後に何のペナルティも科せられませんでした。このような行為を容認していては、これから先どんな事態になるかわかりません、ウチのチームマネージャーがスチュワードに話しにいっても埒が明かなかったので、僕が話しに行きました。結局あまり実りのある話しにはなりませんでしたが、そもそもドライバーに『ここの区間は安全かどうか』を判断させる余地を与えるべきではないんです。

 今回のスチュワードのひとりだったエマニュエル・ピロは、他のクルマも全開で走っていたし、サインツJr.がターン4のブレーキングポイントの手前100mくらいのところでリフトオフしているので問題ないと言いましたが、話の焦点はそこではありません。もちろん全開で走っているのも良くないですが、それを許容しているからと言っても、次のステップであるDRSも使っていいのかと言ったらそれは違います。

 アメリカGPの終盤にケビンがマシンを止めてイエローが出ていた時にDRSを使ったドライバーがいたので、この件はブラジルGPのドライバーズブリーフィングでも話題になりました。システム上DRSを使えないようにはしないけれど、ドライバーが自分で使わないようにするという話があったにも関わらず、サインツJr.はDRSを使い、ペナルティを受けませんでした。こんなにいい加減な話がどこにあるでしょうか。

 万が一これで事故が起きたらどうするのか……。正直なところ、チャーリー・ホワイティングが亡くなって、裁定判断の基準が崩れている状況です。彼はドライバーやチームに対してしっかりと基準を示して手綱を握っていましたし、みんなから一定のリスペクトを受けていました。

 チャーリーの裁定に疑問があって話しに行ったことも何度もあります。その場合は常にきちんとした議論ができました。同意するかしないかは別にしても、チャーリーはちゃんと話を聞いて理解してくれるので、いつも有意義な会話になったものです。

 しかし、彼の後を継いだ今のレースディレクターはまったく違います。あまり自主性を持ってこのスポーツをもっと良くしていこうという姿勢が見られません。とても残念ですし、F1の将来にとって不安です。

■最終戦アブダビGPに向けて

 ブラジルGPでポイントを獲れなかったのは痛かったです。先に書いたようにアブダビGPの方がウチのクルマにはきついとは思いますが、最後の最後までポイントを獲りにいくしかありません。

 コンストラクターズ選手権ではもうアルファロメオには追いつけませんが、最後まで2台揃ってポイントを獲得するのが目標です。とにかく最後まで全力を尽くします。

 また来年に向けて、アブダビに新しいパーツを持っていって、金曜日にテストをします。アメリカでのテストでは、想定していたものとは違う結果が出たので、もう一歩違うやり方を試します。最後まで開発が止まることはありません。

■質問募集のおしらせ
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム】では、今年のオフシーズンに質問コーナーを実施します。レースに関係すること、ファクトリーでの仕事、またレースに関係ないことでもかまいません。小松エンジニアに聞いてみたいことがあれば、ぜひご応募ください。

 質問を採用された方のなかから抽選で数名の方に、小松エンジニアからご提供いただいたスペシャルプレゼントをご用意しております。

 質問コーナーの詳細は下記を参照。

・質問募集時期:11月28日(木)〜12月12日(木)
・宛先:info@as-web.jp (オートスポーツweb編集部宛)
    メールのタイトルを『小松コラム質問コーナー』としてお送りください。
・メール記入事項:質問者の名前(PN可)、質問事項(プレゼント希望者は郵便番号、住所、氏名、電話番号をお忘れなく)

※プレゼントの当選発表は、発送をもってかえさせていただきます。なお当選者の方々には、プレゼントのSNSへの掲載を控えていただくようお願い致します。

2019/11/27

【あなたは何しに?】アイルトン・セナをモデルとした人気コミック『セニーニャ』原作者、日本のオリンピックに興味深々

 F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある、今回はF1第20戦ブラジルGPで思わぬ対面を果たすことになったセニーニャ(アイルトン・セナをモデルにしたブラジルのコミック)原作者を紹介しよう。
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 F1第20戦ブラジルGPの予選後、パドックでの取材を終えてメディアセンターに帰ろうとしたら、ゲートを出たところで、地元のファンらしき人たちが数名、記念撮影を撮っていた。『アイルトン・セナの没後25年』のネタとして、ちょっと取材してみようと駆け寄り、「日本から来た記者の者ですが、あなた方はセナのファンですか?」と声をかけると、「ああ、そうだよ。ブラジルのセナ・ファンの集まりなんだ」と、その中のひとりのファンが答えてくれた。

 その後、その方はこう続けた。
「この人のこと、知らないの?」

 この人とは、一緒に集合写真を撮っていた中で向かって右から2番目の人のことだ。

 筆者が「???」という様子をしていると、ほかのファンがこう教えてくれた。
「セニーニャは知っている? その作者だよ」

 なんと、この方はセニーニャの原作者のリダウト・ディアス・ジュニオールさんだった!! セナのファンたちが、ここでディアス・ジュニオールさんを見つけ、ディアス・ジュニオールさんを囲んで記念写真を撮っていたというわけだ。

「正確には、考案したのはロジェーリオ・マルティンスで、私が彼のアイディアを元に原画を描いたんだ。1991年にアイルトンの事務所に持ち込み、その後アイルトンがわれわれのプロジェクトの存在を知って、1993年からセニーニャのTシャツなどを着るようになって、多くの人たちに知られるようになったんだ」

セニーニャの原作者、ディアス・ジュニオール
セニーニャの原作者、ディアス・ジュニオール

 突然の出会いに、筆者が少し戸惑っていると、ディアス・ジュニオールさんはこう言葉を続けた。
「ちょっと、そのノートとペンを借りてもいいかな?」

 そこで筆者がノートとペンを差し出すと、ディアス・ジュニオールさんは空いたページにサ、サ、サとペンを走らせていくではないか!! そう、セニーニャを筆者の前で生・描写し始めたのである。

 待つこと1分少々、筆者のノートの中にセニーニャが復活した。そして、ディアス・ジュニオールさんはこう語ってくれた。

「みんなはセニーニャはアイルトン・セナだと思っているようだけど、そうじゃないんだ。セニーニャはいつの日か、アイルトンのように偉大な人間になろうと努力する人の象徴なんだよ」

 ディアス・ジュニオールさんによれば、セニーニャは7歳のキャラクターで、生前アイルトンは「僕は歳をとっても、彼は永遠に7歳だから、いいね」と語っていたという。セニーニャの権利は現在はアイルトン・セナ財団が管理しており、ディアス・ジュニオールさんはもう仕事としては関わっていないが、久しぶりに描いたセニーニャに、こんなセリフをつけてくれた。

「Step on it, Japan!!」(日本へ急いで行かなきゃ!!)

 その理由をこう説明してくれた。

「日本はアイルトンの愛した国。その国で、来年オリンピックが開催される。前回大会がブラジルだったから、セニーニャが次は日本へ行こうとしているんだよ」

 オブリガド、ディアス・ジュニオール!!

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2019/11/26

【あなたは何しに?】セナを敬愛するベッテルが今でも覚えている伝説のレース

 F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。今回は、インテルラゴスでデモ走行したマクラーレンMP4/4の様子を見に来たセバスチャン・ベッテルがアイルトン・セナにまつわる思い出を語った。
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 2019年のF1第20戦ブラジルGPは、ブラジルが生んだ世界的英雄でもあるアイルトン・セナが、1994年のサンマリノGPで事故死してから25年目という節目のグランプリだった。そこで日曜日にA・セナが初めてタイトルを獲得した88年に乗っていたマクラーレンMP4/4を、A・セナの甥であるブルーノ・セナがドライブするというイベントが催された。スタンドに詰めかけた多くのファンは、「Obrigado Senna」(ありがとう、セナ)と書かれたフラッグを振って、天国のセナへ感謝していた。

2019年F1第20戦ブラジルGP 「Obrigado Senna」と書かれたフラッグを振るファンたち
2019年F1第20戦ブラジルGP 「Obrigado Senna」と書かれたフラッグを振るファンたち

 そのイベントに先駆けて、グランプリ開幕前日の木曜日にリハーサルが行われた。最初にステアリングを握ったのがマーティン・ブランドルで、これはおそらくイギリスのテレビ局の取材だったと思われる。

 その後、B・セナがステアリングを握ってインテルラゴスを数周した。すべてのリハーサルを終えて、B・セナが駆るマクラーレンMP4/4が特設テントがある1コーナーのアウト側へ帰っていくと、そこには多くの関係者やメディアたちが待ち構えていた。その中のひとりに、真紅のウェアを着た人物がいた。それは、セバスチャン・ベッテル。セナがドライブした伝説の名車を見にきたのだ。

セバスチャン・ベッテルもマクラーレンMP4/4を見学に訪れていた
セバスチャン・ベッテルもマクラーレンMP4/4を見学に訪れていた

 ルイス・ハミルトンやフェルナンド・アロンソなど、多くのドライバーがセナをヒーローとして愛する中、ベッテルは以前から「僕のヒーローはミハエル・シューマッハー」と公言してきた。しかし、それはベッテルがセナを尊敬していないという意味ではなく、ベッテルがカートを始めたとき、すでにセナがこの世を去り、遠い存在だったからにほかならない。

 ベッテルもまた、セナを敬愛するドライバーのひとりであることは、今年のブラジルGPでは左手首にセナをオマージュしたリストバンドをしていたことでもわかる。そんなベッテルはセナの思い出を次のように語る。

「父がセナのファンで、1991年にセナがブラジルGP初優勝したときのレースをテレビで一緒に見ていたことを覚えている。ギヤが壊れて、それでも走り続けて……優勝した直後に、体が動かなくなって……。あのレースは忘れられない」

 ベッテルは1987年生まれだから、4歳のときだ。

 じつは、ベッテルも2011年のブラジルGPでギヤボックスにトラブルを抱えるという同じような状況に遭遇した。そのレースのことをベッテルは次のように述懐する。

「レースのかなり早い段階でギヤボックスにトラブルが発生した。ピットからの無線でショートシフトでギヤチェンジしていた。それでもレースが進むにつれて、状況はどんどん悪くなっていくし、最後はあらゆる場所をかなり高めのギヤで走っていたよ。そのとき、アイルトンことが頭をよぎった」

 残念ながら、今年のブラジルGPではチームメイトと同士討ちに終わったベッテル。セナも多くの事故を乗り越えて、強くなっていった。最終戦に期待したい。

2019/11/25

ダイムラー新CEOとの会議か、新協定の議論か。メルセデスF1代表がブラジルGPを欠席した理由

 メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、なぜF1第20戦ブラジルGPに帯同しなかったのだろうか? ウォルフは2013年の1月にメルセデスのエグゼクティブディレクターに就任して以来、すべてのF1レースに姿を見せてきた。

 ブラジルGPを前に、ウォルフは「両チャンピオンシップ(ドライバーズとコンストラクターズ)を制覇したので、私としてはヨーロッパで他の懸案事項に注力する時間を増やせる」と述べていた。

 ウォルフがレースに来ないとは、どれだけ重要な懸案事項だったのだろうか。チームの広報によると、その答えは「機密事項」とのことだった。

 ウォルフはどこにいたのか? ひとつの説としては、ウォルフはダイムラーとメルセデス・ベンツの新CEOであるオラ・ケレニウスとの一連のミーティングに他の経営陣とともに参加し、社内におけるF1の将来について議論していたのかもしれない。

 メルセデスが多くのレースで勝利してタイトルを獲得してきたことで、これ以上彼らが勝つと、人々は『またメルセデスの勝ちか』と考えるようになってしまい、また逆に負けると『メルセデスは弱くなった』と捉えられてしまう。

 メルセデスは、新たにフォーミュラEのプログラムや市販車販売における全体的な電動化に重点を置いている。将来的にF1とメルセデスとの関わりはどのようになっていくのだろうか。

 もうひとつは、ウォルフと上層部が新コンコルド協定の条項と提案を慎重に検討しているということだ。新コンコルド協定はF1の競技および経営面における規則を定めており、2021年に導入される。具体的に、リバティ・メディアが提案した商業上の条件は何なのだろうか。

 さらには、メルセデスがF1チームをウォルフもしくはロジャー・ペンスキーに売却しようとしているという噂もある。ペンスキーはインディアナポリス・モータースピードウェイとインディカー・シリーズを買収したばかりだ。ペンスキーにはすでにレース界でやるべきことが十分にあるだろう。

2019/11/25

フェラーリF1「ベッテルとルクレールの間にわだかまりは一切ない」代表の個別協議で同士討ち問題は終息

 フェラーリは、2019年F1第20戦ブラジルGPでセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが同士討ちをした件で、チーム代表がそれぞれと話し合いを行い、問題はすでに終息したと述べている。

 ブラジルGP決勝終盤、ベッテルとルクレールは4番手をめぐるバトルのなかで接触、ともにリタイアを喫した。フェラーリがノーポイントに終わった後、チーム代表マッティア・ビノットは同士討ちを「愚かな行動」と述べ、フェラーリ社ジョン・エルカン会長は「非常に腹を立てている」と発言した。

2019年F1第20戦ブラジルGP決勝 リタイアしたセバスチャン・ベッテルのマシン
2019年F1第20戦ブラジルGP決勝 リタイアしたセバスチャン・ベッテルのマシン

 ビノットはレース後、マラネロのファクトリーで両者を交えて話し合いを行う予定であると示唆していたが、チームによると、“首脳会議”のようなものは行われず、レース後、通常行われているような形で代表とドライバーそれぞれとが一対一で話をしたという。

「先週の日曜以来、マッティアとドライバーたちは、通常どおり、日々、話をしてきました」とフェラーリのスポークスパーソンはBBCに対してコメントした。

「正式な首脳会議やビデオ会議といったものはありませんでした。ですが、すでにわだかまりは一切なく、私たちはアブダビに100パーセント集中しています」

 話し合いの詳細については明かされておらず、今後、ベッテルとルクレールがコース上で自由に戦うことが許されるのかどうかは不明だ。

 ひとつの説として、フェラーリは2020年序盤4戦を終えた段階でナンバーワンドライバーを決めて、その後はチームオーダーを出して彼のタイトル争いをサポートしていくつもりなのではないかともいわれている。

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2019/11/25

SNS特集F1ブラジルGP:ホンダが1-2の快挙をセナに報告。ブルーノがマクラーレンMP4/4でデモ走行

 アイルトン・セナ没後25年のイベントで沸いたインテルラゴス。F1ブラジルGPはホンダの1-2フィニッシュで幕を閉じた。奇しくも決勝日の11月17日は創業者本田宗一郎氏の誕生日。そんな神がかったブラジルGPをドライバーや関係者のSNSで振り返る。
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アイルトン・セナ没後25年の節目を迎えた2019年F1ブラジルGP

初のブラジル訪問となったホンダF1山本雅史MDは、決勝前の日曜日の朝、アイルトン・セナが眠るモルンビー墓地へお参り。気合いを入れて戦いに臨んだ。

そして、ホンダF1はレース後にもセナに勝利の報告を行い、ブラジルを後にした。

2019年のブラジルGPでは、アイルトン・セナ没後25年の節目の年として様々なイベントが行われた。中でもアイルトンの甥ブルーノ・セナと英国F3時代のライバル、マーティン・ブランドルによる1988年のマクラーレンMP4/4・ホンダのデモランはサンパウロのファンへの特別なプレゼントとなった。

31年前にセナが8勝を挙げたホンダ・ターボV6のサウンドがサンパウロに轟く!

ブルーノ・セナ、マーティン・ブランドルのもとへ、マクラーレンMP4/4が気になるセバスチャン・ベッテルも駆けつけた。

今回のブラジルGPで授与されたトロフィーには、アイルトン・セナをモチーフとしたデザインが施されていた。

仏レキップ紙を読むピエール・ガスリー。自身が一面を飾る新聞を読むのはどんな気分だろうか?

エルトン・ジョンとハミルトン。圧倒的なオーラを放つ英国人セレブの貴重な2ショット。活躍の分野は違っても超一流同士に通じる何かがありそうだ。

驚速1.82秒!! レッドブルF1は世界最速ピットストップのレコードを更新し、マックス・フェルスタッペンの今シーズン3勝目を後押しした。

最後尾のP20から面白いようにポジションアップしていくカルロス・サインツJr.のオーバーテイクショー。まるでテレビゲームを見ているかのようだ。

ハミルトンのペナルティによりサインツJr.が繰り上がりで3位。自身初の表彰台がこのような形になってしまったのはちょっと残念だが、チームにとっても久々の順位に名門マクラーレン復活へのいいムードが生まれつつある。

今季3勝目を挙げたフェルスタッペン。彼にとって、1シーズンのなかでの優勝回数では最多にあたる。来シーズンは、長く続いたメルセデスの時代をストップし、タイトルを勝ち取ることができるだろうか?

2019/11/23

【ブログ】こんなレースはそうそうない!?ホンダ1-2に加えテレビに映らなかったあの方も/F1自宅特派員ブラジル編

 2019年F1第20戦ブラジルGPはマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーがワン・ツー!ポールポジションだったフェルスタッペン優勝は予想できましたが、ガスリーの2位はまさかという展開でしたね。ブラジルGPの週末は誕生日ラッシュ?ということもあり2重おめでたい週末でした。

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こんにちは、自宅特派員のホンマです。
みなさん、お元気ですか?

先日、病院にお薬をもらいにいきましたらば「ご一緒に予防注射はいかがですか?」とハッピーセットなお誘いが。
インフルエンザワクチン、大変美味しゅうございました。

……思い返せば今年のはじめに、生まれてはじめてインフルエンザに感染をいたしまして。
これまた生まれてはじめての高熱に「こりゃ死ぬな」と覚悟いたしましたが、無事生還いたしました。
ただ、脳みそは、ちょっと煮えちゃった気がいたしますが。

そういえば、あの日あの時、わたしの隣で「ゲホゲホ」していた、あのおっちゃん。
コナン君じゃなくても、わかります。「犯人は、あなたです」
心から反省していただきたい。

まあでも、おかげさまで今年の冬は、無敵の予感がいたします。
これで、どんだけお外で呑んでも、風邪ひかないぞっと!(※風邪は別カテゴリー)

さてブラジル。
「ブラジルのみなさーん、聞こえますかー!」と足元にむかって声をかけたくなる、地球の裏側GPでございます。

ブラジル、そうブラジル、わたくし、一瞬だけ足を踏み入れたことがあるんですよ、ブラジルに。
正味2時間? チョコレート屋と靴屋に寄っただけなんですが、通り過ぎた街並みは黄色がいっぱいでございました。
はたしてあそこは、ブラジルのなんという街だったんでしょうか……。

ブラジルGPと聞いて、一番に思い出すのは、明智光秀いやちがう、フェリペ・マッサさんの数秒天下。
「チャンピオーン、なしよ」のインパクトを超えるレースは、そうそうないんじゃないかしら?
なんて思っておりましたが、今回のレースは、それを上回るインパクトでございましたよ。

フェルスタッペン、ガスリーのワン・ツー。この結果を誰が予想できただろうか?
フェルスタッペン、ガスリーのワン・ツー。この結果を誰が予想できただろうか?

まさかのホンダ、1-2フィニッシュ!

なんでしょうか、シーズン終盤に突然やってきたこの盛り上がり。
FP1で、マックス・フェルスタッペンさんがコースアウトするもギリギリセーフ、アレクサンダー・アルボンさんは、芝生で滑って赤旗に。

FP2で、ピエール・ガスリーさんがストップし、ダニエル・クビアトさんが、これまた芝生に滑りこんで赤旗に。

牛組は、どんだけブラジルに愛されているのと思っておりましたが、これ今考えると確率変動みたいなものだったのかしら。
結果は、まさに大当たりでございました。

その怒涛のブラジルGP。
予選Q1では、カルロス・サインツJr.さんが、ピットから出れずに終了。決勝最後尾確定に。

Q2では、アントニオ・ジョビナッツィさんがクルリンパ。
黄旗を出して、みなさまのタイムアタックのお邪魔になってしまいました。
そのおかげさまもあってか、ギリギリラインにいらっしゃいました、我らがキミ・ライコネンさんは、Q3に進出です。

Q3のタッペンさんは速かった。ミスしていたのに、あのタイム。

なんでも11月16日はレッドブル代表のクリスチャン・ホーナーさんのお誕生日だったそうで、もらって一番うれしいプレゼントではないですか!
なんというサプライズ上手!

クリスチャン・ホーナーの誕生日をチームでお祝い
クリスチャン・ホーナーの誕生日をチームでお祝い

……だからどうしたという話なんですが、わたくしホンマは11月14日が誕生日でございまして。
ホーナーさんが、さそり座のおとこならば、いいえわたしは、さそり座のおんな (これが言いたかった)。
ちなみに誕生日プレゼントは、海老フライでございました。胸やけプライスレス。

決勝の観客席では、ブラジルのヒーロー、アイルトン・セナさんが讃えられておりまして。
「オブリガード・セナ」のフラッグが振られておりました。

そうか、あのサンマリノの悲劇から、25年もたったんですね。
91年にセナさんがホンダ車でポールを取って、28年たった今、タッペンさんポールを取ってしまいましたよ。
すでにこの時点で、ドラマチックがとまらない。

タッペンさんは、文句なしのナイススタートでございました。
ハミルトンさんは、セバスチャン・ベッテルさんを抜いて2番手に。

我らがキミ・ライコネンさんは、さりげなくロマン・グロージャンさんにはみ出されましたが、8番手に。
5番手のアルボンさんは、4番手のバルテリ・ボッタスさんを突っつきまわしておられますが、あとちょっとなところで抜けず。

ライコさんは、10グリッド降格していたシャルル・ルクレールさんに、あっけなく抜かされてしまいました。
なるほど納得、これがマシンの差でございます。

レース序盤から良い走りを見せていた(はずの)ライコネン
レース序盤から良い走りを見せていた(はずの)ライコネン

その後のライコさんですが、画面に映らず。
結構いい位置にいるのに、画面に映らず。

順位情報だけを頼りに、脳内レースで一喜一憂。
2度のセーフティカーを乗り越え、終わってみれば4位でございました……。

久しぶりのポイントに加えて、上位入賞きたわあ。
前の方たちが消えてしまいましての順位ではございますが、結果は結果。
たとえテレビに映らなくても、元気でいてくれたらそれでいいのだ。
……まあ、たくさん映ったら、もっと嬉しかったけどな!

そして同じく映らなかった仲間のアントニオ・ジョビナッツィさんも、後ろにひっついていての5位でした。ダブル入賞!
1ポイントの配当金がいくらかはわかりませんが、来年の開発費に充てていただきたい。

牛組はすごかった。
タッペンさんはもとより、アルボンさんもすごかった。

ベッテルさんを抜いたときは、鳥肌ものでございました。
最終的にはハミルトンさんに撃沈されてしまったけれども、あれがなければ表彰台だったでしょう。

「こう、アルボンとぶつかっちゃってさ~」と言ってたりする?
「こう、アルボンとぶつかっちゃってさ~」と言ってたりする?

ハミルトンさんも、レース後すぐに「自分が悪い」とコメントしてましたが、それを快く許すアルボンの懐、深すぎです。
タッペンさんの記念撮影にも、とてもよい笑顔で祝われていて、アルボンさんって大物かも。
タッペンさんは、いいチームメイトを持ちましたなぁ。

そしてガスリーさん。
ハミさんに鼻先で勝てたのは、ノーパン軽量化のおかげ、ではなく。
いや本当に、よくぞあの位置にいてくれました。

レース後、2位駐車場への車の停めかたが、おもいっきり雑だったけど、それもご愛敬。
トロロチームのみんなも喜んでいましたね。わたしももらい泣きしてしまいましたよ。

密やかに応援(心配)してきたけれど、報われて本当によかった……。
クビアトさんも10位入賞いたしましたし、これは最終戦も期待してしまいますよ。
また田辺(豊治/ホンダF1テクニカルディレクター)さんに、泣いていただかなくては!

やってしまったフェラーリのおふたり。後日マラネロでお説教
やってしまったフェラーリのおふたり。後日マラネロでお説教

フェラーリ、フェラーリはなぁ……。
ベッテルさんは寄せすぎて、ルクレールさんは避けなさ過ぎ。
そんな個人的感想でございます。

「みんな目を瞑ってー!犯人は手をあげなさいー!」
これまさに、絶対に笑ってはいけない学級会。
そういえば代表のマッティア・ビノットさんって、先生っぽいですな。

アルボンさんとの接触で、レース後に5秒加算の刑に処されたハミルトンさんは、結果7位でございました。
これ、2回目のピットストップが、運命の分かれ道だったんですかねぇ。

1度目にピットインしそこねた失敗を、2度目でリカバろうとするなんて、メルセデスらしくないよなぁ。
あとハミルトンさんが、無線芸人になってきていて心配です。

そのハミルトンさんのペナルティのおかげさまで、サインツさんが3位に浮上!
最後尾スタートで3位! マクラーレンがついに表彰台にきてしまいました。
レッドブル、トロロッソ、そしてマクラーレンの表彰台。

ホンダPUのことを考えると、なんともいえない不思議な気持ちになりますよ。
世間でよく聞く「別れた方が、お互いに幸せ」って、本当にあるんですねぇ。
なんの話だってことで、みなさんお幸せに。

決勝の11月17日は、本田宗一郎さんのお誕生日だったんですね。
やっぱり、すべてが整っていたんだなあと、思わずにはいられません。
ホンダさん、優勝おめでとうございます。

今シーズンも、残すところあと1戦になってしまいました……。
この調子でいくと、アブダビGPは、どこが勝つかわかりませんよ!
最後まで、楽しみましょう!

それではまた。

2019/11/22

2019年F1ブラジルGP | 最年少表彰台記録を更新…23歳8ヶ月23日

2019年のF1ブラジルGPは、F1の史上最年少表彰台記録を更新する結果となった。 F1ブラジルGPでは、マックス・フェルスタッペン(22歳)、ピエール・ガスリー(23歳)、カルロス・サインツ(25歳)が表彰台を獲得。ガスリーとサインツにとってF1初表彰台となった。 ... 続きを読む
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2019/11/22

同士討ちに批判相次ぐも、フェラーリF1代表は「ドライバーにレースをさせることが正解だった」と主張

 フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、F1第21戦ブラジルGPの決勝レースでセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが接触し、2台揃ってレースをリタイアしたことについて、今回のような状況ではドライバーにレースをさせることが正解であったと考えている。

 ベッテルとルクレールは、これまでもチームオーダーに関して対立していた。そしてF1第21戦ブラジルGPの決勝レースでは、彼らは4番手と5番手を走行中に軽く接触。これにより、あと6周を残すところで2台ともレースをリタイアすることになった。

 元フェラーリのF1ドライバーであるルーベンス・バリチェロは、「これはふたりのドライバーの間に誤解があったためで、フェラーリにとっては残念な1日だった」と『Bild』紙に語った。

 レース終了直後、ビノットは明らかに今回の出来事について激怒し、また当惑していた。なおビノットは、今週マラネロでこの状況について議論するための会議に参加することを、ドライバーたちに命じた。

「我々はチームの利益のために全力でプッシュできる限界はどこにあるのかを話し合いのうえで決定し、このようなことを2度と繰り返さないようにする必要がある」とビノットは説明した。

「我々のドライバーたちは非常に落胆しており、チーム全体のことを考えて申し訳なく思っている。小さな接触だったが、重大な結果を生み出したのだ」

2019年F1第20戦ブラジルGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)と接触しリタイア
2019年F1第20戦ブラジルGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)と接触しリタイア

 ビノットは、ブラジルGPではドライバーたちは互いに競い合うことが許されており、これまでのシーズンにあったチームオーダーの問題ではないと主張した。

「今シーズン、我々はドライバーを管理しようとすると批判されてきた。そしてドライバーが自由に戦える時も、我々は(そのせいで)批判されるのかもしれない」

「今日はドライバーにレースをさせるのが正解だったということは確かだ。なぜなら(すでに)我々はコンストラクターズ選手権2位の座を確保しているからだ」

「(そうであっても)このようなことは決して起こるべきではない」

■「長くチームに在籍しているビノットなら、ドライバーと話ができる」

 元F1ドライバーのデビット・クルサードは、このようにチーム内で問題が繰り返されるせいで、フェラーリのタイトル獲得は遠のいてしまっているが、こうした状況を収めるのにビノットは適任であると弁護した。

「マッティアは強靭な性格の持ち主であり、フェラーリに十分長く在籍していることから、彼らを座らせて『君たち、このことは受け入れられない』といった話ができるだろう」とクルサードは『Channel 4』に語った。

 以前マクラーレンとレッドブルでレースをしたクルサードによれば、インシデントをただ無視して先へ進むなどということはあり得ないという。

「彼らは握手をすることになるだろう。だが彼らのキャリアはともかく、人生の異なる段階にいる、ふたりの異なる人間に対処することになる」

「シャルルは、21歳の自分が何をわかっていないのかということに気が付いていないだろう。彼にはセブ(ベッテルの愛称)ほどの人生経験がない。彼は『分かった、もうああいうポジションにつけることはしないよ』という感じだろう」

「そしてセブは、自分に残されている時間が少ないことを分かっている。フェラーリでタイトルを取れるような十分な時間が彼のキャリアに残されているだろうか?」

「それは微妙な問題だが、事実は事実だ。事実を否定することはできない。さもなければ関係がすべて終わってしまう」

 『Sky Deutschland』のコメンテーターのサシャ・ルースは、ブラジルでのインシデントによって、ビノットは来シーズンに向け厳しいチームオーダーの線引きをすることになるだろうと推測している。

 ルースは、「彼らは検討の上、期限を設定するだろうと思う。たとえばだが、シーズン最初の4戦が終わったら、彼らはナンバーワンドライバーがどちらなのかを決断すべきだろう」と示唆した。

2019/11/22

レッドブルF1代表「ホンダはあらゆる面で期待を上回っている」提携初シーズンは大成功と喜ぶ

 レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、2019年からスタートしたホンダF1とのパートナーシップは予想以上にうまくいっており、非常に満足できる初シーズンであると語った。

 2018年までレッドブルはルノーのパワーユニット(PU/エンジン)を搭載していたが、2019年からホンダにスイッチすることを決めた。ホンダは2015年からマクラーレンと提携していたものの、2017年末で契約を終了。2018年からレッドブルの姉妹チーム、トロロッソにパワーユニットを供給、今シーズンはレッドブルとあわせて2チームと契約を結んでいる。

 レッドブル・ホンダは2019年開幕戦オーストラリアでマックス・フェルスタッペンにより3位表彰台を獲得、第9戦オーストリアGPで今季初優勝、続いてドイツGP、ブラジルGPでも勝利を飾った。

 ブラジルGPの週末、ホーナーはホンダとの関係は予想以上にうまくいっているといえるのではないかと聞かれ「多くの点でそのとおりだと思う」と答えたと、formula1.comが伝えた。

2019年F1第20戦ブラジルGP 表彰台
2019年F1第20戦ブラジルGP 表彰台に上がったマックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、ルイス・ハミルトン

「なぜホンダにスイッチしたのかと問いかける声は多かった。だが、我々は開幕戦で早くも表彰台を獲得した。去年の同時期よりも多くのポイントを稼いでいる。全体的に信頼性が高く、パフォーマンスもどんどん向上している」

「シャシーサイドでは、フロントウイングのレギュレーション変更に思っていたよりも大きな影響を受けた。だがホンダはあらゆるエリアにおいて、我々の期待を超えている。このパートナーシップは非常にポジティブなスタートを切ったといえるだろう」

2019年F1第20戦ブラジルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポールポジションを獲得
2019年F1第20戦ブラジルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポールポジションを獲得

 レッドブル・ホンダは第20戦終了時点で391点を獲得、メルセデス、フェラーリに続くコンストラクターズ3位が確定している。ホーナーはF1レギュレーションに大きな変化がない2020年には、今季の好調を維持してさらに向上を図ることができると考えている。

「エンジンを導入するたびに進歩がなされてきた。それを確認できたのは素晴らしいことだ。優れた信頼性が発揮された」とホーナーは言う。

「今年は新しいパートナーシップの最初の年であり、移行期としてとらえていた。しかし一年を通して勢いが増してきたと感じる」

「2020年はあらゆる分野においてレギュレーションに大きな変化がないので、今季RB15のポジティブな勢いを、2020年型RB16につなげていきたいと考えている」

2019/11/21

【F1ブラジルGP無線レビュー】最大限の性能を引き出したフェルスタッペンが雪辱を果たす「最高の結果になったよ!」

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今シーズン3勝目を飾ったF1第21戦ブラジルGP。好スタートを決めて後方を引き離していったが、レースが進むにつれてルイス・ハミルトン(メルセデス)とのバトルが激しくなっていった。緊迫の優勝争いを無線とともに振り返る。

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 ポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、ブラジルGP決勝のスタートも確実に決めてホールショットを奪い、みるみる後方を引き離していった。後方ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が好加速でセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を抜いて2位に上がっている。

レッドブル:後ろはハミルトンになった。モード7、ギャップ1.2

 ハミルトンもレース序盤からコース上で仕掛けることはせず、タイヤをいたわるために2秒程度のギャップを広げて走りつづける。

レッドブル:OK、ギャップは安定してきた

2019年F1第20戦ブラジルGP決勝日 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第20戦ブラジルGP決勝日 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 メルセデスAMGよりもタイヤに厳しいレッドブルは、インテルラゴスのインフィールドセクションでリヤタイヤのケアに気をつけるよう慎重にフェルスタッペンにアドバイスを送る。

レッドブル:ギャップ2.5、ハミルトン13.6。左右リヤタイヤ、特に右リヤが上がり始めている。マネージしろ

 フロントタイヤのピックアップ(タイヤカスが付着すること)を報告していたフェルスタッペンだったが、20周目を迎える頃にはリヤタイヤのグリップも低下してきていた。

レッドブル:リヤタイヤがトリッキーだ

 その影響はラップタイムにも表われ、背後を走るハミルトンの目にも明らかだった。

 コース上での追い抜きではなくピットストップで先手を打ってアンダーカットを狙うハミルトンは、早くピットインを仕掛けようとはやる気持ちをチームに訴えかける。

ハミルトン:このショットを逃しちゃダメだ!

 20周目にハミルトンがピットに飛び込み、フェルスタッペンは翌周カバー。計算上はリードを保ったままコースに戻ることができるはずだったが、ピット出口でウイリアムズに阻まれてしまい、この間にハミルトンの先行を許してしまった。

 しかしここが勝負所と判断したフェルスタッペンはフルプッシュでハミルトンを追い、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に引っかかってロスしたハミルトンを次のメインストレートでとらえ、DRSとトウを使って抜き去った。

 ハミルトンはアンダーカットを成功させるためにインラップとアウトラップでバッテリーを使い切っており、1周後のメインストレートではディプロイメント切れを起こしていたため、為す術なく抜かれてしまった。ハミルトンはフェルスタッペンが背後から迫る状況を詳細に伝えなかったチームに対して不満をぶちまけた。

ハミルトン:カモン! どうして教えてくれなかったんだ! 僕のバッテリーは死んでいたんだ!

 一方のレッドブルはハミルトンが逆襲を仕掛けて来てもさらに車体とパワーユニットの両面でブーストをかけることができる余裕を持っていた。

レッドブル:OK、必要な時はブーストボタンとオーバーテイクボタンを使っても良いぞ。ベッテルはピットピンしてミディアムに換えた。ハミルトンはソフトで2ストップだ

 一方のハミルトンはソフトタイヤに苦しんでいた。ミディアムの方が耐久性が高く攻めやすい。

ハミルトン:このタイヤは間違いだよ、ミディアムにすべきだった

 フェルスタッペンも最終セクターで左フロントタイヤ内側にピックアップの症状が出ると訴えるが、ハミルトンに対してギャップはしっかりと維持している。

 またしてもアンダーカットを仕掛けたいハミルトンはチームに対して早くピットストップをすべく訴えかける。

ハミルトン:このタイヤはXXXだ。何を待ってるんだ!? 僕はもう充分近付いているぞ!

2019年F1第20戦ブラジルGP セーフティカー中のピットインで4番手まで順位を落としてしまったルイス・ハミルトン
2019年F1第20戦ブラジルGP セーフティカー中のピットインで4番手まで順位を落としてしまったルイス・ハミルトン

 43周目にハミルトンがピットインし、翌周にフェルスタッペンが反応してリードを確保。

 ハミルトンは安心して攻められるミディアムタイヤでフェルスタッペン追撃に転じるしかなくなった。

フェルスタッペン:このタイヤ(ミディアム)の方が良い?

レッドブル:そうだ、だからハミルトンはこのタイヤでプッシュしてくるぞ

フェルスタッペン:彼が直ぐ後ろに来たら教えてくれ

レッドブル:了解。セクター2はもっとタイヤをケアしろ

 フェルスタッペンが気にするように、ハミルトンはじわじわとギャップを縮めていく。

ハミルトン:もっとパワーをくれ!

 フェルスタッペンも後ろにひたひたと迫るハミルトンのプレッシャーを感じていた。ハミルトンがDRSを使える範囲まで入ったかどうかを知らせてくれとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーズにしきりに聞く。

レッドブル:ギャップ1.1

フェルスタッペン:彼がDRS圏内かどうかを常に教えてくれ

レッドブル:(バルテリ)ボッタスがターン3〜4に止まってダブルイエローだ

フェルスタッペン:彼はDRSがある? ない?

レッドブル:ギャップは1.2だ

 いよいよハミルトンがDRS圏内に入りバトルを仕掛けようかという矢先の53周目、バルテリ・ボッタスのマシンが白煙を上げて自動的にカットオフし、コースサイドに止まった。これでセーフティカーが導入されることとなった。

 ここでピットインしてソフトタイヤに交換するか否か。

 レッドブルは一旦はトラックポジションを失うリスクを負ってでも交換し、再びコース上で逆転する攻めの戦略を選んだ。

メルセデス:BOX、BOX。フェルスタッペンと逆の戦略で

 メルセデスAMGも同じくソフトに交換する攻めの戦略を選ぼうとしたが、フェルスタッペンとは異なる戦略を選ばざるを得ず、ハミルトンはステイアウトしてミディアムタイヤのままトラックポジションをキープすることに優勝の可能性を賭けた。同じ戦略では抜けず、勝てないからだ。

ハミルトン:彼はどのタイヤを履いた?

メルセデス:ソフトだ

ハミルトン:パワーをくれるのか?

メルセデス:ストラット5、これが今与えられる全てだ

ハミルトン:これじゃカモだ、このタイヤでどうやってポジションを守れば良いんだ

 それに対しレッドブルは車体面もパワーユニット面も最大限にパフォーマンスを引き出してハミルトンに対するオーバーテイクに備える。ミディアムとソフトのタイヤ差もある。

レッドブル:ブーストオン、オーバーテイクボタンも使え

フェルスタッペン:これが今の最大限のパワー?

レッドブル:イエス。オーバーテイクボタンを押し続けろ

 ハミルトンの言葉通り、フェルスタッペンはリスタート直後に襲いかかり一撃で抜き去った。

2019年F1第20戦ブラジルGP ポジションを争うアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)
2019年F1第20戦ブラジルGP ポジションを争うアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

レッドブル:よくやった! モード7。ギャップは1.4。このまま最後まで行け。燃料は大丈夫だ、あとは君に任せる。ギャップは広がっているからリフト&コーストはこのまま続けろ

 すると66周目にフェラーリ勢が同士討ちを演じ、コース上にデブリをまき散らしたために再びセーフティカー出動。

 メルセデスAMGはピットインするかどうか、そこから抜き返せるかどうかのギリギリの判断をハミルトン自身に委ねた。

メルセデス:新品タイヤに換えてポジションを1つ失うかどうか。残り5周だ、どうする?

ハミルトン:そっちで決めてくれよ……入る、入るよ!

 ただし計算外だったのは、1回目のセーフティカーで周回遅れを挽回していたピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)まで前に出られてしまったことだった。

メルセデス:前はガスリー

ハミルトン:もう周回遅れを前に出させる必要はないよ!

メルセデス:違う、前のクルマと戦っている。SCはデブリのためだ。元のポジションに戻るためには2台抜く必要がある

ハミルトン:クソッ、もう1周か!

 ハミルトンはリスタートと同時にガスリーを抜いて3番手に上がったが、挽回を焦るあまり残り2周の時点でアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)に接触してしまい、アルボンの初表彰台を奪い去った。そして彼自身もガスリーを抜ききれず3位フィニッシュとなった上に5秒加算ペナルティを受けて7位に降格となった。レッドブル・ホンダの強さに対して完敗だった。

ハミルトン:みんな、すまない。これがこのマシンのすべてだ、これ以上は何も残っていない。マシンが良くなったのは確かだよ、でもまだプッシュする必要がある

 そして周回遅れとの接触で優勝を逃した昨年のブラジルGPの雪辱を果たしたフェルスタッペンは久々の勝利に酔いしれた。

レッドブル:優勝だ、完璧にレースを支配してみせたな! マジックだ、最高だ

フェルスタッペン:ハハハ、なんてレースだ! 最高だよ

クリスチャン・ホーナー:おめでとうマックス、まさに去年の借りを返したな! 最高のレースだったよ

フェルスタッペン:まさにその通りだね、そのために戦ったけどそれ以上に最高の結果になったよ。みんなありがとう

2019年F1第20戦ブラジルGP 左から田辺豊治F1テクニカルディレクター、山本雅史F1マネージングディレクター、マックス・フェルスタッペン、クリスチャン・ホーナー代表
2019年F1第20戦ブラジルGP 左から田辺豊治F1テクニカルディレクター、山本雅史F1マネージングディレクター、マックス・フェルスタッペン、クリスチャン・ホーナー代表

2019年F1第20戦ブラジルGP 優勝したマックス・フェルスタッペン、2位のピエール・ガスリー
2019年F1第20戦ブラジルGP 優勝したマックス・フェルスタッペン、2位のピエール・ガスリー
2019年F1第20戦ブラジルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)
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2019/11/21

バルテリ・ボッタスのストップになぜセーフティカーが必要だったのか?

F1ブラジルGPのバルテリ・ボッタスのストップによってセーフティカーが導入されたことにはいくつかのチームが驚いたと語っているが、FIレースディレクターを務めるマイケル・マシは、ボッタスのマシンがバンプにスタックしていたため、回収のために必要だったと説明... 続きを読む

2019/11/21

バルテリ・ボッタスのストップになぜセーフティカーが必要だったのか?

F1ブラジルGPのバルテリ・ボッタスのストップによってセーフティカーが導入されたことにはいくつかのチームが驚いたと語っているが、FIレースディレクターを務めるマイケル・マシは、ボッタスのマシンがバンプにスタックしていたため、回収のために必要だったと説明... 続きを読む

2019/11/21

オコンがアブダビテストからF1に復帰へ。ルノーへの正式加入日が決定

 ルノーF1チームは、2020年のレースドライバーとして契約したエステバン・オコンが、2019年F1最終戦アブダビGPの翌日、チームに正式に加入することを発表した。

 メルセデスの育成プログラムのメンバーだったオコンは、2016年第13戦ベルギーGPでマノーからF1デビュー、2017年、2018年はフォース・インディア/レーシングポイントで走った。しかし2019年はシートを失い、メルセデスのリザーブドライバーを務めていた。

 F1復帰の道を探っていたオコンだが、8月に2020年に向けルノーと2年契約を結び、ニコ・ヒュルケンベルグに代わり、ダニエル・リカルドのチームメイトを務めることが決まった。

 アブダビGPを前にルノーは、最終戦の翌日12月2日にオコンがチームに正式に加入し、3日と4日に開催される合同テストで、2日間にわたってルノーのマシンを走らせることを明らかにした。

2019年F1第17戦日本GP ニコ・ヒュルケンベルグとダニエル・リカルド(ルノー)
オコンの加入により、ヒュルケンベルグは2019年でルノーを離脱することが決まっている

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2019/11/21

メルセデス・ストラテジスト インタビュー:「確実に2位を狙ったはずが余計なリスクを冒してしまった」/F1ブラジルGP

 2019年F1第20戦ブラジルGP決勝のレース終盤、フェラーリの同士討ちによるセーフティカー出動で2番手だったルイス・ハミルトン(メルセデス)がピットイン。セーフティカーが明けると残り2周のうちに前方を走る3番手ピエール・ガスリーと2番手アレクサンダー・アルボンをオーバーテイクする必要に迫られていた。そのときの戦略についてメルセデスのチーフ・レースストラテジストを務めるジェームス・バレスに話を聞いた。
———————–

──最初のセーフティカー導入時に先頭を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はピットインしましたが、ルイス・ハミルトン(メルセデス)はピットインしませんでした。
バレス:
我々にもピットインするという選択肢をもっていたが、マックスと同じように我々もピットインすれば、逆転はできない。だから、ピットインしてもいいが、もしマックスがピットインしたら、ステイアウトしろという指示をルイスに送ったんだ。

──しかし、セーフティカー明け直後に、フェルスタッペンにあっさりとオーバーテイクを許してしまいました。
バレス:
我々は最初のセーフティカー導入時の時点でルイスのタイヤの状況を正確に判断できていなかった。レースが再開されると、ルイスはソフトタイヤを履いたライバルたちに対して、明らかにタイヤのグリップを得るのに苦しみ出したので、セーフティカーウインドウを確認していた。

──そのとき(66周目)、フェラーリの2台が接触して、コース上にデブリが落ちてセーフティカーが出動しました。セーフティカー中のピットストップロスは約11秒。前の周の65周目にハミルトンと(ピエール・)ガスリーの差は9秒しかありませんでした。
バレス:
我々は完全に間違った選択を行ってしまった。我々はポジションはひとつだけしか落ちないと判断していた。ならば、レース再開後に失ったポジション(アレクサンダー・アルボンの2位)は奪い返せると判断した。ところが、実際には2つポジションを落として、ガスリーの後ろに回ってしまった。

──さらに、コース上のデブリの回収が想定よりも時間がかかった。
バレス:
ああ、残り2周で2台を抜くために、ルイスに余計なプレッシャーを与えてしまった。

──そもそもですが、66周目のピットインは、逆転優勝を狙ったものだったのでしょうか。
バレス:
いや、2番手だったルイスを確実に2位でフィニッシュさせるために採った戦略だった。しかし、それならば、あのようなリスクは冒すべきではなかった。なぜなら、リスクを冒しても同じポジションにしか戻れないのなら、ステイアウトさせたほうが良かったからだ。そうしていれば、ルイスが5秒加算のペナルティを受けて、7位に終わることもなかっただろう……。

──つまり、ブラジルGPではどのような戦略を採ったとしても、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンには敵わなかった?
バレス:
残念ながら、その通りだ。インテルラゴスでホンダ・パワーは強力だった。それは高地によるアドバンテージもあるのだろうが、それだけがすべてではない。そのことは、レッドブルだけでなく、ホンダPUを搭載するトロロッソもトップ3に入り、一時ホンダ・ユーザーがワン・ツー・スリーを独占していたことでもわかる。ホンダはものすごくいい仕事をした。ワン・ツー・フィニッシュは。その正当な報酬だ。

2019/11/21

FIA、不正疑惑騒動収束のためフェラーリF1の燃料システムを調査へ。3台のパーツを押収との報道

 FIAがF1第20戦ブラジルGPで、フェラーリSF90を含む3台の燃料システムのパーツを差し押さえたとドイツのAuto Motor und Sport誌が伝えた。同誌は、合法かどうかライバルたちから疑問を持たれてきたフェラーリのシステムを詳細に調べることが目的であると考えている。

 サマーブレイク後に圧倒的速さを示すようになったフェラーリに対し、ライバルたちは疑いの目を向けてきた。レッドブルは燃料流量についての規則の解釈についてFIAに問い合わせを行い、それを受けてアメリカGP予選前に、FIAは技術指令書を通して、指摘されたシナリオは規則違反であると明言した。

 FIAはブラジルGP前に再度技術指令書を発行、エンジン冷却システムの可燃性液体を燃焼に用いることは許されないと強調した。

 フェラーリは、最初の技術指令書が発行された後、ポールポジションも優勝も獲得しておらず、圧倒的速さが鳴りを潜めている。技術指令書を受けて変更を行ったためであるという見方も一部でなされているが、フェラーリ陣営はこれを否定し、不正を行ったという事実はないと強く主張している。

2019年F1第20戦ブラジルGP予選日 シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2019年F1第20戦ブラジルGP予選日 シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 レッドブルもメルセデスもこの件について行動を起こす予定は現時点ではないと述べており、FIAに対して新たな問い合わせも抗議もなされていない。しかしFIAは状況を明確にし、事態の収束を図るため、ブラジルGP後、フェラーリSF90、フェラーリのパワーユニット(PU/エンジン)搭載車、フェラーリ以外のパワーユニット搭載車の3台の燃料システムを押収したと、Auto Motor und Sportは報じている。FIAは自身の研究室でこれらのパーツを比較し調査を行い、何か問題があった場合には最終戦アブダビまでに発表するのではないかと考えられている。

2019/11/20

ロス・ブラウン、古巣フェラーリの同士討ちに「ドライバーはハミルトンのようにミスを認めるべき」

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、フェラーリのドライバーはミスを認め、過ちの責任をとるというルイス・ハミルトンの模範的行動に倣うべきだと考えている。

 F1第20戦ブラジルGPの決勝レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルは接触してしまった。同時にふたりともレースからリタイアすることになり、チームは多くのポイントを獲り逃した。

 その場の勢いで、ルクレールとベッテルは接触の責任を相手になすりつけた。一方フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは今回の接触を『ばかげたミス』だとして、非公開の話し合いのため両者を今週マラネロに呼び出すことにしている。

 決勝レース後、ブラウンは「チームメイトがお互いをレースから引きずり下ろすのは決して良いことではない。それは重要なリザルトが期待できないときですらそうだ。今回のケースでは、彼らは(ブラジルGPの)最高位として3位を望めるはずだった」と述べた。

「サマーブレイク後の数レースでは緊張が高まったが、その後フェラーリ内ではすべてが落ち着いたように見えていた」

「しかし今、マッティア・ビノットは物事を軌道に戻すという難しい課題に直面しており、実際に彼はレース後のインタビューのなかでそう話していた」

「彼はドライバーたちに対して、彼らの責任に向き合うよう説得しなければならない。マラネロでは常に個人の利益の前にチームの利益を優先するものだが、今回のレースではそうではなかった」

 またブラウンは、ベッテルとルクレールがミスをどのように扱うかについて、ハミルトンを見習うべきだと提案した。ハミルトンは、レース終盤にアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)をスピンさせてポイント圏外に押しやるというインシデントに関与していた。

 しかしハミルトンは即座に自身の失態を認識し、アルボンに謝罪するのを忘れなかった。

「接触に関して、誰に一番責任があるのかについて意見を言う気はない。だが現実的に考えてみると、アルボンとのクラッシュでハミルトンがそうしたように、彼ら(ルクレールとベッテル)のうちのひとりがハミルトンの模範的行動に倣って即座に過失を認めたら良かったのかもしれない」とブラウンは語った。

「フェラーリが本当にメルセデス優位な状況に終止符を打ちたいのであれば、2020年にドライバーたちにもっと競争力の高いマシンを提供するだけでなく、確実に今回のようなインシデントが繰り返されないようにするべきだ」

「F1はチームスポーツであり、特にマラネロではそうなのだ」

2019年F1第20戦ブラジルGP決勝 リタイアしたセバスチャン・ベッテルのマシン
2019年F1第20戦ブラジルGP決勝 リタイアしたセバスチャン・ベッテルのマシン

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2019/11/20

マクラーレンF1、サインツの3位で2019年選手権4位が確定「いずれ純粋なパフォーマンスで表彰台をつかむ」と代表

 マクラーレンF1チームは、2019年第20戦ブラジルGPでコンストラクターズ選手権4位を確定させた。カルロス・サインツJr.が3位を獲得したことで、5位ルノーとの差を49点に拡大することに成功したのだ。

 予選でのトラブルにより最後尾20番グリッドからスタートしたサインツは4位でフィニッシュ。しかし3位のルイス・ハミルトンがペナルティにより降格されたことで、3位に繰り上がった。

 しかしレース後、スチュワードは、サインツがイエローフラッグ時にDRSを使用した件についても調査していた。イエローフラッグ無視の疑いではサインツを含む複数のドライバーが調査対象になっていたが、結局スチュワードは違反行為にはあたらないと判断し、ペナルティは科さなかった。そのため、サインツは3位に昇格し、自身初の表彰台を獲得した。

2019年F1ブラジルGP マクラーレンのカルロス・サインツJr.が3位表彰台を獲得
2019年F1ブラジルGP マクラーレンのカルロス・サインツJr.が3位表彰台を獲得

 マクラーレンF1チームは2014年オーストラリアGP以来の表彰台を実現、ランド・ノリスの8位と合わせて19点を獲得したことで、2019年コンストラクターズ選手権4位を確定させた。

 マクラーレンは2013年と2014年にはランキング5位、2015年は9位、2016年は6位、2017年は9位、2018年は6位と低迷してきた。4位はここ7年のなかで最高の結果ということになる。

「マクラーレンはコンストラクターズ選手権4位を獲得し、2014年以来の表彰台を達成した。カルロスにとってはF1キャリア初の表彰台だった」とチーム代表アンドレアス・ザイドルは語った。

「チーム全体にとって最高の結果を出すことができた。この表彰台を含む今年の成果は、我々にとってこれ以上ないほど大きなモチベーションとなる。将来、純粋なパフォーマンスにより再び表彰台をつかむため、今後も努力し続ける」

2019/11/20

トロロッソF1・チーフエンジニア インタビュー:「こんな雰囲気でレースをするのは初めて。ホンダが我々を成長させてくれた」

 2019年F1第20戦ブラジルGP決勝でトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが力走の末、2位表彰台を獲得。ラスト2周の攻防、そして2018年からタッグを組むホンダについてトロロッソのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズにインタビューした。

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2019年F1第20戦ブラジルGP ジョナサン・エドルズ(トロロッソ/チーフ・レースエンジニア)
2019年F1第20戦ブラジルGP ジョナサン・エドルズ(トロロッソ/チーフ・レースエンジニア)

──素晴らしい2位表彰台です。
エドルズ:
ありがとう。金曜日からマシンは速かったから、いいレースはできると思っていたけど、まさか表彰台に上がるとは思ってもいなかった。トロロッソは昨年まで表彰台は1回(2008年イタリアGP/セバスチャン・ベッテル優勝)しか経験していなかったのに、今年はすでに2回も上がった。最高の気分だ。

──しかも最後は、手に汗握るルイス・ハミルトン(メルセデス)とのバトルを制しての2位。ファイナルラップのバトルの話をする前に、2回目のセーフティカーが導入されて、ハミルトンがピットインしたとき、ピエール・ガスリーのポジションが1つ上がって、3番手になりました。あのときは、何かに何でもハミルトンを押さえて、表彰台を狙いに行ったのですか。
エドルズ:
いや、あのときはピットインしたハミルトンが交換したばかりのタイヤで真後ろにいて、ピエールは約20周走ったタイヤで再スタートしなければならなかったから、無理な戦いは挑まず、きちんとゴールまでクルマを持って帰ることを指示した。

 あそこまで行ったら、確かに表彰台に上がりたい気持ちはあった。でも、我々のようなチームにとっては、4位でも素晴らしい結果だ。コンストラクターズ選手権のことを考えても、『3位かリタイア』よりも『確実に4位』のほうが重要だった。

──それで残り2周となったところでの再スタートで、あっさりハミルトンにオーバーテイクされたわけですね。しかし、その周のヘアピンでハミルトンがアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)に突っ込み、ガスリーが2台の横をすり抜けて、2番手に浮上しました。
エドルズ:
オー・マイ・ゴッドって叫んだよ。でも、ハミルトンがすぐに発進して3番手でレースを再開したから、チクショーという感じだった。だって、向こうのほうがタイヤのグリップが明らかに良く、ファイナルラップのインフィールドセクションで追いつかれるのは目に見えていた。

──そして、ファイナルラップの12コーナーを過ぎたところからコントロールラインまで、あのサイド・バイ・サイドのバトルが演じられた。あのとき、ガスリーはオーバーテイクボタンを使ったのですか。
エドルズ:
ホンダからは可能な限りのパワーを使わせてもらった。それから、あの場面で我々に運があったのは、セーフティカーが解除されたばかりだったため、DRSが使用不可となっていたことだ。だから、あのサイド・バイ・サイドのバトルはメルセデスとのガチンコ勝負。それに我々は勝った。

■古巣に戻ったピエール・ガスリーのさらなる成長を期待

──波乱に助けられた面もありましたが、今日のレースでは常にトップ3チームの直後のポジションにガスリーがいたことも、運を味方につけられた要因でしたね。
エドルズ:
そうだね。今日のトロロッソ・ホンダとピエールは、第2集団の先頭を常に走り続けるスピードがあった。レース前、我々は1ストップも視野に入れた2ストップ作戦を選択した。

 だから、ソフトタイヤでスタートした後、1回目のピットストップでミディアムを選択した。レースが後半に入ったところで、1ストップは断念し、2回目のピットストップを行い、ソフトタイヤに履き替えて、チェッカーフラッグを目指した。その作戦が結果的にレース終盤に訪れたセーフティカー導入でこちらに味方した。再スタートでは、できればソフトタイヤを履いていたいからね。

──古巣に戻ってきたガスリーの表彰台は格別ですね。
エドルズ:
彼は2019年シーズンにいろんなことがあったと思う。そんな彼が表彰台で喜ぶ姿を見ることができて、我々も幸せな気分だ。この表彰台が彼にとって今後の自信につながり、さらなる成長へつながることを期待している。

──第11戦ドイツGPに続いて、ホンダ・ユーザーが2台、表彰台に上がりました。
エドルズ:
過去にホンダが苦しい時間を経験していたことは、我々も知っている。そのホンダと我々は2018年に手を組んだ。それはホンダにとって再出発する良い経験となっただけでなく、我々のようなプライベートチームにとっても、素晴らしい経験となった。

 ホンダの仕事ぶりは常に真摯で我々も多くのことを彼らから学んだ。ホンダが我々を成長させてくれたんだ。今年のチームはこれまでになく、モチベーションが高い。こんな雰囲気でレースしているのは、私がこのチームに入ってきてから、初めてのことだ。

──これでコンストラクターズ選手権で19点を加え、83点とし、5位のルノー(91点)と8点差です。最終戦で逆転もあります。
エドルズ:
ハハハ(笑)。まずはレーシング・ポイント(67点)の前で確実にフィニッシュすること。いまはまだきちんと計算ができていないから、ルノーを逆転するのに、あと何点必要かわからないが、チャンスがある限り、ひとつでも上のポジションを狙うよ。今日、ピエールが見せたレースのようにね。

2019年F1第20戦ブラジルGP ピエール・ガスリーの2位に喜ぶホンダ山本雅史F1マネージングディレクターとトロロッソのフランツ・トスト代表
2019年F1第20戦ブラジルGP ピエール・ガスリーの2位に喜ぶホンダ山本雅史F1マネージングディレクター、ジョナサン・エドルズ、フランツ・トスト代表

2000年代にホンダ・チームで仕事していた経験があるチームマネージャーのグラハム・ワトソン(左)も感慨無量
2000年代にホンダ・チームで仕事していた経験があるチームマネージャーのグラハム・ワトソン(左)も感慨無量

2019年F1第20戦ブラジルGP 表彰台の下にはレッドブルとトロロッソのスタッフが入り乱れるように集まっていた
2019年F1第20戦ブラジルGP 表彰台の下にはレッドブルとトロロッソのスタッフが入り乱れるように集まっていた

2019/11/20

F1ボス、フェルスタッペンのリスタート時の戦術を称賛「レースを大いに盛り上げた。新規則策定へのヒントにもなる」

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターのロス・ブラウンは、2019年第20戦ブラジルGPで、セーフティカー後のリスタートで見せたマックス・フェルスタッペンの戦術に感銘を受けたと語った。レースの質を向上させるための規則変更を行う上で、ひとつのヒントになったともブラウンは述べている。

 2019年にリスタート規則が変更され、ドライバーたちはセーフティカーライン1ではなく、スタート/フィニッシュラインからレースを再開することになった。

 ブラジルGP決勝残り2周というところで、2回目のリスタートが行われた。この時トップに立っていたフェルスタッペンは、スタート/フィニッシュライン直前に低速で走行、後方集団を追いつかせ、減速させる形にして、メインストレートに向かった。それによって後方のマシンにスリップストリームを使わせるのを防いだのだ。

 そのやり方が奏功し、フェルスタッペンはリードを守り、今季3勝目を獲得した。ブラウンは、マシン同士を接近させた状態でバトルを始めさせることがエキサイティングな展開につながるとして、そういった状況を作り出すような規則を取り入れることを検討したいと語った。

2019年F1第20戦ブラジルGP セーフティカー出動時に先頭を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第20戦ブラジルGP セーフティカー出動時に先頭を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「彼(フェルスタッペン)の2回目のリスタートは非常に素晴らしかった」とブラウンはレース後のコラムに記している。

「彼は後方集団を減速させ、スリップストリームを使って自分を追い抜くことを阻止し、勝利をつかんだ」

「エキサイティングな素晴らしいリスタートだった。これについては慎重に分析していく。グリーンフラッグまでの数秒に各車が連なって走ることで、ドライバーたちが激しくポジションを奪い合い、スリリングが場面が展開される。ほんのわずかなアドバンテージが大きくものを言うことになるのだ」

「将来、そういった状況を手順によって作り上げる可能性を検討することは興味深いことであり、次なる時代において研究すべきコンセプトである」

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2019/11/19

メルセデスF1、ブラジルGPでの戦略ミスを悔やむ「ハミルトンをピットインさせたのは間違いだった」

 メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、第20戦ブラジルGPの終盤、セーフティカー導入のタイミングでルイス・ハミルトンをピットインさせたチームの判断は「まったく愚か」で「初歩的な過ち」だったと語った。

 ハミルトンが、トップを走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を追撃していた終盤戦、フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが同士討ちによりリタイアとなり、セーフティカーが導入された。

 そのころメルセデス陣営では、ハミルトンの担当レースエンジニアであるピーター・ボニントンが無線でタイヤの状況を尋ねるとともに、今ピットに入ればポジションをひとつ下げることになると伝えていた。

 ハミルトンはいったん「(ピットインするかは)そちらで決断してくれ」と返答した後、ためらいながらも「入るよ、入る」と付け加えてピットレーンに向かった。

 アリソンはレースを振り返り、チームがハミルトンに対してピットインで失うであろうポジション数を不正確に伝えただけでなく、その決断をハミルトンに委ねたことも間違いだったと述べた。

 ハミルトンは、この最後のピットインでアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)に抜かれて、順位をふたつ落とした。残り2周、ハミルトンは後方からガスリーを抜いて3番手を取り戻したものの、その前を行くアルボンに接触したことで、レース終了後に5秒ペナルティを受けて最終順位を3位から7位に落としている。

 メルセデス代表のトト・ウォルフが不在だったブラジルGPでチームの指揮を執ったアリソンは、「その時点までも素晴らしいとは言えなかったレース展開のなか、我々は愚かな判断を下してしまった」と説明した。

「新しいタイヤへの交換と引き換えに順位をひとつ下げても、それを問題なく取り返したうえで、さらにトップを狙えるだけのラップ数は十分に残っていると考えていた」

「だが、そうではなかった。ガスリーを考慮に入れていなかったことで順位をふたつ下げたことに加え、コース上のデブリの量も見誤っていた。セーフティカーは我々の想定よりもずっと長く周回したのだ」

「今思えば、その日は十分速いとは言えないようなマシンで戦っていたのに、優勝を狙って無理をしすぎるという初歩的な過ちを犯した。マシンの調子が良くなかった状況で、我々は判断ミスをしたんだ」

 アリソンは、失敗に終わった最後のピットインについて、決断したハミルトンに責任はないと語った。

「我々の目論みがうまくいかなかったのだから、これは完全に我々の責任だ」

「あれが正しいことかどうか、まったく見えていなかった。可能性があると考えていただけだ」

「ルイスの意見も聞いてみようと考えた。だが、彼に正確な情報を与えていなかったのだから、聞くべきではなかったのだ」

「落ちる順位はひとつと伝えたのに、実際はふたつだった。それに、そもそも決断は我々自身がすべきだった」

「レースをするのが好きな彼としては、ピットに飛び込む前に1、2秒ほど悩んでいる様子だった。だがこれは我々のミスだ」

「決断の瞬間から、我々は祈るような気持ちになっていた。彼がピットボックスからガスリーの後ろに出たあと、『自分たちは何をやっているのだろう』と自問せざるを得なかったよ」

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